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幸せ1連休‐2026‐

今日は海の日。大阪もスカッと晴れました。

ラジオからは「3連休の最終日」と聞こえてきます。

土曜、日曜ともみっちり打合せだったので私にとっては1連休ですが、休みがあるだけでも有難いことです。

朝から谷町線を北に上がり、建物を見に行ってきました。

昨年あたりから、仕事場兼住宅の候補物件を探していますが、なかなか「コレ」といったものは見つからないものです。

しかし、今日見た建物は「コレ」といったものでした。

予算的には少し厳しいのと、築年数はかなり経っていますが、中古物件としては理想に近いものでした。

何とか金額で折り合えれば、などと考えながら谷町筋を南に下っていました。

帰って写真を見てみると、左端に金剛組の看板が写っています。

つい先日の新聞にも、世界最古の企業として紹介されていたばかり。ここにあるとは知りませんでした。

西暦578年創業と言いますから、飛鳥時代から1445年の歴史があります。凄いの一言なのです。

車で出たついでにホームセンターへ寄ると、「イタウバハウス」のクライアントとばったりでくわしました。

仕事場を探しに行っていた事を伝えると「そう書いておられましたね」と。

その時は反応できなかったのですが、建物が建ってから10年以上経過しているのに、この日記を読んでくれていることが、とても嬉しかったのです。

2010年完成のこちらのお家は、建ってからも何度も雑誌の取材で伺いました。

いつもご家族5人で協力して下さるのです。

すぐ向かいに高層マンションがあるため、プライバシーを守るために考えたのが、このルーバーです。

イタウバという材で出来ているのですが、こんな写真が、その価値をとても分かりやすくしてくれるのです。

更に、このルーバーはご主人自身の施工です。

実は工務店で働いておられる建築のプロ。

フィールドアスレティックの遊具なども手掛けるので、金額の張るルーバー工事をご自身で施工されました。

普段使いの写真も、沢山送って頂きました。

シンボルツリーはジューンベリー。

赤い小さな実が成ります。

これがとても美味しいのですが、ジャムにした写真も送って貰ったのです。

今日は、ホームセンター近くの小学校で、小学6年生の次男君が野球の試合をしているとのことでした。

赤ちゃんだった次男君が……と感慨深いものがあります。

高校2年生の長男君も、四国の強豪校で野球を頑張っているそう。

確か、長女さんも野球をしていると聞きました。

ご夫妻の休日は、全てお子さんの応援、手伝いに費やされるのです。

私も精一杯頑張っているつもりですが、イタウバハウスのご主人も、家族の為に本当に頑張っておられるんだなということが、ヒシヒシと伝わってきました。

長男が東京に行っていることも伝えると、それも知っておられました。

先日、テレビ電話で久し振りに話したのですが、元気で、充実した学生生活を送っているようでした。

学費、下宿代と仕送りが大変ですが、やりたいことを見つけてくれたことが何よりですよねと、互いを励ましあってそこで別れたのです。

イタウバハウスは、木の経年変化を楽しもうと、ルーバーには塗装をしていません。

コンセプトが出来上がった時から、すごく良い建物になるという確信がありました。

その一番の要因は、やはり本気で家族を思う気持ちだと思います。

これは建ってから1年半後の写真です。

あれから12年。

果たして私は成長できているのか……

友達も、時には家族さえも分かってくれなくても、クライアントが分かってくれれば、それが一番の幸せ。

そんなことを再確認できた、とても良い日になりました。

『建築家・守谷昌紀TV』 ■

■■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

メディア掲載情報

夕景に始まり‐1681‐

 昨日、「うえだクリニック」当社のサイトにUPしました。

 2018年の8月にオファーを貰った計画ですが、ここまでくるとようやく一区切りです。

 3月半ばに撮影したのですが、天気は何とか粘り勝ち。

 今回は冨田英次さんという写真家に、初めて撮ってもらいました。

 一番の特徴は、やはりこの広い待合です。

 吹き抜けにある大開口はバルコニーの向こう側にあるルーバーで覆われています。

