タグ別アーカイブ: ウロコ雲

ギフト、ギフテッド‐1933‐

朝、空を見上げるとウロコ雲?

巻雲?

どちらも高い位置にある上層雲で、秋の空でよく見る雲です。

稲穂もチラチラと見え始めてきました。

金色の麦、ではなくオノコロ草ですが、僅かながら秋が近付いていることを感じさせます。

「千葉の家」のクライアントから、今年も梨が届きました。

千葉の名産品「白井の梨」はジューシーで甘く、本当に美味しい。

この夏もギフトを頂いてしまいました。

「ギフト」には、天性の才能、特別な能力という意味もあります。

「ギフテッド」となると「特別な能力を与えられた人」と言う意味。日本語で言えば「天才」です。

映画「ギフテッド」は泣ける、温かいヒューマンドラマでした。

7歳の少女、メアリーは数学の才能における、いわゆる 「ギフテッド」 。

それゆえ普通の小学校教育になじめません。

不幸にも、天才数学者だった母が自殺してしまい、その弟のフランクが引き取り、育てていました。

フランクは褒められたタイプの大人ではありませんが、メアリーに対する愛情は大きなものがあります。

しかしメアリーの才能に気付いた学校、またフランクの母は、「彼女のためにはもっとよい環境で教育を受けるべき」と主張します。

最終的には裁判となり、フランクにはメアリーを育てる経済力がないと、母のもとで暮らすことになりました。

一旦はフランクもそれが彼女のためには良いと納得したのですが……

書きすぎたかもしれませんが、観ていない方は是非ご覧ください。

もうひとつ、夏前に届いたギフトを紹介してみます。

The Longing Houseのクライアントが、Google マップにつけてくれたレビューです。

冒頭の部分を掲載してみます。

1年前に新築をアトリエMさんで建築しました。

当時はハウスメーカーやビルダー、設計事務所など、15社以上は検討したと思います。

その中でアトリエMさんにお願いしたいと思った理由としては、未来の幸せの風景をクライアントと一緒に思い描くという考え、長年されているブログからも人物像が見えたこと、今までに設計された家や施設がそれぞれ「違う」ことでした。

家自体が特殊な構造を必要とすることと、家に対する自身のこだわりが強く早々にハウスメーカーなどは除外されていたものの、どの設計事務所・建築家さんにお願いすればいいか悩みました。

そして何名か気になる建築家さんの作った家を見て話を聞きに行きましたが、その中で思ったのが、個人の家であっても自身が設計した家を「作品」として自分の色を濃く出す方がまあまあいらっしゃるのです。

しかし、作られたものが「違う」ということは「クライアントの幸せの光景を作る」という考え方が実現されていると感じており、事務所を訪れご本人と話をしてみるとより確固となりました。

本当にこだわりを持っておられたクライアントで、正直、竣工に至るまでは大変でした。

それでもここまで書いて頂けたなら、全てが報われます。反対の言い方をすれば、大変だったからこそ、こういったレビューを頂けたのだと思います。

誰もが特別な才能や、能力を持っていたならと願います。

映画や小説の世界なら別ですが、現実の世界では、それはほんの一握りの人だけ。

それでも仕事に打ち込んでいたなら、時々こんなに嬉しいギフトが届くのです。

そういう意味では私もギフテッド?冗談ですが。

現在も、難航しているプロジェクトがいくつかあります。

全てのプロジェクトで、こんなゴールに至れるまで這ってでもやりきる覚悟なのです。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
『 建築家・守谷昌紀TV』

