タグ別アーカイブ: 松山英樹

敵に勝つではなく、仲間になる‐1790‐ 

 あれからあっという間に一週間が経ちました。

 オーガスタの最終組で、死力を尽くした戦いを終えた二人には、どんな感情が去来するのでしょうか。

 放送では4ヵ国の国籍を持つとあったとザンダー・シャウフェレは27歳。終盤の追い上げは凄かった。

 私が目覚めたのが6時頃で、すぐにテレビのスイッチを入れると11番ホールでした。

 ドライバーもフェアウェイを捉えますが、この時点で2位とは5打差。

 このホールをパーで回り、6打差と突き放します。

 しかし12番のショートホールでボギー。ここからはハラハラドキドキでした。

 シャウフェレは4連続バーディと、激しいチャージで2打差まで迫ります。

 勝負を掛けてきた16番。僅かに風にのまれ、グリーン手前の池に落としてしまったのです。この瞬間、彼との勝負は終わりました。

 しかし2位のザラトリスはすでにホールアウトしており2打差。

 最終ホールのセカンドショットは右のバンカーへ。

 寄せきれずで微妙な距離のパーパット。

 僅かに外してしまいます。

 しかし折り返しのボギーパットを沈め、マスターズチャンピオンとなったのです。

 僅か1打差ですが、4日間278打は世界最小のスコアです。

 次々とチームのメンバーと抱き合い、喜びを分かちあう姿を見て、中島常幸プロをはじめ、放送席も皆男泣きに泣いていました。

 前王者、ダスティン・ジョンソンからグリーンジャケットが。

 夕日を浴びた松山選手は、最高に格好良かったのです。

 優勝が決まった瞬間、ニュース速報が流れました。

 感激に浸っている中で、やや無粋な感もありましたが、それくらいの出来事ということです。

 わずか2時間半、私のにわかマスターズ観戦記でした。

 松山選手へのインタビューの際、更に涙が込み上げてきた中島プロは、以前「ゴルフは芸術になりえるんですよ」と強く語っていました。

 芸術の定義を「誰かを感動させることが出来るもの」とするなら、ゴルフは間違いなく芸術です。

 また、最高の技を「芸術品」と例える通り、これはあらゆるジャンルに言えることかもしれません。

 コース自体も芸術品でした。

 世界最高のライバル。世界最高の舞台。世界最高の技。これらが揃うのが、マスターズの舞台なのでしょう。

 ただ、トップレベルの相手がいなければ、自らがトップであることを証明することは出来ません。

 アテネ、北京五輪の水泳で金メダルを取った北島康介選手。北京五輪の試合後、彼は「勝負脳を鍛えたおかげ」と語っています。

 彼に脳のしくみを教え、アドバイスをした脳科学者、林成之氏の著書が「勝負脳の鍛え方」ですが、ライバルについての行を要約してみます。

 根源的な脳の3つの本能に「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」がある。

 アドバイスで難しかったのは、ブレンダン・ハンセン選手について。ハンセンは当時の世界記録保持者で、最大のライバル。人間は結果を求めると、持てる能力を十分に発揮出来ない。スポーツで言えば、「敵に勝とう」と思った瞬間、能力にブレーキがかかる。

 根源的な本能に逆らうと、脳のパフォーマンスは落ちる。「敵に勝つ」は、「仲間になりたい」という本能に真っ向から逆らう考え方。地球の歴史の中で絶滅した生物の共通点は、周囲にいる仲間とうまくやっていけなかったことである。

 「ハンセンをライバルだと思うな。自分を高めるためのツールだと思へ。そして、最後の10mをKゾーン(北島ゾーン)と名づけ、水と仲間になり、ぶっちぎりの、感動的な泳ぎを見せる舞台だと思いなさい」ハンセンとも水とも「仲間になれ」とアドバイスした。結果は北島は金メダル、ハンセンは4位だった。

 結果を求めるあまり能力を発揮できない愚を避けるには、目標達成の「仕方」にこだわるのがいい。勝負でなく、達成の仕方に勝負を懸ける。そして、損得抜きの全力投球をする。そんな時、人間は信じられない集中力を発揮する。損得勘定とは、結果を求める気持ちにほかならないからである

