タグ別アーカイブ: 鹿児島

大雨撤収と指宿のウィークリーマンション‐1710‐

 豪雨にコロナと、なかなか遠出もままなりません。

 雨は続きますが、7月も中旬に入りヒマワリが咲き始めました。

 こちらは畑の番人。

 こんな時こそユーモアを、というメッセージなのだと思います。

 雨の思い出話しをひとつだけ。

 2011年の8月は鹿児島へ。

 この頃は「家族で47都道府県制覇」をかかげて、長期休暇はほぼ旅にでていました。

 フェリーでの船旅は、行き帰りがゆっくりできるので皆お気に入り。

 夜に南港をでて、翌朝志布志に到着します。

 この時は、まず西側の薩摩半島先端を目指しました。

 途中、枕崎で「かつおラーメン」を食べることにしました。

 あまり期待していなかったこともあってか、驚く程美味しかったのです。

 この旅の時は2泊をキャンプにしていました。

 キャンプの一番の難点は寒さ。そこは夏なら何とかなるだろうと思ってのことでした。

 夕食を準備し。

 夕暮れの浜辺で海風に吹かれ、最高に気持ちよかったのです。

 しかし、子供達がぐっすりと寝静まった深夜から、猛烈な雨風になりました。

 テントに当たる雨音が怖い程で、ずぶ濡れになりながらテントを張り直したのです。

 雨がようやく一段落したと思ったら、深夜3時頃に若者が花火を始める始末。

 彼らが帰るとまた雨が降り出し、早朝にテントを撤収したのです。

 翌日も指宿のキャンプ場を予約していましたが、この日も雨予報。2日連続は厳しいと判断し、指宿駅前の観光案内所に駆け込みました。

 お盆真っただ中で営業さえ怪しいかなと思っていたのですが、「部屋は小さいですが、ウィークリーマンションなら1室空いています」と。

 聞くと1日でも借りられると。

 それならデイリーマンションとすればいいのにと思いましたが、まさに渡りに船でした。

 生まれて初めてウィークリーマンションに泊まりましたが、かなり安かったと思います。

 基本的に子供はどこでも楽しいものですし。

 翌日の砂風呂より。

 日本最南端の駅より。

 殿様湯より。

 この雨での思い出すのは大雨撤収とウィークリーマンションです。

 記憶は、複数の要素が重なるほうが、より脳に定着すると言います。それで楽しかったことより、苦労したことの方が心に残るのでしょう。

 全ての記憶はDNAに残っていると聞いたことがあります。
 
 山道で運転を誤り、車ごとを転落していくという瞬間。記憶が走馬燈のように蘇ってくるということは、実際にあることのようです。

 もし記憶の出し入れが自在にできれば、私もマサチューセッツ工科大学へ行けたのにと思いますが、神様も人が悪いものです。

 いや、皆ができたなら、差が付くところが無くなるので、やっぱり神様は正しいのか。

 『YAWARA!』『MASTERキートン』などで知られる、漫画家・浦沢直樹はこう言っていました。

 プロとは締切があること

 締切に追われる人気作家ならではの、ある意味深い言葉です。

 追い込まれた深夜2時、頭の奥深くに埋もれていた引出しが……

 と格好付け過ぎですが、そんなことが何度もありました。人は弱いもので、追い込まれなければ閃かないようです。

 こんな感じで今週もフルスロットルで行きます。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

敬天愛人‐1686‐

 少し街を歩けば、道端の植込みは花が満開です。

 チューリップ。

 ツツジ。

 真っ白なツツジも品があって美しいものです。

 こんな時だからこそ、健康には気を付けておきたいところ。

 週の半分はジョギング、無理ならせめてウォーキングにでると決めました。

 今朝方の暖かい雨でか、庭木の紫蘭が花をつけ始めたようです。

 以前、カタツバキだと思うと書いたら、これは紫蘭だと親戚からメールが届きました。

 インターネット社会最大の長所は、他者の知識を素早く得ることができることでしょう。

 反対の視点から言えば、自分で考えることを放棄してもそれなりに答えを得ることができます。

 このあたりの短所を、どう説明すれば子供達が納得してくれるのか。いつも頭の片隅にある課題です。

 日曜くらいはその子供達と食事をしようと、妻に焼肉をリクエストしておきました。

 皆考えは同じようで、肉屋さんはかなり混んでいたそう。

 それでバタバタと注文した際に、いつもより多くタンを買ってしまったとのこと。

 大好きなタン多めで、子供達は小躍りするくらい喜んでいました。

 タレは名前が気に入っている「元祖肉どろぼう」。

 部屋で干していたマスクに、その焼肉の移り香がしっかりとつき……