インポータント・データ‐1735‐

 ここ最近、メールの書きだしは「過ごしやすい季節になりました」等が大半でした。

 最高気温が25℃前後で湿度も50%を下回り、本当に気持ちの良い時期です。

 近くの会社の植込みでは、アベリアが花をつけていました。

 植え込みに使われる庭木は、葉が分厚く枝が固いものが多いのですが、これらの中ではアベリアが最も美しいと思います。

 特に店舗系では、一回り小振りなアベリア・エドワード・ゴーチャーをよく採用してきたので愛着もひとしおなのです。

 春と共に最も過ごしやすい時期ですが、空が高い分だけ爽快感は秋に軍配でしょう。

 しかし週末には台風がやってくるようで、今日から雨が降り始めています。

 それもあってか、昨朝は進む季節を惜しむような空でした。

 ウロコ雲。

 サバ雲。

 イワシ雲。

 こちらは更に高い位置にあるヒツジ雲でしょうか。

 中央少し右下にはお月様まで。

 空を見上げる人を多く見かけましたが、雲の図鑑のような秋空だったのです。

 いつまでこのような気候が続くのだろうと調べてみました。

 毎朝、アトリエの気温と湿度を記録しています。

 「過ごしやすい季節」を25℃±1℃と仮定して調べてみました。この春なら5月中旬から6月中旬までの4週間。

 昨秋は9月下旬から10月中旬までの3週間。1年52週間のうち6週間と約12%でした。

 秋は3週間程とあっという間に過ぎて行くのですが、体感だけでなく春より1週間短かったのです。

 今年の2月に亡くなった野村克也監督は、1990年にヤクルトの監督に就任し「ID野球」を掲げます。

 80年代はBクラスが指定席だった弱小球団を、90年代には4度優勝するまでに育て上げます。

 古田、広沢、池山などの選手が集まったこともありますが、野村監督の功績が大きかったのは間違いありません。

 ID=インポータント・データ

 自分の仕事に置き換えてもよく分かります。

 私が日本一大きな設計事務所を率いているのなら、そこまでデータには拘らないかもしれません。

 自分達が小さなチームだと分かっているので、全ての経験を糧としなければ勝てないのです。

 室内環境の記録は小さな例ですが、過去の仕事において設計期間、工事期間、建築費、解体費、構造体の種別に坪単価等々、全てデータをとって一覧表にしています。

 一目で見比べられることが重要だと思っているのです。

 また、クライアントのパーソナリティも出来る限り詳細に記録しているつもりです。

 人をタイプによって分けることは不可能ですが、年代や家族構成によって、傾向というものはやはりあります。

 傾向が分かるだけでも、選択の精度はかなり上がると思っているのです。

 2月に野村克也監督の訃報に触れた時、何か書きたいと思いました。

 それで新聞を読んでいた時ですが、「ぼやきは永遠なり」という言葉を読んで、くすりとしてしまいました。

 何と言えば良いのか分からないのですが、今は書くのを止めておこうと思ったのです。

 弱者が強者に勝てる可能性を示してくれた、ひっそりと咲く月見草に、遅ればせながら哀悼の意を表したいと思うのです。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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魔法の単位‐1629‐

 今日、10月10日が体育の日だったのは、1964年の東京オリンピック開幕を記念したものでした。

 来年の東京オリンピック時は、開会に合わせて7月24日に「スポーツの日」として1年限りで引っ越すそうです。

 当時より気温が上がっており、祝日まで制定したのに、この気持ちのよい秋を外す理由は何だったのでしょうか……

 女心と秋の空の言葉通り、雲も空の色もめまぐるしく変化していきます。

 秋らしいウロコ雲。

 かと思えば夏空のような快晴に。

 いずれにしても気持ちの良い季節。やはりスポーツの秋、読書の秋です。

 「現場」私の第二の仕事場ですが、実に様々な道具を見ます。

 ここにもヘラ、万力、レンチ、さしがね等々。

 手入れをされたカンナは、手を触れてはいけないという雰囲気があります。

 多くの人が関わる現場で、共通言語となるのはやはり数字です。

 棟梁のMさんは、ミリ単位のスケールを使っています。

 少し年上の大工、Aさんはミリの上に「尺寸」が入ったものを使っています。

 303mm=30.3cmが1尺。その1/10が1寸で3.03mm。

 1坪は6尺平方(約1.82m平方)で約畳2枚分。の概念は、随分前に一度書いたことがあるので、良ければ読んでみて下さい。

 尺寸は最少単位が約3mmとなるので、ミリより3倍大雑把という言い方もできますし、全ての思考を1/3に出来るとも言えます。

 日本の建築は3尺グリッドで作ると建材の端材が少なくなり、コストパフォーマンスが上がります。

 よって、私も3の倍数をどこかで意識しています。

 厳密に言えば、法律によって尺寸で明記することは禁じられていますが、現場では非常に有効に使われています。

 全てを1/3にする魔法の単位と言ってもよいくらい、価値があるものだと思います。


 2016年にフィンランドへ行って以来、海外へ出れていないので、4日間だけ香港へ行ってきます。

 コンセントのアダプターを買いに行くと「この時期に香港ですか!」と言われてしまいました。

 半年前にチケットを取っていたので、まさかこんなことになると思いませんでした。迷いはしましたが、出来るだけ危険を避けて行ってこようと思います。

 4日も休もうと思えば、ギリギリまで働いて深夜から準備を始めるのはいつものこと。

 長さの単位は、「尺寸」なのか「ヤード」なのか「メートル」なのか。いずれにしても、知らない街へ行く高揚感はいつも変わりません。

 娘から「マスクと黒い服は駄目やで」と言われました。新聞をよく読んでいるので、私より情勢に詳しいかもしれません。

 月曜に戻ってから、またUPしていきたいと思います。

■■■『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載

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【News】
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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