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還暦から3年勝負!のち、葛城の古民家で、十割そばと絶品天ぷら‐2056‐

奈良盆地の西端を走る県道が山麓線です。

東に奈良盆地を見下ろしながらの景色が気に入っています。

二上神社前、当麻寺と南に下ります。

南阪奈道路の葛城ICを越えたら、すぐ左手に「十割そば 玉竹」の駐車場が見えてきます。

駐車場脇の竹林には、趣のある石段が。

そこを下ると、立派な古民家が見えてきました。

立派な門屋。

燕さんじょう亭、そば処 玉竹

ちょうど1年前、橿原市の信号で止まった時に偶然見えたそば屋さんが「蕎麦屋 玉竹流」でした。

IT企業を60歳で退職し、3年前に開業したという大将。3年目で立ち退かなければならない場所で開業したそう。

「3年あれば、自分の仕事が認められるか、認められないか見極められると思いました」と。

その時、今年の4月に移転すると聞いていた場所がここなのです。

門屋をくぐって中庭へ。

立派な母屋の前にはすでにお客さんが。

11時開店の前に到着しましたが17人目。何とか1回転目に入れました。

80~90人前のそばが無くなった時点で閉店とあります。

チラと厨房をのぞくと、大将の他に5、6人のスタッフが働いている感じ。間違いなく繁盛しているようです。

女性スタッフの方に、新潟の「燕さんじょう」と関係あるのか聞いてみると、「元は新潟と関係のある薬商だったと聞いています」と、教えてくれました。

前店舗に行った旨も伝えると「あのブログを書いてくれた方ですか!」と。

大神神社の帰りに偶然寄ったことまで覚えてくれており、何とも嬉しい限りです。

雲丹小丼とざるそばのセットに、天ぷら盛り合わせを追加しました。

2700円です。

前回の燻製鮭小丼も美味しかったのですが、今度はこちらを頼もうと決めていました。

以前はなかった天ぷら。

いつか提供しようと、こちらも鍛錬を重ねていたのでしょうか。すばらしく美味しかったです。

えびも美味しかったですが、特にかぼちゃが絶品でした。

そして、何と言っても十割そば。

昨年聞いたときは、長野県小諸産とのことでした。朝霧がでるこの地域のものが甘いと教えてもらったのです。

天ぷらも頼んだので、1合盛りにしましたが、せめて2合にしておけばよかったかなと。

普段から小食の妻でも「1.5合にしておけば良かったかな」と言っていたくらいですから。

そのくらい美味しかったのです。

お客さんが帰る度に、厨房の奥から「ありがとうございました!」と、誰よりも大きな大将の声が聞こえてきます。

還暦からの3年勝負を制した、元IT企業の大将。

大繁盛につき、とてもお話をする時間は無さそうでしたが、応援しています。

香り高い十割そば、絶品天ぷら、濃厚な雲丹、最高のロケーション、趣ある古民家、そして人柄。

これだけ条件が揃うことは、そうない無い気がします。

私がする必要は無いかもしれませんが、絶賛お勧めしておきます。

■■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

メディア掲載情報

歯ごたえ十分、魅力十分、古民家リノベーション計画‐1797‐

 池原の古民家リノベーション計画。

 ゴールデンウィーク中だったので、気持ち的にもゆっくり見ることができました。

 接道は東側。

 こちらから見ると、中庭があることは全く分かりません。

 右手には廃屋が見えていますが、こちらは取り壊して貰えるようです。

 元の持ち主も時々使っていたそうで、空気がよどんでいる感じはありませんでした。

 家というものは、2ヵ月くらい空気が動かないと、痛むスピードが加速するものです。 

 建物の背面、西側裏手に伸びる道路があり、廃屋側から登ってみます。

 北から見返しているので、左が東棟、右が西棟です。

 更に登ると、配置がよく分かります。

 北側はなだらかな石積みで、こちらからもアプローチできました。

 建物をぐるりと回って、南側に出てきました。

 入口は道路寄りの東棟に。

 元はカマドがあったのでしょう。

 土間レベルにキッチンが据えられていました。

 そこから北を覗くと、6畳と4畳半の2間が続きます。

 東に隣合うように、また6畳間が2つ。

 東棟はいわゆる田の字プランです。

 キッチンのある土間の隣には板の間。

 現在は絨毯が敷かれていますが、もとは作業場だったのかなと思います。

 東、北へと廊下が巡っているのです。

 クライアントに聞くと、この地域ではオーソドックスな間取りだそうです。

 ただ、オーソドックスでないのはここからです。

 土間キッチンの横に、廊下が見えています。

 この蛇行した廊下で、西棟と繋がれていたようですが、現在は浴室、トイレにのみアプローチできます。

 形状としては繋がっているのですが、現在行き来はできないのです。

  それで、一旦中庭にでてから西棟に入ってみます。

 西棟には2部屋。

  手前は納屋だったよう。

 築50年程と聞いていたのですが、もう少し古い建物のような気もします。

 何となくですが、昭和一桁あたりといった感じでしょうか。

 西棟、北端の部屋が最も環境は良いでしょう。

 中庭に向かって、コーナーフィックスのように開かれています。

 ただ、こちらの棟は近年は使われていなかったようです。

 この薄いスリガラスはおそらく2mm。

 ほぼ外部といってよいくらい、光も空気感も透過します。

 奈良県下北山村は、日本でも有数の降雨量を誇る大台ケ原や尾鷲とも隣合い、非常に雨が多い地域です。

 軒が深いのが印象的でしたが、妻面をトタンで覆っているのも同じ理由だと思います。

 物置的な使い方をしている箇所もありました。
 

 お隣りの廃屋はラピュタ状態です。

 古い建物をつぶさに見て回ると、地域に根差した建て方や、工夫がみてとれたり、当時の暮らしが想像できて非常に面白いもの。

 紀伊半島の南部に位置し、温暖な気候は大変過ごしやすいのですが、お隣りを見ると、多雨多湿の環境は侮れません。

 大阪から車で2時間半。いつも仕事をしている建築会社の監督に相談すると、「大和高田に住む大工を行かせても1時間半ですものね。泊まりになるでしょうね」と。

 やはり難しいという感じ。

 新宮でも仕事をしていると聞いた建築会社に相談すると、「一度行ってみましたが、新宮からでも1時間半ですね。次の春頃からなら」と、微妙な感じ。

 27歳の時、「白馬の山小屋」のオファーを貰いました。

 こちらもフルリノベーション計画だったのですが、長野県に知っている建築会社など勿論なく、村役場に「どこか良い建築会社を紹介して貰えませんか?」電話しました。

 今考えると、役場がそんな質問に答えられるはずもありませんが、「一覧表があるので送ってあげますよ」と、faxしてくれたのです。

 それで何とか完成し、当時のクライアントの子供さんが現在も愛情を掛けてくれています。

 課題が多ければ多いほど、完成した時の物語りは深みが増すものです。

 歯ごたえ十分、魅力十分。

 初心に戻って、この古民家を別次元のレベルに生まれ変わらせてみたいと思います。 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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