タグ別アーカイブ: 梅田換気塔

バーゲンは罪?‐1873‐

日曜日が雨予報だったので、土曜日に梅田へ出ていました。

JR大阪駅の南東にある交差点は「阪神前」。

「阪神前」の北東に建つのは阪急百貨店です。ややこしい言い方をしていますが。

その前にあるのは、村野藤吾設計の梅田換気塔。

1963年の完成ですから、60年近く地下街へ新鮮な空気を供給しているのです。

梅田の地下街は、屈指の大きさと通行量を誇りますが、大規模なリニューアル工事中。

阪神百貨店前の東広場に至っては完成が1937年。80年以上経っているのです。

イメージパースが掲示されていました。

東広場を西に進み、大丸方向へ向かうと、パッと明るくなり雰囲気が変わりました。

何と、大阪駅前地下道にトップライトが設置されていました。

阪神、阪急、大丸をむすぶ歩道橋から確認してみます。

位置から考えるとこの部分でしょうか。

地下に外光が差し込むと、全く雰囲気が変わるはず。最終的にどうなるのかとても楽しみです。

この光が一番欲しかったのは、以前あったふるさと名産店(通称アリバイ横丁)の売り子さんかもしれませんが。

百貨店の一角に、まだ「セール」の貼り紙があったと聞き、あわててやってきました。

現場へも革靴を履いていくので、全てが傷だらけに。何足か補充しておきたかったのです。

3つの百貨店なら私は大丸派。フロアが適度にコンパクトで、買い物が早く済みます。靴売り場へいくと、それなりに残っているようで探し始めました。


店員に「この25.5cmってあります?」と聞くと、「もう展示だけですねエ。セール終盤なので」と。
他のものを訪ねると「それもないですねエ、セール品は」と。

セール品でなくても構わないかなと思っていたのですが、この時期に来たのをとがめられて様ないるような扱いで……

バーゲンに来るのは罪ですか?と言いたくなりました。

気分の悪いまま買うのは嫌で帰ってきました。

帰りの地下鉄でふて寝していると、乗り過ごしてしまいました。

谷町線の終点は八尾南です。

そういえば、子供達はしょっちゅう乗り過ごしているといっていました。

ホームから東を見ると、沢山の車両と生駒山が見えました。なかなかの景色だなと気分を直して会社に戻ったのです。

若い時ほど腹が立つことは減りましたが、それでも時々頭にくることがあります。

そんな時は、まず一呼吸おいて寝る。そして移動する。これに限るのです。

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一発合格したければ‐1765‐

 「大阪のど真ん中」と言われれば、思い浮かべる場所はそれぞれだと思います。

  私にとっては「阪急前」「阪神前」あたりでしょうか。

 阪神百貨店前にある「梅田換気塔」は、大阪が誇る建築家、村野藤吾の代表作のひとつ。1963年の完成です。

 ラビリンスと言われる、梅田地下街のシュノーケルのようなもの。有機的なデザインを得意とした村野の真骨頂と言えるでしょう。

 建築設計を仕事とするなら、必要になるのが建築士資格です。2010年以前なら一度取得すれば一生使える資格でした。

 しかし2004年に起こった構造計算偽装問題から信頼が失墜。ということで3年に一度、定期講習を受けなさいとなったのです。

 そのお勉強と終了考査を受けに梅田にやってきました。

 左手にHEPナビオを見ながら、扇町通を東へ向かいます。

 東隣にあるOSビルも、同じように舳先のようなフォルムが特徴です。

 東通商店街の入口と言えば分かり易いかもしれません。

 東へ歩いていると、歩道を仕切り、ゴンドラに作業員が乗り込んでいるところでした。

 見上げると遙かかなたに、ゴンドラを吊るすアームが見えます。

 2010年完成の富国生命ビルは、フランスの建築家、ドミニク・ペローの設計です。
 
 最新の技術が投入されたインテリジェンスビルでも、やはり人力に頼るところは頼るしかないよう。高所が大嫌いな私は、見ているだけで身震いしていました。

 お初天神通りを右手に見ながら更に東へ。

 新御堂筋と交差するところで横断歩道が途切れており、地下に降りました。

 泉の広場から泉が消えたのはいつだったか。

 正直、以前の方が雰囲気があったかなと思います。色々な意味で……

 オフィスビルの8階が会場でしたが、こういった講習は資格試験予備校が請け負っていることが殆どです。

 建築士資格用の教室らしく、様々な貼り紙が見えます。

 勝ちたいという思いが強いほうが勝つ!!

 「絶対合格」という強い気持ちを!!

 初志貫徹  言いわけ無用

 こちらは、プロとアマの違いを書いたロングバージョン。

 成功し続ける

 変化がなければ人生なにも変わらない

 撮り忘れてしまいましたが、1日1%成長し続ければ1年で37倍成長できるというものもありました。

 予備校ですから、モチベート、アジテートしてくれる場所と言ってよいでしょう。そういう意味では、これらの貼り紙を見るのはかなり楽しかったのです。

 昨年、コロナの影響もあって、初めて建築士試験の監理員を務めました。
 
 広い意味では後輩のようにも感じるので、スターバックスの元CEO、ハワード・シュルツ言葉「耳に痛い意見にヒントがある」を紹介したのです。

 もう少し踏み込んで、勉強と仕事の違いも書いてみたいと思います。

 正解があるのが勉強。答えはないのが仕事。

 これが私の持論です。「答えがない」というのは、これをしておけば間違いないという、絶対的な正解がないという意味です。評価はクライアントが下すものなので、パーソナリティ、環境、時間軸によっても変わって当然です。

 答えのない答えを模索していくことこそが、仕事の醍醐味と言って良いのかもしれません。

 また、本気の目的を持っていれば、他人にモチベートして貰う必要も、アジテートして貰う必要も全くありません。イチロー選手は現役時代「モチベーションが落ちることはない」とはっきり言っていました。

 「世界で一番多くのヒットを打ちたい」が目的なら、モチベーションが落ちることがないのは当たり前です。

 あとは自分に相談せず、他人に左右されず覚悟を決めるだけです。

 今年の受験者がこの日記を読んでいる可能性は低いと思いますが、一発合格したければ、間違っても「一級建築士試験は難しい」などという言葉は使わないことです。

 その声は一番近くで、自分の脳が聞いているからです。

 これは私が通ったから言う訳ではありません。私の登録番号は、確か27万番代だったと思います。
 
 何年掛けての番号かは知りませんが、難しい資格に何十万人も通る訳はありませんから。

■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載

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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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