タグ別アーカイブ: 古市古墳群

マスク無しでの触れあい、津堂城山古墳にて‐1980‐

昨日、現場へ行った帰りに藤井寺市にある「津堂城山古墳」に寄ってきました。

「城山古墳」と石碑が見えます。

全国には「城山」とつく古墳が多数あり、それらと区別するため 「津堂城山古墳」 と呼んでいるそうです。

古市古墳群の中で、最古の巨大古墳で最北端に位置します。

長さ210m、築造時期は4世紀後半に築かれた大型の前方後円墳です。

梅雨時に菖蒲が咲くので、何度か訪れたことがありました。


「津堂城山古墳の造営に使われた巨大建造物発見」というニュースを見て、「ああ、あそこ!」と訪れてみたのです。

この古墳はなだらかな丘のような形状になっています。

北端あたりにある、津堂八幡神社の周辺は立ち入り禁止の柵がありますが、ほぼ開放されています。

これだけ自由に入れる古墳跡は、かなり珍しいと思います。

ニュースでは「掘立柱建物跡、7棟を発見」とか「柱間は3間×2間」とあったので、行けばすぐ分かると思っていました。

全域を歩き回り、尾根上になった最頂部 からも見下ろしてみました。

かなり高く、遠く生駒山を望む景色もなかなかです。

しかし、建造物跡は全く見つかりません。

子ども連れで遊びに来ている家族が結構いました。

地元の方かなと思い、お子さんが5歳くらいの若いお父さんに聞いてみました。

「この古墳跡で、大規模建造物跡を発見というニュースを見てやって来たのですが……」

「ああ、ここから離れているんですよ。レッドウッド分かります?」

「はい、分かります」

「ここを造営する為の倉庫が、あの辺りにあったみたいです。見に行ったけど、今は何も残っていませんでしたけど」

ニコッと笑って、こう教えてくれました。

かなりの歴史好きのようで、まさにビンゴだったのです。

念の為、レッドウッドへもいってみたのですが、確かに調査跡も見ることはできませんでした。

ただ、何も分からないよりは、ずっとすっきりした気持ちで帰ってきたのです。

「津堂城山古墳」は、内部に梅林があります。

紅梅がちらほらと咲きはじめていました。

それぞれの梅の木をよく見てみると、色々なプレートが付いています。

還暦記念、成人記念などとあり、寄贈されているようです。

古墳だというのに、本当に変わった、のんびり、ゆったりした所でした。

屋外につき、マスクをしていなかったので、聞くか聞くまいか迷ったのですが、しっかり距離を取って訊ねてみて良かったです。

同じ歴史番組のファンということまで分かりましたし。

いよいよ5月8日から、新型コロナ5類引き下げが実行されそうです。

多くの人が大変で困難な約3年過ごしました。

卒業式のマスク有無を検討しているなら、3月1日からで良いのではと思います。

マスク無しでの触れあいは、やはりとても良いものでした。

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載

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コスモスも下水も灯台下暗し‐1955‐

秋らしい天気が続きます。

コスモスはまさに今が盛り。

毎年、あちこちと訪れてきましたが、意外な穴場を見つけました。

応神天皇陵古墳外濠外堤。

古市古墳群の中でも最大の規模で、その外濠にコスモスが植わっていました。

なかなか広大な敷地に、かなりの密度です。

コスモス園的なところにも結構行きましたが、それに劣らぬ風景でした。

コスモスの魅力は、色の豊富さでしょうか。

白から濃い桃色まで、かなりのカラーバリエーションです。

地元の人には有名なスポットなのかもしれません。

花の話からいきなり下水の話です。

谷町四丁目駅近くにある南大江小学校にめりこむような形で、「太閤下水見学施設」はあります。

江戸時代に造られた石組みの下水道で、秀吉が行った大坂の町づくりと関連付けられているとあります。

江戸時代に造られた下水道が現役で機能している例は他都市にはなく、貴重な資料として2005年に、大阪市文化財に指定されたともありました。

大きく分けると、下水には汚水と雨水があります。

ここから見える下水はそこまで汚くありません。雨水だけが流れているのかもしれません。

中世のヨーロッパではペストが大流行し、それを救ったのが下水道です。

文化的な暮らしにおいて、なくてはならないインフラなのです。

コスモスも下水も灯台下暗しでした。

当たり前にあるものほど、本当は一番大事 -高須光聖-構成作家

高須さんは、ダウンタウンのブレーンとも言われる、売れっ子構成作家です。

流石に、真理を見抜く力と、言葉のセレクトも超一流という気がします。

昨日の11月9日は、19回目の結婚記念日だったと、母親から妻へのメールで知りました。

結婚当初は、食事などに出ていましたが、子どもができ、そして大きくなり、何より時間がなくなり、その習慣は無くなってしまいました。

19年と聞くと、長い間一緒に暮らしてきたんだなという気持ちと、あっという間だったという気持ちがないまぜに湧き起ります。

どちらかというと、後者の方がやや強いですが。

どこも同じだと思いますが、全く波風が立ったことのない夫婦もいないと思います。

私のような融通の効かない男と、何とかかんとかこれまでやってきてくれたことに、心から感謝申し上げます。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