 今日月曜日も一日焼肉気分。2度おいしい焼肉でした。

 小さな幸せで、人は十分満足できるものです。

 マスクと言えば、facebookでつながった沖縄の方が、端部を縫うだけで簡単に製作できる型紙を送ってくれました。

 PDFがあるので「欲しい!」と言う方は遠慮なく連絡下さい。

 匿名の心無いバッシングも人の心から出たもの。

 こういった善意も人の心から発露したもの。

 勿論、私の心の中でも善意と悪意が押し合いへし合いしているはずです。

 1908年、英文で西欧に向けて発表された内村鑑三の名著「代表的日本人」。

 その冒頭で紹介されるのは、明治維新の立役者、西郷隆盛です。

 「敬天愛人」という言葉が彼の人生観をよく表しているとあります。

 「天はあらゆる人を同一に愛する。ゆえに我々も自分を愛するように人を愛さなければならない」

 全くスケールの違う域です。

 西郷はこのような言葉も残しています。

 「命も要らず、名も要らず、位も要らず、金も要らず、という人こそもっとも扱いにくい人である。だが、このような人こそ、人生の困難を共にすることのできる人物である。またこのような人こそ、国家に偉大な貢献をすることのできる人物である」

 誰かを非難するつもりは全くありません。

 私も家長であり、小さな会社のリーダーです。困難こそが人を成長させてくれるのは間違いありません。

 命も、名も、位も、お金もそれ程欲しいとは思っていません。ただ、名だけは少し欲しい。

 西郷の背中は遙か先なのです。

 この騒動が収まったら、また鹿児島を訪ねてみたいと思います。

A photograph is wonderful.
2011年8月 鹿児島/桜島

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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フェリーで行く鹿児島

 8月12日から15日の夏休みは、鹿児島を巡ることにしていました。

【1日目】 8月12日(金)

 夕方6時に南港をでました。
 15時間の船旅は、沈む夕日を見ながら。

【2日目】 8月13日(土)

 朝デッキへでると快晴の下、南九州が見えてきました。

 9時に志布志港へ到着。そのまま西に向かい、高速道路に乗りました。

 鹿児島湾(錦江湾)を反時計まわりに走り、西側の薩摩半島を目指します。

 

 道中に見えた桜島には、残念ながら雲が。

 この時は、また帰りに見れるだろう等と思っていたのです。

 昼食は一気に薩摩半島南端まで移動して、かつおラーメン。枕崎はかつお節の産地で、量、質とも日本一。

 現地の人にも聞ましたが、あっさりして美味しいとのこと。実際は、期待を大きく上回るものでした。

 かつお出汁をたっぷり使ったスープに、かつおの刺身、てんぷらも乗っています。これが、さっぱりかつ風味があって素晴らしく美味しかったのです。

 鹿籠豚(かごぶた)のトンカツも合わせて、旅行誌にも載っていますが「だいとく」は強力にお勧めします。

 この日泊まるのは、丸木浜キャンプ場。枕崎の西にあります。妻がwebで見つけてきました。

 人も少なく緑と海が美しく、南国ムード満点の浜でした。

 枕崎で購入した、食材で料理の準備を始めます。テントを張り、食事を始めたのが6時頃。

 子供達は海で遊び、疲れ、夕食を終えるとすぐに寝てしまいました。波の音を聞きながらビールを飲み、横になったのが10時頃。

 気持ち良く寝ていると、ポタポタと水滴が……時計を見ると深夜1時。

 休みを取るのにバタバタしており、天気予報のチェックが出来ていませんでした。鹿児島地方はこの日の夜から、ずっと雨だったのです。しかも結構な。

 風も強く、テント、タープを張り直し、雨対策をし終わったのが午前3時。ようやく一段落と思っていたら、こんな時間から浜で花火を始め出す若者が。

 浜には3組しかキャンパーは居らず、子供も起きないので放っていました。小一時間程して帰って行った時、チラと見えた感じでは20歳くらいの男女4人。

 どうやら近くから、花火だけをしにやって来たようです。

 言いたい事が無いでは無いですが、自分たちの事しか考えられない若者を、悲哀の目で見てしまう自分も居ます。

 タイミング良くというか、花火が終わるとまた雨が降りだしました。夜が明け、子供たちに朝食を取らせ、カッパを着てキャンプ道具を片づける私。

 端から見ればそれこそ悲哀の目で見られそうですが、やりだしてしまえばいかに効率よく、片付けるかに燃え出すのです。

 トラブルこそ旅の本質。とても良い浜でした。

【3日目】 8月14日(日)

