タグ別アーカイブ: 緊急事態宣言解除

文化は密を求める‐1780‐

 週休2日の時代になり、打合せは土曜日が一番多くなりました。

 先週も地鎮祭、定例会議で、オープンデスクの学生も連れて3人で現場を回りました。

 都市型、閑静な住宅街、別荘地と、様々な環境の中で仕事をさせて貰いましたが、里山の環境は初めてかもしれません。 

 雨がパラパラはしましたが、畝のある風景は何とも優しいのです。

 中央には菜の花が咲いています。

 司馬遼太郎さんは黄色い花が大好きだったそうで、2月12日の命日は「菜の花忌」と名付けられています。

 菜の花、タンポポと、この時期に見る黄色い花は特に人の目を引き付けるのです。

 日曜日は一転天気が良く、会社近くの公園も子供連れで賑わっていました。

 関西においては緊急事態宣言が解除され、春の陽気に誘われる気持ちが良く分かります。 

  我が家の子供達も、「お寿司行きたい」とか「焼肉行きたい」とか言うのですが、そこはもうひと踏ん張りです。

 代わりに、「炭火で焼き鳥でも焼いてみようか」と。

 家族三人を食卓に待たせ、一人張り切って炭の番です。

 七輪は少しの炭でも火力がでるので、本当に良くできてます。

 みんな大好き、豚バラファイヤーも。 

 長男が弾んだ声で「お父さん、焼き鳥最高!」とか「豚バラはやっぱり間違いないね」と。

 鼻を膨らませて食べている姿が想像できるのですが、娘は「私、炭のにおいがちょっと無理かも」と。

 高1男子と、中1女子を同時に楽しませるのはなかなか難しいのです。

 それでも「食」のある場所に人は必ず集います。住宅を設計する際は特に、そのことを意識しています。

 もし反抗期があったとしても、「食」は必ず家族のつながりを取り持ってくれるからです。

 日曜日の夕食くらいしか皆が揃うことはないので、あの手この手で、子供達が一緒に食べたくなるよう策を練ります。

 「妻」が、今の鉄板はコゲが取れにくいというので、「娘」のために、「私」のポケットマネーでホットプレートを新調しました。 

 近所のお寺に前に掲示板があり、ジョギングの際の楽しみでもあります。

 月に一度くらいのペースので書が掛けかえられますが、現在はこうあります。

 文化は密を求める

 現在の状況と全くそぐわない、また非常に味わい深い言葉だと思いますが、密こそが進化の源であることは間違いないでしょう。 

 138億年前、ある一点に集まっていた、超高温、超高密度の火の玉のようなものが爆発、膨張し続けているというのがビッグバンセオリーです。

 膨張し続けているが故に温度が下がったのですが、更にそれ以前は、「無」だったとされます。「無とは一体何?」と考えだすと、夜も眠れなくなってしまうのです。

 テレワーク、リモート打合せは、コロナ下の社会においては、取り入れていかなければなりません。

 この非常事態時の対策としては納得できますが、熱のない、無味無臭の世界に、人は生きることができません。

 密の反対は粗ですが、無熱と言い換えても良さそうです。

 首相もワクチンを接種するというニュースもありましたし、アメリカでは条件を満たせば、マスク無しの会合も可とするという記事もありました。

 リモートの出会いは、春に似つかわしくありません。

 春遠からじ 

 本当の春がやってくることを、心から願います。特に、若者の為に。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

キネマの神様、本の神様‐1695‐

 今年度は、落ち着かない4月からスタートしました。

 一年で最も気持ちの良い時期、八十八夜も過ぎ、あっという間に5月も下旬に。

 キンカンの実を照らす日差しは、すでに初夏を感じさせます。

 本日、関西の3府県もようやく緊急事態宣言が解除されました。

 4月8日の宣言から43日。

 関東圏と北海道の方には少し気兼ねしますが、誰もがほっとした表情に見えます。

 完全に収束した訳ではありませんが、出口があるとさえ分かれば人は頑張れるものです。

 帰りが遅くなった時でも、一行でも本を読むように心掛けています。

 この自粛期間中で面白かった本は、まず恩田陸さんの『蜂蜜と遠雷』。

 ピアノコンクールを舞台に、才能ある若者が個性をぶつけ合うのですが、音楽を、更にクラッシックを、ここまで言葉で表現できることに関心しました。

 キーとなる人物、若き天才ピアニスト風間塵の扱いが少し雑なのは気になりましたが、読者を楽しませるエンターテイメントにまで仕上げるのですから、直木賞、本屋大賞を唯一W受賞の看板は伊達ではありませんでした。

 連載10年も凄いですが装丁も素晴らしい。

 もう一冊は原田マハさんの『キネマの神様』。

 亡くなった志村けんさんが主役を務めるはずだったあの映画の原作です。

 原田マハ作品は今年読み始めたばかりですが、『楽園のキャンバス』 『本日はお日柄もよく』に続いて三冊目。

 少しだけあらすじを書くと、39歳独身の女性が大手ディベロッパーの課長職を辞するところから物語は始まります。

 映画とギャンブルが大好きな彼女の父親が、傾きかけた映画雑誌社と小さな名画座を救うというハートウォーミングな物語。

 救った手法を書いてしまうと、未読の人の楽しみを奪いかねないので止めますが、ファンタジーのようでもありました。

 考えてみれば、本と模型とカタログに囲まれた半生です。

 建築設計を仕事にしてから25年経ちますが、関連の本も増える一方。

 ベースが乱読なので、小説、哲学書、写真集に実務書と、もう本に埋もれて働いてると言っても過言ではありません。

 ペーパレス時代に完全逆行していますが「物」が好きなのだと思います。

 時間を持て余していた子供達に「本と映画なら全て補助してあげる」と伝えると、彼らは日に一本ペースで映画を観ています。

 それがいつからかアメリカのテレビドラマに変わっていました。映画は大好きですが、続き物のドラマは少々苦手。

 子供にも、何故テレビドラマでなく映画を観て欲しいのか上手く説明できないのですが、本と映画にはいつも誰かの本気を感じるのです。

 勿論、ドラマも本気で作られているはずですが、限られた時間、紙面の中で描かれる人生模様を垣間見るのが好きなのだと思います。

 「キネマの神様」の帯には「本の神様ありがとう!!」とありました。

 粋なメッセージですが、神様はこの世に存在するとも、しないとも言えます。

 神様は人の良心が作り上げものだとするなら、私が垣間見たいのは誰かの良心なのかもしれません。

 神様≒良心は、ぼんやりしたところが苦手で、本気の場面でしか見掛けることが出来ない。

 そんな気がするのです。

 全て勝手な空想なので、ドラマ好きの人へはごめんなさい。

 実際、『24-TWENTY FOUR-』は寝られないくらい面白かったテレビドラマでしたし。

A photograph is wonderful.
2017年5月 青森/白神山地

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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