 超一流選手が競う姿には、この話しを納得させるものがあります。

 「敵に勝つ」ではなく「仲間になる」。自分の目標を一緒に達成してくれる仲間と考えなくてはならないのです。

 新聞記事でも「シャウフェレ選手のあの時点での追い上げは、松山選手へのよい刺激になったと思う」というコメントもありました。

 まさに感動的なゴルフを見せる舞台の仲間としてしまったのです。

 「勝負脳の鍛え方」は10年前に読みました。知識としては知っていますが、結果としては松山選手に遠く及びません。

 いつも思います。どこで何を学んだとしても、真理はそれ程変わらない。実行し続けられるかに尽きるのだと。

 29歳の松山選手に偉業を見せて貰いました。

 勝ち負けでなく、達成の仕方に勝負を懸けたいと思うのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

「勝てる」より「勝つ」の方がいい‐1788‐ 

 今日は朝から、松山英樹選手の日本人初のマスターズ制覇のニュース一色でした。

 そういう私も、朝6時からですがテレビ前でハラハラドキドキ観戦していました。

 世界の頂点に立つ最高の景色を見せて貰い、気力十分で会社へと向かったのです。

 週末は、久し振りに休めそうな日があったので、池原ダムへ飛んで行っていました。

 桜の盛りは終わっていますが、標高の高い所にはチラホラ残っています。

 吉野山の一目千本とは行きませんが、ここ下北山村も吉野郡。一目五十本くらいはありそうです。

https://youtube.com/watch?v=ZGbhEx9c0H0%3Frel%3D0

 キツツキが木をつつく音聞こえてきます。

 そんな時、やっぱり来て良かったと実感するのです。
 

 天気も最高で、さあ初バスを釣るぞと各川筋の最上流部を回りますがほぼ魚は見えず。

 産卵をまじかに控えたこの時期の魚は気難しいのですが、釣る人は良いサイズをかなりの確率で釣ってきます。

 要は腕の差が出る季節なのです。

 疲れが残っては本末転倒と、昼寝だけはしっかりするのですが、午後の湖にでると、あっという間に日暮れの雰囲気。

 唯一魚影が見えたポイントに、最後のタイミングで入りました。

 で、何とかかんとか一匹。 

 1.25kg。

 バスフィッシングでは重さを競う試合があります。

 いつかでてみたいと思い、出来るだけ重量も量るようにしているのです。 

 ウッドチップたまりの下に居ました。いや、居てくれました。

 それ程のサイズではありませんが、終了15分前に何とか釣れてくれ、喜びもひとしおだったのです。
 
 松山英樹選手の偉業については、また機会を改めて書いてみたいと思っていますが、解説の中嶋常幸さんの言葉も印象的でした。

 「勝てる」と思わない方がいい。「勝つ」の方がいい。  

 残りが9ホールを切り、2位の選手と5打か6打差のついていたタイミングでした。

 海外で活躍した日本人の先駆者として、嫌と言う程辛酸を舐めてきた中嶋さんだからこその言葉だったと思います。

 この世の中に、与えられるものはありません。あったとしても、一時期の幸運に過ぎません。

 粘り強く努力と改善を重ね、自らが取りにいくしかないのです。

 かたや世界の頂点オーガスタ。かたや夕方16時45分の池原ダム。

 全く違うと言えば違いますが、諦めない気持ちだけは同じです。

 新年度に入り、すでに数件のオファーを貰いました。大阪の、日本の、世界の頂点目指して29歳の若者に負けないよう、この春も全力で行きます。

 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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みんな寝ている松江、まずは自分が頑張れ<行ってはいるが島根編>‐1404‐

