タグ別アーカイブ: 近鉄

密から生まれる、熱‐1838‐

久し振りの道を通ったら、広い空き地に変わっていました。

建物が無くなると、元は何があったか思い出せなくなるものです。

これだけの敷地ですから、かなり大きな建物だったと思うのですが……

人の記憶ほど曖昧なものはありません。

ネコジャラシが秋の日を受けて、金色に輝いています。

金色に輝くと言えば麦の代名詞ですが、確かこのネコジャラシも稗などの仲間だったはず。

負けず劣らず美しいのです。

乗り継ぎができる駅は沢山ありますが、街が面白いのはやはり鶴橋。

私は好んで使います。

JR、近鉄、地下鉄と3つの路線が交わるので人通りも多く、活気があるのが好きな理由。

また、戦後から残る周辺の商店街は、唯一無二の雰囲気です。

阿倍野、天王寺の再開発が進む中、最後の砦といってよいでしょう。

12月に除いた時は閑散としてましたが、今月末、緊急事態宣言が解除されるという報道もありました。

鶴橋商店街だけでなく、「もうそろそろ人出が戻ってくれなければ……」というのが、偽らざる本音なのです。

梅田の地下街を「ラビリンス」と紹介していた記事を見掛けましたが、ラビリンス度では 鶴橋商店街が1枚上手だと思います。

商店街をのぞいたのは久しぶりですが、私の心配は不要でした。



十分に人出は戻っているようです。

まだ解除前なので戻りすぎなのかもしれません。

私も人のことは言えないのですが。

今から138億年前。

超高温、超高密度に圧縮された素粒子が突如爆発しました。

その爆発によって、「無」だった宇宙が「有」に変わり、現在も膨張を続けています。

これが私の理解する「ビッグバンセオリー」です。

「無」とは何?

まさに禅問答で、考え出すと夜も眠れなくなります。

それは置いておくとしても、大きな変化には「熱」が必須で、それは「密」と深く関係しているようです。

中高の同窓会 の世話役をしているので、先日有志でリモート会議を開きました。

2020年末に予定していた中高の同窓会は、昨年夏に2021年末に延期しました。

今月、更に2022年末へと延期を決定しました。

その案内をすると、何人かの同窓生からレスポンスがあったのですが、「さすがにそろそろ納まってくれないと……」いうメールがありました。

約2年、「密」は徹底的に排除されてきました。

それは必要なことだったはずですが、永遠にという訳には行きません。

今年度の後半戦は、そろそろ「熱」で行きたいと思うのです。



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【News】

■■■ 『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■■

■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載

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人類の未来‐1680‐

 命の尊さに差異はありません。

 しかし心は別です。

 欧米で、桁が違う程の人が亡くなっていても、「日本じゃない」とどこかで言い聞かせている部分があったことは否めません。

 志村けんさんの訃報を聞き、改めてそのことを感じます。全国民のおじさんが亡くなったのです。

 海外メディアは「日本の喜劇王」、「日本のロビン・ウィリアムズ」と表現しました。

 小学校の頃、土曜8時は「全員集合」と「ひょうきん族」で、真っ二つに割れたものです。

 刺激的で、やや毒のあったひょうきん族と比べて、お笑いの王道を貫いたのが全員集合でした。

 志村さんには、まさに喜劇王の言葉がふさわしいと感じます。

 近鉄電車の南大阪線に乗る機会がありました。

 古市行きの普通電車は閑散としていました。

 僅かな乗客も互い違いに座り、距離をとるよう意識しているのが伝わってきます。

 世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」を通るとあって、扉には前方後円墳のラッピングがなされていました。

 吊革には全て埴輪が。

 世界遺産登録に沸いたのが、遠い過去のようにも感じてしまいます。

 沿線にある葛井寺(ふじいでら)。

 藤井寺という地名の由来になったと言われる古刹です。

 お寺にしろ寺院にしろ、全ての信仰の対象で、無病息災を掲げていないところはありません。

 疫病が流行ったとしても、天災が起きたとしても、祈るしかなかった時代のほうが、人類史の中では圧倒的に長かったはずです。

 多くの事がコントロール出来る、出来ると思っていた現代に、このような事が起こるとは全く想像できませんでした。

 私はギリシャ神話「パンドラの箱」の話が好きです。

 ゼウスはまだ男しか人間は存在しない世に、パンドラという美しい女性をおくります。

 パンドラには、決して開けてはならないと命じ、災い全てを閉じ込めた箱を与えました。

 彼女は同時に、好奇心も与えられていたので、我慢できずにその箱を開けてしまいます。

 開けた瞬間に、災いがこの世に溢れ出しますが、かろうじて蓋を閉じ、唯一閉じ込めたのが「予兆」でした。

 ギリシャ人は、未来を知ることが大きな災いと考えていたのです。

 本来なら春うららかなこの季節ですが、やや気が重いのは仕方ありません。

 自分の子供が、自分の親が、自分のおじさんが亡くなるのは誰もが嫌なはずです。

 無理に理由をつける必要はありませんが、誰かの死を無駄にしたくないなら、全国民が、全人類が、自分達の未来のために一段段ギアを上げなければならない局面に入ったのでしょう。

 グローバル化が進んだこの時代、人種も、性別も、年齢も関係なく、77億人全員にその未来が託されていると言っても過言ではありません。

 自分の人生が、この先の人類がどうなるのかは、誰にも分かりません。

 しかし分からないからこそ、生きて行けるのだとギリシャ神話は教えてくれるのです。

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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【News】

■2月3日 『Houzzの特集記事』「阿倍野の長屋」が取り上げられました
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
■4月1日発売『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
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