タグ別アーカイブ: ハワード・シュルツ

芭蕉とシュルツ‐1802‐

 明日から6月に入ります。

 下旬には夏至を迎える訳で、日の出もどんどん早くなってきました。

 朝の7時頃にはそれなりの日差しとなり、街の景色はすでに昼色です。

 近所には多くの旧家が残っており、区画が大きい家も沢山あります。

 お寺が多いのは、この街が豊かだった証拠でしょう。

 この祠の横にある石をよく見ると、「弘法大使腰掛石」と掘られています。50歳になって初めて気づきました。

 よく見れば なずな花咲く 垣根かな

 芭蕉の中でも特に好きな一句です。

 全てはこちらの姿勢次第なのだと、いつも教えてくれるのです。

 旧家には蔵があるとことも多く、塀の上には忍び返しがあります。

 先端は細く、更に返しがあり、かなりの抑止効果がありそうです。 

 ちょっと注目してみると、形状も様々。

 こちらはやや太いストレート型。

 こちらはダブル返しのやや太め。

 この細さは、見ているだけでも恐ろしい感じがします。

 あくまで賊の視点に立った場合ですが、もし私が忍び返しを設計するなら、その気持ちにも多少なれなければなりません。

 先日、あるクライアントが「守谷さんところのwebサイト、ちょっと見難いですね」と教えてくれました。

 webサイトがPCで見るものから、スマホで見るものへと移行しているのは理解していましたが、改善を後回しにしていたことは否めません。

 こういったことをはっきり言ってくれる人は、本当に大切です。

 早速リニューアルに向けて動きだしました。

 耳痛い言葉にヒントがある

 スターバックスをここまで育て上げたハワード・シュルツの言葉です。

 彼はコーヒーの品質に拘っており、「コーヒー豆をプラスチックの容器に入れない」、「科学的な風味付けをしない」など、徹底していたと言います。

 カフェラテにシロップを入れることにも否定的なくらいでしたが、あるスタッフからコーヒーにミルクを合せて冷たい飲み物を作るべきだという案がでます。
 
 断固反対したのですが、共同経営者から「顧客の望むことは何でもするべきだ」という意見を受け入れ「フラペチーノ」が発売されます。

 そして、その年だけで5200万ドルを売り上げる大ヒット商品になりました。

 耳痛い意見を言ってくれる人に感謝するだけでなく、言って貰おうと思えば、その許容量があると思って貰わなければなりません。

  零細企業のトップはついそれを見失ってしまうのです。

 ハワード・シュルツの言葉は『人生はワンチャンス』から引きました。

 芭蕉の句も、シュルツの言葉も、大切なのは姿勢なのだと教えてくれるのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

表紙、頂きました‐1729‐

 日の出の位置が、ほぼ真東になりました。

 週末には彼岸の入りを迎えます。

 日の出が遅くなるとともに、起床時刻も少し遅めになってしまいます。

 子供達には「早起きは3億円の得」と伝えているのですが、気持ちよく寝れているのでよしとしています。

 アルファブックスから9月11日に発売された『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」が掲載されました。

 出版社から、3月にメールが届きました。

 「リフォーム設計デザイン」の本を発行します。

 商業施設(飲食、レストラン、物販、サービスなど)
 住宅(戸建、集合住宅、オフィス、宿泊施設など)

 これまでにないリフォームデザインの本になります。

 リノベーション事例「回遊できる家」様を拝見しました。本書に掲載をお願いしたくご連絡しました。

 それで、こう返したのです。

 参加させて頂こうと思います。

 出来るだけ前のページで、出来れば表紙でお願いします(笑)

 「回遊できる家」と指名頂いたので、そうしようと思います。

 楽しみにしております。

 で、表紙の一番上を頂きました。

 出版も当然ながらビジネスです。

 私が頼んだからといって、「買って貰える」と感じる写真以外が表紙にくることはないはずです。

 よって、とても嬉しいことなのです。

 もし言っていなかったらどうなったのかは知りませんが(笑)

 この日曜日は、大阪モノレールに乗って彩都へ向かいました。

 万博記念公園駅で彩都線に乗り換えます。

 彩都線は、中国道の上空を通過し、更に本線と交差します。

 この複雑なレール構成で、かなり高い位置を通過するのです。

 スピードも結構出ていて、運転席後ろからかじりつきで見ていました。

 もうアトラクションレベルでした。

 彩都に来たのは2回目だと思います。

 大阪大学箕面キャンパスがあり、二級建築士試験の監理員をするためです。

 学科試験を合格した人だけが受験できる二次試験のような位置づけです。

今年の7月、建築士試験の監理員を初めて経験したことを書きました。

 コロナ下につき、席の使用率を減らすので使用部屋数は増えます。

 監理員も増員が必要となり、建築士会の分科会から要請があったという流れです。

 前回の学科試験は大阪経済大学が会場で、最新のキャンパスに驚きました。

 今回は国立大なので、やはり敷地が広い。

 かなり早めに行ったのですが、受付には列ができていました。

 学科試験を合格している人達ばかりなので、やる気が伝わってきます。

 製図試験は5時間でプランを練り、図面を仕上げなければなりません。

 ほとんどの受験者はギリギリまでガリガリと図面を描いていました。

 私が見ていると、未完成の人が結構いました。まずは完成させなければ合格はないはずです。

 ひとまず全体を成立させてから、描き込みをふやすべきで、声を掛けてあげたくなりますが、監理員なので勿論そんなことはできません。

 11時から4時まで、持てるものを出し尽くした後ろ姿からは、安堵が伝わってくるようでした。

 モノレールに乗る機会もなかなかありません。

 これは摂津あたりにある新幹線の車庫と言えばよいのでしょうか。

 圧巻の景色です。

 おそらく建築士試験の監理員は今年限りにすると思います。

 受験生を見ていると、実際に仕事とさせて貰っている有り難さをひしひしと感じます。

 そして、建築士を真剣に目指す人達がこれだけ居ることを素直に嬉しいと思うのです。

 ただ、厳しいことを言うようですが、資格は勉強すれば必ず取れます。

 もし本気で仕事にしたければ、軽々と合格しなければなりません。

 先輩風を吹かせて偉そうにすることは格好悪いことです。しかし、本当のことを言う大人が少なくなったという危機感もかなり持っています。

 耳に痛い意見にヒントがある。

 スターバックスの元CEO、ハワード・シュルツもそう言っているのですから。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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