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還暦から3年勝負!手打ち十割そば「玉竹流」‐1945‐

先週日曜日は奈良へ出掛けていました。

用事が終わって大阪へ向かう途中、ラジオから「この後、大神大社(おおみわじんじゃ)へ参拝にいきます」と聞こえてきました。

そう言えばすぐ近くだなと思い、私たちも参ってきました。

大神大社に到着。

木漏れ日の中、緩やかな勾配を上って行く参道。

大和国の一之宮の格式を感じさせます。

ご神体は三輪山なのでこちらは拝殿。

「屠蘇調合祭」とあります。

正月に飲まれるお屠蘇。正確には屠蘇散(とそさん)と呼ばれる5~10種類の生薬を日本酒に浸したものだそうです。

その屠蘇散を調合し、お供えする神事が執り行われていました。

その帰り、昼ご飯を食べようと三輪素麺の老舗、「池利」直営の「千寿亭」に寄ってみると、11時半で12組待ちの大繁盛。

今回は諦めました。社長が若い頃のスキー仲間だったので、それはそれで嬉しいことです。

口がすでに麺の口になっているので、大阪へ向かいながら店を探します。

橿原市あたりの信号で止まった時、横を見るとポツンと1軒だけ営業しているそば屋さんがみえました。

「蕎麦屋 玉竹流」

入ってみると、店内もいい感じです。

大将が朝から打った十割そば。

ざるそば1.5合と燻製鮭小丼のセットを頼みました。

そばは長野県小諸産。朝霧がでるこの地域のものが甘いそうです。

あまりにも美味しく、一瞬で平らげてしまいました。

ちょっと遠いなと思っていたら、橿原での営業は11月20日まで。

来年の4月から、葛城市中戸411-1に移転するそうです。

南阪奈道路の終点、葛城ICを降りたあたりなので、ここならまた寄れそう。

IT企業を60歳で退職してから、3年前に開業したという大将。

今年でここを立ち退かなければならないことは分かっていました。

「3年あれば、自分の仕事が認められるか、認められないか見極められると思いました」と。

人生100年時代、そんな生き方もあるんだなと感心して聞いていました。

青春に続く時期は朱夏。

色は古代中国の五行思想によるものですが、その次は白秋。

静かな秋には白がよく似合います。

作家・五木寛之 の著書「白秋期」の紹介がありました。

百歳人生を迎える今、60~70代は「老人」ではなく「白秋期」なのです――人生の豊穣な秋をどう味わうか。

もの静かで上品な感じの大将。還暦からの3年勝負の結果は「認められた」でした。 素敵な「白秋期」に違いありません。

次のお店がまた味わいのある建物のようです。

燕さんじょう亭

なお楽しみが増えました。

未だ「青春期」だと思っている私にとっての「白秋期」とは……と少し考えていました。

そうそう、雲丹もこだわりのようだったので、次の機会は是非食べてみたいものです。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

メディア掲載情報

日本最古の「道」‐1530‐

 日曜日は、気温が20℃前後で快晴。いわゆる絶好の行楽日和でした。

 「色んなところに行き過ぎて飽きた」と、娘は近頃あまり外出したがりません。

 「遊園地、かつ丼、本を買ってあげる」で誘えば来てくれるのですが、いつもそれでは芸がない。

 この日はにゅう麺+参拝で誘ってみたのですが不発でした。

 よって、最高の行楽日和にひとりで大神神社(おおみわじんじゃ)へ。

 奈良の桜井にある大鳥居は知っていましたが、おそらく初めての参拝です。

 「古事記」「日本書紀」にも記され、日本最古の神社とも言われます。

 大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が、三輪山に鎮まることを望まれたため、左に見える三輪山自体がご神体となっているのです。

 その読み名の通り、三輪素麺で知られる三輪にあります。

 素麺発祥の地とも言われるだけあり、二の鳥居のすぐ横に店がありました。

 鳥居をくぐり参道を進みます。

 神殿はないので、こちらが拝殿。

 檜皮葺きの屋根の下に、光る菊の御紋。

 陰と陽、自然と建築の見事なコントラストを見せてくれます。

 神社も最古なら、最古の道と言われるのが「山の辺の道」。

 三輪から奈良へ至るものでしたが、現在は天理あたりまでが遊歩道として整理されているようです。

 途中に多くの神社や古墳があり、飽きることがありません。

 10年以上前、あるクライアントが「春先にこの道を歩くのが一番好きなんです」と言っていました。

 大阪や京都にない、古都・奈良らしい風情を感じます。

 古の人々の息遣いが聞こえてくるような気さえしてくるのです。

 オレンジのコスモスが道に張り出していました。

 花は自らの花粉を運んで貰うため、これほどまでに美しく咲き誇るのです。

 今度は家族で天理まで走破したいのですが、娘は歩くのを一番嫌がり……

 何かプラスアルファの魅力を探さなければなりません。

 三輪素麺の老舗、「池利」が直営する千寿亭がすぐそばにあります。

 ここのにゅう麺で誘ってみたのです。

 社長の息子2人がスキーの古い仲間で、ずっと前に一度内装だったかの相談に乗ったことがあります。

 おそらくそれ以来なので、久し振りに食べてみたかったのですが、またの楽しみです。

 大阪へ戻るために桜井から169号線を北に走ります。

 何とものどかな夕景ですが、この山裾に日本最古の道は生まれました。

 20世紀初頭、仙台に留学してきた魯迅は、中国に戻り「阿Q正伝」などを発表します。

 短編小説「故郷」にはこのような言葉があります。

 もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ。

 道は先人が作ってくれたものです。

 その道を有り難く利用させて貰うのですが、実業の世界では、優秀な人がその道を最も上手く使います。

 舗装された道を、高性能の車で走るイメージですが、こういった人達がエリートと呼ばれる人々です。

 自分がエリートでないなら、道なき道なのか、獣道なのか、人が通りたがらない道を行くしかありません。

 舗装道路を行くのでは、高性能の車には敵わないからです。

 格好をつけるつもりはありませんが、自分がエリートであるかないかは、分かっているつもりです。

 一休和尚の言葉ではありませんが、踏み出せばその一足が道となります。勇気をもって踏み出すしかないのです。

 帰路の際、屋根が印象的な天理市役所を通りすぎました。

 この近くに、昔「彩華ラーメン」の屋台があったよなあ、と思いながら走っていると、西名阪の天理IC近くにその屋台が見えました。

 懐かしいなあと思いながら、渋滞の車窓から見ていたのです。

 出掛けるということは、道を行くことです。そうすれば色んなことが起ることを、何とか娘に伝えたいのですが。

『道』一休和尚

この道を行けばどうなるものか

危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし

踏み出せばその一歩が道となる

迷わずゆけよ、ゆけばわかる

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

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【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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