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トンビに撃墜されない範囲で、‐2112‐

土曜日は、日本でオーロラが観測されたというニュースがありました。

自然の話と言えば、温暖化、記録的豪雨など、聞き難いものが多い中、何とも夢のあるニュースでした。

強力な太陽フレアが連続して発生したのが要因で、北海道から能登半島までの日本海側で観れたとありました。

被災された北陸の皆さんにとって、一服の清涼剤になったと思いますし、改めて自然の奥深さを感じたのです。

同じ土曜日に、「下北山村の古民家〈リノベーション〉」のゲンバ日記をスタートしました。

初回は計画の説明の前に、私の下北山村愛がほとばしる内容になってしまいましたが、よければのぞいてみて下さい。

下北山村はニホンカモシカから熊まででるところですから、猿、鹿は普通に会います。

前回七色ダムへ行った際も、水面近くまで降りてきて、新芽なのか花弁的なものなのか、ムシャムシャ食べていました。

ドローンで撮影する時は、国交省に飛行許可を申請すると共に、ダムの管理者、電源開発の方にも許可申請を提出しています。

5月5日も、ゲンバ日記用に池原ダムで撮影していました。

この日は天気がよく、ドローンが飛んで良い空域、150m近くまで高度を上げました。

あたりにはトンビも多く生息しています。

風を受け、空中でくるりとターンする様子は気持ちよさそうですが、上空から人間の食事を狙っていることもあります。

以前、長男が食べていたバナナを上空から狙われ、音もなくかっさらわれました。

あの鋭い爪でバナナを捕まえた瞬間、バサリと羽が私の顔に当たりました。

子供に怪我がなかったのが何よりでしたが、皆さん是非ご注意下さい。

実は、これ程近くに飛んできたのには訳があります。

トンビはドローンを自分の制空権を犯す侵入者とみなします。いつもなら、この辺りで暮らす住人がすぐに威嚇してくるのです。

しかし、この日は近くに居なかったようで、順調に撮影していたのですが、ある瞬間音もなく現れ、こちらに滑空してきました。

それで急いで高度を落としたのです。

すでに何機かのドローンが撃墜されているそうで、あやうく新機を破壊されるところでした。

下北山村の自然に対する愛情は、ひとかたならぬものがあるのですが、常に片思い。何とも切ないものです。

「バカの壁」の著者、養老孟司は、戦後日本は「都市化」したと考えると理解しやすくなると言いました。

車が走り難いからアスファルトを敷き、雨が降ると買い物がし辛いと屋根を架けました。

ジャングルで石に躓いても誰も怒りませんが、ニューヨークで歩道に穴がありそこで怪我をしたら、市を訴えるのです。

コントロールできないものをどんどん排除し、文明は発展してきました。しかしその弊害として「何事も人のせいにする人が増えた」そうです。

この話、稀代の論客が鋭く現代人を考察しており、身につまされる思いがします。

魚が釣れないのは、誰のせいでもなく自分の知識と技術の至らなさ。

熊やトンビに駆逐されない範囲で、「言い訳」という錆を削り落としたいと思うのです。

■■■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■■■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

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熊に驚き、感謝する‐1746‐

11月も後半に入り、熊野街道沿いの山々も色付いてきました。

10月の釣行時以来の池原ダムへ。

今週は試合があるようで、トボトスロープも満員御礼です。

ずらりと車が並ぶ中、浜松ナンバーの車がありました。

声を掛けてみると「5時間掛かるので年に4、5回ですが、池原が大好きなんです」と。

ボートを牽引しての運転は大変だと思いますが、その魅力があることも良く分かります。

この時期は、景色が特に素晴らしいのです。

今年はコロナの影響もあって、隣接するキャンプ場は賑わっています。

この閉塞感の中、出来るだけ密にならず、リフレッシュしたいという思いは皆同じです。

しかし感染者数は再び増加傾向のよう。

「絶対貰わない」は簡単ではありませんが、「絶対うつさない」はかなりの確率で出来るようです。

ひとりひとりの心掛けで、今後の未来は大きく変わるはず。

前回の釣行で少し成長したかなと思っていた、すぐにきました。

水温も高かったので、浅いところから狙っていきました。

読み通りと言いたいところですが、まずまずのサイズはこの1本だけ。

その他のサイズは選べませんでしたが、秋は厳しいのである程度納得です。

思うようにならないから、自然の中で遊ぶのは楽しいのですし。

前回お隣さんに教えて貰ったみかんを買いにきました。

169号線のカーブにあるので「カーブの店」

熊野でとれる南紀みかんはあまり関西には出回らないそうです。

大きさこそ小さめですが、房の皮は薄く上品な甘さ。

みかん好きの娘もかなり喜んでいたので、お土産にはお勧めです。

大自然に触れたくてやってくるのですが、動物も色々居ます。

こちらは切り株に止まるトンビで、ちょっと格好いい。

猪も湖畔まで下りてきました。

その他には、鹿と猿も見かけました。

ボートで走っていると、水面から少し顔を出した動物が。

猪かな……と思っていたら真っ黒な熊!