 全ての片づけを済ませ、丸木浜を立ったのが8時頃。そのまま内陸に入り知覧を目指します。

 朝一番で特攻平和会館へ行ったのですが、多くの人が訪れていました。

 先の戦争で、300万人の命が失われた事、多くの若者が特攻隊員として犠牲になった事、その事実の上に今があるという事。終戦記念日の前日、ただその冥福を祈るしか出来ません。

 再び海沿いに戻り、開聞岳回りを走ります。

 JR日本最南端の駅、西大山駅で記念写真です。後ろの開聞岳は別名薩摩富士。晴れていれば最高だったのですが、仕方ありません。

 この日もキャンプ場のつもりでしたが、時々降る雨あしも強く諦めました。

 指宿まで移動し、駅前の観光案内で宿を探すと、ウィークリーマンションの一室なら空いていると。何とか屋根付きの寝床を確保できたのです。

 昼からは第27代島津藩主が作ったという温泉、殿様の湯へ。

 180年前から藩主を癒して来た、二月田温泉。現在は銭湯のように使われており270円。人もおらず中も撮ってみました。

 このあたりの温泉は一様に熱いそうですが、ここもとびきりの熱さでした。

 その晩は清潔な布団にありつき、外は雷雨。当たり前の事がどれ程有難いか知ったのです。

【4日目】8月15日(月)

 翌朝、朝一番で指宿名物の砂むしへ。

 娘は嫌がりましたが、長男は喜び勇んで砂の中。彼はあまり汗をかかないのですが、ここでは大汗でした。

 その後、すぐに近くの山川港のフェリー乗り場へ向かいましたが、残念ながらいっぱい。

 それで鹿児島市のすぐ北にある鴨池港まで北上します。

 ここから対岸の垂水まで渡るフェリーは35分。

 桜島のすぐ北を通るのですが、この日も曇天で山頂は見えず。

 アキアカネにしては黄色く。何と言うトンボでしょうか。

 対岸に着くと、最終目的地、佐多岬を目指します。

 およそ80kmを1時間半で走り、ようやく到着したのが2時頃。岬までは更に徒歩20分かかるようです。

 娘を背負い、熱帯雨林の中のような景色をくぐり、ようやく着きました。

 北緯31度。本土最南端の岬です。

 「子供が地球の端を見たいと言ったから」というCMが、昔ありました。

 地球の端でもないし、子供に言われた訳でもないのですが、何故か来たかったのです。

 すごい風でしたが、スカッと晴れてくれました。ここが本土の端なら、今度は沖縄か……などと思ったり。

 再び志布志に戻り、夕方6時に九州を離れたのです。

【5日目】 8月16日(月)

 15日の朝、大阪の南港に戻ってきました。

 WTC、海の博物館が朝日を浴びて、美しいのですが空気、海は比べる由もありません。

 しかしここが私の住む街、仕事をする街です。

 旅は自分との対話、と安藤忠雄は言いました。

 家族旅行が、自分との対話かは別にしても、私にとって、家族にとって何かを考える時間にはなったと思います。

 鹿児島一周の旅。長々と書きましたがこれで終り。

 出来ればもう一度、快晴の桜島と開聞岳を見に行ってみたいものです。

晴れ雨曇り、鹿児島

 ゴールデンウィークは大分へ行きました。

 船旅と自然の中を走る楽しさを改めて感じたのです。

 そのとき夏休みは、鹿児島へ行こうと決めました。

 大阪南港から、志布志までは15時間。

 高知沖の外海を通るので、揺れを少し気にしていましたが、大したことはありませんでした。

 ずっと快晴……であれば良かっのですが日曜の朝方から雨に降られ。

 2日共、雨のテントは辛いと、指宿で急きょ宿を探したのです。

 観光案内所で1ヶ所空いていると確保出来たのがウィークリーマンション。

 青い海、濃い緑、そして澄み切った空気。

 僅か1日でしたが。

 今朝は曇り。佐多岬へ行くつもりです。

 今日の夕方の便で大阪へ戻ります。