 今日、8月14日(月)は杜の都・仙台に。

 居るはずでした。

 あるプロジェクトのスケジュールがよめず、夏季休暇の予定は全てキャンセル。
 
 47都道府県を制覇するつもりだったのですが、目標は持ち越しです。

 それもあって、今朝は早起きして全米プロゴルフ選手権を観ました。

 松山英樹25歳。最終日の後半を単独首位で折り返しました。

 観ているだけでも力がはいります。しかし、最終的には3打差の5位でホールアウト。

 メジャータイトルへは僅かに届きませんでした。

 1日位はどこかへ連れていこうと、11日の山の日は島根へ行ってきました。

 通過はしているが、子供の記憶に残っていない県の1つでした。

 宝塚トンネルの渋滞を避けるため、朝の4時半に出発しましたが、この時間でギリギリ。

 米子道からみる大山は「伯耆富士(ほうきふじ)」にふさわしいたたずまい。

 この日は雨予報で、晴れは早朝まででしたが。

 400km弱走って10時頃に石見銀山(いわみぎんざん)に到着。

 2007年に世界遺産に登録された文化遺産で、江戸情緒を残す街並みも一緒に指定されています。

 車の立ち入りが制限されているので、自転車を借りました。

 豊島に行ったときは娘の身長がたらずで、電動自転車が借りられませんでした。

 へそを曲げてしまい大変だったのですが、今回は雪辱戦です。 身長130cmくらいが分岐点になるよう。

 石見銀山は16世紀半ばから17世紀前半の最盛期には、世界中で産出される銀の3分の1を産出しました。

 日本における銀のかなりの割合を占めたのですが、大変質が高く石見銀山の所在する佐摩村(さまむら)にちなんでソーマ銀と呼ばれました。

 龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)は中に入ることができます。

 こちらは精錬所跡。

 世界遺産に子供は大概興味がないもの。

 花より団子です。

 緑の中、茶店の縁側で一服しました。

 このあたりは、淡路瓦、三州瓦とならぶ瓦の産地です。

 石州瓦は赤茶色が特徴で、同じ色の屋根が続く街並みはとても美しいのです。

 石州は石見の石から来ているのかもしれません。

 昼食は名物、出雲(割子)蕎麦になりました。

 石見銀山から出雲大社まで、東に50kmほど移動します。

 雨が本降りになってきました。

 前回来たのが2013年の11月。

 式年遷宮の年で大しめ縄も新調したてでした。

 中でも「菊竹の狂気‐1011‐」として拝殿西にある「庁の舎(ちょうのや)」を取り上げました。

 子供にも、この建物は見せたいと思っていたのですが……ない。

 保存運動をしていたことは知っていましたが、解体が終わっていたとは全く知りませんでした。

 通りがかりの神官に聞いてみると「この状態になったのは今年の3月頃だったでしょうか」と。

 残念。

 この件については回を改めて書こうと思います。

 なにかすっきりしないまま、更に東へ50km移動。

 松江は、宍道湖の東に広がる城下町です。

 水都といわれるだけあり、水のある景色が美しい街でした。

 宍道湖湖畔に建つ島根県立美術館。

 当の菊竹清訓の設計です。

 松江は雨、曇りが多いことでも知られますが、それを逆手にとって、市はこんなアピールをしています。

 松江に降る雨は、縁雫(えにしずく)といって、あなたのもとへ素敵なご縁を運ぶ雨なのです

 縁雫に打たれながら堀川めぐりの船に、と思っていたのですが、私以外の3人は本気睡眠モードで、全く起きる気配なし。

 ここまでやってきて、1人で街をめぐることになりました。

 まあ、朝の4時起きだったので仕方がありませんが。

 子供とは、夜10時までに妻の実家へ送る約束をしていたので、夕食は車の中で済ませることになってしまいました。

 残念ながらコンビニおにぎり。

 「宍道湖七珍」は、鱸(すずき)、モロゲエビ、うなぎ、アマサギ、白魚、鯉、しじみと7種の魚介類のこと。頭文字をとって「スモウアシコシ」というそう。せめて鱸だけでも食したかった……

 次回は七珍に必ずありつきたいと思います。

 「人を感動させるもの」を芸術の定義とするなら、トッププロの試合はまさにアートです。そして観るものに力を与えます。

 これは建築も同じはず。

 そこを目指して、日々を頑張るしかありません。

 現在の結果は、昨日までの全行動の結果です。

 未来を信じて、また今日を頑張るしかありません。松山頑張れ。でも、まずは自分が頑張れです。

 
<目指せ、家族で47都道府県制覇>
46/47 【】はまだ

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