対岸から200m以上を泳いで来たようで、その呼吸音があたりに響きます。

ぶつかりそうになったので、大きくUターンしました。

波が立っていて、エンジン音がうるさいのはそのためです。

25年池原に通っていますが、熊を見るのは2回目です。

エレキモーターに切り替えて撮ったのですが、正直かなり怖かったです。

早い早いと聞いていましたが、泳ぐのも駆け上がるのもここまで早いとは。

2回目と書きましたが、もう1回も今年の前半でした。

その時は、ガサッと音がしたのでカメラを出したのですが間に合わず。

今年はドングリが不作だとよく聞きます。

これだけ豊かに見える大台ヶ原山系も不作なのでしょうか。

私は特に動物愛護派という訳ではありませんが、野生の生き物に会えるのは楽しみにしています。

しかしボートからという特殊な状況とは言え、数メートルで熊を見て、その素早い動きや、荒い呼吸音を聞いて、改めて「獣」だと分かりました。

とても人が太刀打ちできるものではないと実感したのです。

普段から会わないように心掛けていますが、いざという時の為に、唐辛子スプレーを携帯しています。

携帯用のこのサイズなら、噴射距離はたった2m。

本当のそんな状況になったら、使えるか分かりませんが、何か打てる手があるだけでも気持ちが違うと思っているのです。

遊ぶために仕事をしている訳ではありませんが、コロナ下の世界でも、好きな景色を見に行け、食べたいものを食べることができます。

行きの車で何気なくラジオを付けると、書道家・武田双雲さんが話しをされていました。

 「感謝力をもっともっと高めていきたい」

感謝を常とする人の回りには、何故かそういった人が集まってきて、より感謝できる状況が出来て行く。そんなお話しでした。

どんな事においても、熱意や向上心は常に持ち続けてきたつもりです。

しかし、この感謝力という力。今までの私に足りていなかったものだと良く分かります。

仕事があることに感謝。行きたい所があることに感謝。みかんに、猪に、熊に、感謝、感謝、感謝しなければなりません。

熊と遭遇したのは、トボトスロープからそう遠くはありません。ここまで近くで熊が暮らしていたとは。

そうか、だから熊野なんだと至極納得。やっぱり熊に感謝なのです。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

頭で勝負するしかない‐1291‐

 今日は海の日。

 ですが湖に来ています。

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 昨年に続き、夏の釣り合宿は奈良県の池原ダム。

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 昨年は4人で来ましたが、娘がピアノの発表会で、長男と2人旅です。

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 宿は湖の見えるバンガローと、もう釣り漬けの2日間です。

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 しかし、残念なことに釣りは私の趣味。

 特に長男は、小さくても一匹釣れれば満足というタイプなのです。

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 自然を体感してくれれば十分だとは思っています。

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 しかし、何が楽しいのかオールで遊んでみたり。

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 船の上げ下ろしに、凄く興味を持っていたり。

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 昼休憩に沢木幸太郎の「深夜特急」を渡したら、釣りに行かずにここで本を読んでいると。

 本好きは嬉しいのですが、折角だからと誘い出すのです。

 沢木幸太郎は2年前からのリベンジなので「面白い」と言ってくれたのは嬉しいのですが。

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 今回、私は前回つかんだ感触からのテーマを持っていました。

 その甲斐もあって、釣った魚は全て40cm以上。

 分かったことは、目先の結果にとらわれず、正しいと思ったことはやりきるべきということ。

 やりきらないと、正しいのか正しくないのかが分からないのは、仕事も趣味も全く同じでした。
 
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 今日は長男にも37cmがでて、任務終了。

 夕方には塾があるので、昼前に現地を出ました。

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 今朝、ボートの上で朝ごはんを食べようと、バナナをだしました。

 すると目の前を疾風が吹抜け、顔を麦藁帽子でバッシと叩かれたような感覚。

 手のバナナが無くなっていました。トンビが奪い去ったのです。

 あの鋭い爪でバナナだけを捕らえ、木の上で悠々と朝食をとっていました。

 一瞬何が起こったか解らず呆然としましたが、まず横でバナナを食べていた子供でなくて良かったと思いました。

 大きな羽が私の目をかすり、今も結構痛いのです。

 取られて瞬間は「ブンッ」とすごい音でした。手には一切触れませんでしたが、あの鋭い爪に手が一緒に捕まれたらと、ゾッとします。

 カラスを見て怖いなと思ったことはありますが、トンビに恐怖を感じたのは初めてでした。

 近頃、クマが人をエサとして認識しているという物騒なニュースもあります。

 今月だったか、池原ダムのすぐそばで登山者がクマに襲われたという記事も見ました。野生の動物から見れば人は何と無力なことか……

 人が人である理由はこの大きな頭があること。

 頭の良し悪しなど全く関係なしに、頭で勝負するしかないのだと改めて思わされました。トンビにさえ何の対抗手段も持っていないのです。

25 - コピー

 頑張れ長男。そして祝日も勉強する受験生。君たちはきっと報われるから。