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ブラモリタニ‐1744‐

 ドラマ「3年B組金八先生」のオープニングは、荒川の土手上だったと思います。

 土手の上は景色が開け、とても気持ちが良いので好んで使います。

 大和川南の土手を東に走って行くと、石川との分岐点にぶつかります。

 ジオラマを見ると、生駒山と金剛山地の間を縫うように大阪平野に流れ込んでいるのが良く分かります。

 このあたりが柏原市(かしわらし)。

 先月ブドウを買いに来てから、本当に地形が面白いので時々ブラブラ寄っているのです。

 石川の手前で川の北側に渡ると、今度は土手下の道になります。

 近鉄電車では最も古く、1898年(明治31)年には開通していたという道明寺線をくぐると、再び土手上に。

 そのまま東へ走ると、リビエールホールと柏原市役所が見えてきました。

 ここで大和川は大きく南へカーブしています。

 先のジオラマ写真には、薄い水色で旧大和川の流れが示されています。

 功労者と言われる、中甚兵衛の像が建っている所がその交点。

 北に伸びるこの水路が旧大和川の名残なのです。

 すぐ北の丘陵地から眺めると、南に広がる古市古墳群が一望に見渡せます。

 遠くから見えている白い建物。すぐ近くに迫ってきました。

 こちらの調査はまたの機会にします。

 ジオラマは「柏原市立歴史資料館」で撮ったものでした。

 この資料館は殆どが実物展示。

 駐車場も有って無料です。

 館の方は質問にも気軽に応えてくれました。

近くに美しい竹林もあり見応え十分。かなりお勧めしておきます。

 これまでにも大和川の付け替え工事のことを取り上げたことがありました。

 いくつか理解が間違っていたことも分かりました。

 川の付け替えという大事業ですから、賛成と反対は真っ二つです。

 土地が川になってしまうエリアは勿論反対。

 氾濫がなくなる湿地帯は勿論賛成。これらの湿地は後に新田となります。

 銅像となった中甚兵衛ですが、柏原市のwebサイトでは彼をヒーロー扱いすべきではないという論調で、評価が分かれているのは面白いところです。

 しかし実際に工事現場のリーダーとして働いたようですから、功績があったのは間違いないようです。

 付け替え工事という大事業完成の翌年には仏門に入り、91歳の天寿を全うしたとするサイトもありました。

 朝のジョギング帰りに、時々会う近所の方が居ます。

 品のある方で、少しだけ会話を交わすのです。

 「お元気ですねえ」と挨拶すると「もう87歳だから、ボチボチやわ」と。

 まだ働いておられるとのことで「素晴らしい!」と言うと、「何も素晴らしいことないよ」と笑って駅へと向かって行かれました。

 流石に歩みはかなりゆっくりになりましたが、それでもかくしゃくとしたものです。

 バイデン新大統領は78歳。ブラタモリのタモリさんは75歳。

 元気だから働けるのか、働くから元気なのか。どちらもあるでしょう。

 叶わぬ夢だと思いますが、タモリさんが引退する時に、あの番組を譲ってくれないかしらと思います。

 万にひとつも無いと思いますが、その時はブラモリタニです。

 土地や街のことを紐解きながらブラブラ歩くのは最高の楽しみなのです。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

特別扱いして貰おう‐1663‐

 車で走っている時、思わず二度見してしまいました。

 藤井寺市立生涯学習センターです。

 前面道路は6m程。狭めの二車線道路を走っていると突然現れるのです。

 良く言えば「圧巻」、悪く言えば「唐突」といった感じでしょうか。

 「アイセルシュラホール」とありますが、巨石を運ぶ修羅と、藤井寺市内で発見された船形埴輪をモチーフになっているそうです。

 館内で働く職員の方が教えてくれたのですが、この資料は世界遺産登録前のものでしょう。

 「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産に登録されたのは昨年夏のことでした。

 中百舌鳥古墳群では、世界最大と言われる仁徳天皇陵がよく知られています。

 しかし古市古墳群も密度では負けていないのです。

 その真っただ中にあるアイセル シュラ ホールは、1994年の完成で類設計の設計です。

 「ふるさと創生事業」に端を発したのだと思いますと職員の方は言っていました。

 敷地はため池の一部を埋め立てたそうで、全周から建物を見ることができる珍しいロケーションです。

 1階は憩い・集いのスペースで、喫茶コーナーがUFOのように張り出しています。

 その部分は、USJにありそうな擬岩で覆われており、屋外階段となっています。

 2階へ直接アクセスすることも出来るのです。

 西には仲哀天皇陵を望みます。

 2階は展示室になっていました。

 近鉄電車に土師(はじ)の里という駅がありますが、これは古墳築造のエキスパートとされる土師氏の本拠地だったことに由来します。

 展示室はなかなかに見応えがありましたが無料でした。

 3階は公民館活動、教育研究活動のフロアでした。

 東の池に面した側には、舳先のような窓。先に見えるのは二上山でしょう。

 外から見返すとこんな景色です。

 この部分は、船形埴輪に修羅を付加したようです。

 日本人はどちらかと言えば暗喩的な表現を好みます。

 これだけダイレクトに表現された建物は、1964年完成、丹下健三設計の香川県立体育館くらいでしょうか。

 正面に立つとまるでロボットの顔のようでもあります。

 職員さんに「凄い建物ですね」と声を掛けたら、「ちょっと古い資料ですけど」と言って、プランの入っているリーフレットを出してきてくれました。

 リーフレットを見ていると、4階は開閉式の屋根付きゲートボール場となっています。

 これは見てみたい!と思い「4階なんかは、まさか見せて貰えないですよね?」と訊ねると、「予約がないと無理なんです……」と。

 当社のモットーに「特別扱いして貰おう!」があります。

 媚びる訳でなく、お金を払う訳でなく、相手に興味を持つことで、そんなことが起るのではと思っているのです。

 ただ、調子に乗り過ぎると駄目。引き際も肝心です。

 色々教えて貰ったお礼を言うと「どうぞゆっくり見て行って下さい!」と笑顔で言ってくれました。

 この「特別扱いして貰おう」ゲーム。思いのほか効能があるので、よければ試してみて下さい。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

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【News】

『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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