 ルーバー⇒バルコニー⇒待合と通過させることで、直射を間接光に変えようと考えました。

 その横にキャットウォーク状の空間があります。

 こちらも側面にある開口からの光を、より柔らかいものに変える効果を狙ったものです。

 最新鋭の機器を備えたMRI室は黄緑を基調としました。

 森の中にいるような気持になって、うたた寝していた、となれば素晴らしいのですが。

 診療科目によっては、光が邪魔になることもあります。

 しかし、今回はハイサイドを採用することができました。ハイサイドは東面が特に質が高いのです。

 前クリニックには無かったのが、2階のエリアです。

 本格的なトレッドミルのあるトレーニングルームは、シャワールームも併設しています。

 そしてスタッフルーム。

 キッチンが横にあり、ちょっとした調理が可能です。

 スタッフへの心遣いが、この2階建てのプランを生んだのです。

 スタッフの方も使ってくれていると聞くと嬉しくなります。

 院長は、マラソン、トレイルラン、富士山登頂マラソンまで走る、いわば鉄人。

 撮影の日も急にお願いしたのですが、かなりのスピードで走ってくれたのです。

 非常にポジティブな方で、今まで私が温めてきた案をいくつも採用して貰いました。

 トップライトは明るくなりすぎないよう、こんな配慮をしていると相談すると、OKがでました。

 開院後、患者さんからも「奇麗な」「立派な」「広い」「斬新な」等のお言葉を頂き、喜んでいただけている印象です、と言って貰ったのです。

 その院長が一番良いと言ってくれたのがこの夕景。

 夕景へのこだわりは、決して小さくありません。

 初めての作品「松並木のある家」が完成したのが1997年。

 この夕景で年賀状を作ると、ある人に「この門を設計したの?」と聞かれ、ずっこけたのです。

 2作目の「Spoon cafe」は1998年。この撮影は本当に苦労しました。

 フィルム時代だったので、2分くらいシャッターを開いていたと思います。

 阪急の門戸厄神駅前は、人通りも車の往来も激しく、さらに放置自転車の移動は中々の重労働でした。

 同じく1998年の3作目「白馬の山小屋」は、その名の通り長野県の白馬にあります。

 重鎮の写真家・川元斉さんも一緒に車に乗ってもらい、ここで一泊して貰いました。

 この頃お願いしていた川元さんは夕景が特に上手い写真家でした。

 2006年「下町のコンクリートCUBE」のこのカットは、今も名刺に載せています。

 先日もある会合で「あっ、この作品知ってます」と言って貰いました。

 最も好きなカットのひとつです。

 写真家によって、夕景は特に考え方がでるものです。

 望遠レンズで、池越しに撮って貰ったのは2008年の「池を望む家」

 こちらも重鎮と言ってよい、絹巻豊さんにお願いしたものです。このあたりが、デジカメとの分岐点でした。

 予算がない時は、自分で撮ったこともあります。

 2010年の「イタウバハウス」です。やはりちょっと腕が落ちます。

 最近は平井美行さんに撮って貰う機会が多くなりました。

 2017年の「さかたファミリー歯科クリニック」

 2018年の「トレジャーキッズたかどの保育園」

 そして2019年の「住吉区歯科医師会館」

 建築にとって開口部は、人の目のようなものです。

 目から感情が伝わってくるように、内部空間の雰囲気が漏れ出し、建物の印象を決定付けます。

 それゆえ、夕景の方が情緒豊かです。

 六甲山や生駒山から夜の街を見下ろした時、無数の光に人の温かさや息吹を感じるのに似ているかもしれません。

 夕景に始まった私の物創り人生ですが、いつか夕景で終わるのでしょうか。

 最高の一枚を求め続けます。

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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【News】

■2月3日 『Houzzの特集記事』「阿倍野の長屋」が取り上げられました
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
■4月1日発売『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記