○○○とハサミは使いよう‐1410‐

 朝夕に限っていえば、「気持ちいい」という言葉が思わず口からもれます。

 関東は雨の多い夏だったようですが、関西は酷暑の夏でした。ようやく暑さの出口が見え、秋の気配を感じます。

 耐震偽装問題が起ったのは2005年でした。

 建築士の信頼失墜を理由に、2009年から3年に一度の講習が義務付けられています。

 建築士の資格は必要なので取得していますが、正直あまり興味はありません。その説明はさておき、中崎町で講習を受けてきました。

 中崎町は梅田から1駅東。

 立地の良さと、古い長屋が残っていることで、リノベーションした店舗が多く目につきます。

 おしゃれなエリアとしてよく取り上げられるのも分かります。

 躯体を活かせるなら、それらの費用を内装、外装にまわすことができます。

 また、梅田とは賃料も違うはずなので、商品、サービスのほうにもお金を掛けられるでしょう。

 JRの高架下も、多くの店舗が入っていました。

 梅田センタービルまでくれば、茶屋町エリアまでもうすぐです。

 講義の中で、「建築家」の悪い側の印象として「勝手に作品をつくられる」という話がありました。

 そんな職業が、この世の存在していることが不思議です。

 先日、初期相談に見えた方も同じような話をされていました。

 それでも足を運んでくれたのは、「こちら側に立って仕事をして貰えるのかなと感じて」言ってもらいました。

 自分だけが正しいことをしているとは思いませんが、「クライアントと良い関係を築いておられるんだろうなと思って」という感想は、やはり嬉しいものです。

 「建築家○○作品」ということに幸せを感じる人も居るかもしれませんが、圧倒的に少数だと思います。

 それでも建築家という職業が存在するのはなぜか。

 「何とか夢をかなえてくれるのではなか」という人がある割合で存在し、勇気をもってオファーしてくれるからです。

 法的には、ある規模以上の建物は、建築士による設計が必須ですが、建築家に頼む必要はありません。

 バカとハサミは使いようといいます。

 バカとまで卑下しませんが、ある人には役に立ち、ある人には役にたたないのが建築家という職業なのです。

 前出の建築家・出江寛はこういっています。

 「建築屋」とは本屋さんや八百屋さん、あるいは政治屋などのように『物』に携わる人。

 「建築士」とは教師や弁護士あるいは詐欺師などのように『技術』に携わる人。

 「建築家」芸術家とか音楽家など『心』に携わるの人。

 かなり身内びいきで、アイロニックな言葉ではありますが、やはり「心」に携わりたいと思っています。

 どんな職業であれ、道具であれ、目的によって使い方が変わるのは当たりまえのことですが。

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