タグ別アーカイブ: 瓜破

汚れも、傷みも、必要であればこそ‐2034‐

会社的にはお盆休みですが、各計画を進めるためにフル稼働しています。

とは言え、9時に出社しなくても構わないので、朝のジョギングはちょっと遠出するのが楽しみ。

普段はあまり行かない、平野区南部にある瓜破エリア。郵便局がいい感じでした。

瓜破天神社の境内には、盆踊りの櫓が。

目でお盆休みを満喫します。

更に南の大和川まで下りました。

奈良盆地を横切り、大阪市南端を流れる大和川。

水質は日本一汚いとも言われますが、人の暮らしに密接に関わっている証とも言えます。

二上山、生駒山地を背景に、朝日を逆光に見れば、まるで清流のそれですが。

古くから栄えた平野郷は、平野区の北部に位置します。

平野郷の中心あたりに建つ大念佛寺。

何やらもの凄い足場が組まれているのを見つけました。

正面に回ると、銀色の足場が光って、ガラスで覆われているようにさえ見えます。

本堂は大阪府下最大の木造建築物で、大屋根は銅板瓦で葺かれています。

平安時代後期に開かれた名刹ですが、明治時代の火災の後再建されたのが現在の本堂です。

こちらは昨年秋の写真。

Webサイトを見に行くと、傷んだ本堂を改修するには寄付だけでは賄いきれず、クラウドファンディングを行っているとありました。

目標額が1千万円となっていますが、すでにクラウドファンディングのサイトには見当たりませんでした。

ということは達成したのでしょう。

でなければ、これほどの足場が組まれることはないか、と納得しました。

この改修工事、足場を含めてどのくらいのお金が掛かるのでしょうか。

数千万というレベルではない気がしますが、それだけの寄付が集まったということです。

多くの人と関わり、存在し続けてきたからこそ建物は傷みます。それは、大和川の汚れとも似ています。

汚れも、傷みも、必要であればこそなのです。

故人の魂を迎えるこの時期。

暑いながらも、穏やかに過ごしたいものです。

■■■プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」8月1日オープン ■■■

■■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

メディア掲載情報

解体王国‐2008‐

昨年の5月末に撮った、阪神高速松原線の喜連瓜破付近の写真です。

約3年に及ぶ工事期間に驚いたことを書きました。

今年の4月9日。

仮設桁が架かり、旧橋梁が解体され始めました。

4月23日。

交差点の上空部分は、ほとんど無くなりました。

阪神高速下を走る内環状線と長居公園通りが交差する「瓜破」の交差点。

交通量が多いこの交差点をできるだけ止めないよう、世界初の工法が採用されているそうです。

その詳細がテレビで紹介されていました。

現高速道路の上に仮設桁を架け、そこからゴンドラのような移動台車が吊られています。

その中にあるダイヤモンド ワイヤーソーで橋梁を小さくカット。

それを少しずつ取り除いていくのです。

昨日、すぐそばに建つライフに寄ったついでに、駐車場から見てみました。

もう柱脚部のすぐそばまで迫っています。

2本の柱脚に対して両方向から解体撤去していくので、4基の移動台車が橋梁を両方からかじっていく感じ。

松原線が通行止めになる不便はありますが、瓜破の交差点が止まってしまうことを考えると、そのダメージ差はかなり大きいと思います。

低騒音、周辺環境へ配慮、交差点等への交通影響を極力抑えることに主眼をおいていると、阪神高速のWebサイトにありました。

この高速部分を普段使っている人には申し訳ないのですが、すぐ近所の私はそれほどの不便はありませんでした。

物を作るといつか必ず壊す時期がやってきます。

日本がものづくり王国だとするなら、解体王国でもある訳です。

ものづくりを始めて約30年ですから、その楽しさは良く知っています。しかし、その解体にまで美学を感じさせるこの工事に、より日本らしさを感じます。

サッカーのワールドカップでも、サポーターによるゴミ拾いがよく取り上げられます。

終わりの美学。

日本が世界に誇れるものの、ひとつだと思います。

『建築家・守谷昌紀TV』 ■

■■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演
■■6月9日 『住まいの設計チャンネル』 「おいでよ House」公開
■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載
■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

メディア掲載情報

兵戈無用‐1891‐

菜の花が咲いていましたが、時期的にはそろそろ終わりでしょうか。

花が少ない2月頃からこの時期まで、黄色い花で楽しませてくれました。

再会はまた来年です。

温かくなってくると、ジョギングも少し遠出してみようかという気分になります。


日曜日はいつもの反対、南へ向かってみました。

「天神社」とは凄い名前です。


一般的には「瓜破天神社(うりわりてんじんじゃ)」と呼ばれているようです。

大阪市のWebサイトに、瓜破について説明がありました。「当地の庵 」がこちらの天神社です。

瓜破(うりわり)
 大化年間(645~649年)道昭法師が当地の庵で祈念の最中、天から光明のさしたご神体が降ってきたので、瓜を割(破)ってお供えしたことから瓜破と呼ぶようになったという説と弘法大師が高野山へ登る途中、この地を通り、水を所望したところ、住民が瓜を割(破)ってさしだしたことからこの名がついたという説があるが、定かではない。
 いずれにせよ、昔から瓜(西瓜)の産地であったことが、地名に由来しているといわれている。


よく大阪の難読地名にでてくる「瓜破」ですが、由緒正しき場所でした。

周辺からは弥生時代の遺跡も多く出土しており、古来から暮らしやすい土地だったことが分かります。

境内の桜もちらほらと咲き始めています。

変わらず日本人が大好きな、桜のシーズンも間もなくのようです。

近所のお寺の前に「兵戈無用(ひょうがむよう)釈尊」という貼り紙がありました。

Web上には色々な解釈がでていましたが、言葉としては兵=戦力も、戈(ほこ)=武器も要らないということでしょう。

抑止力、勢力バランスなど、そんなことが不要な世の中は、理想でしかないのでしょうか。

娘がぽつりと「戦争なんか、早く終わればいいのに」と言っていました。

食費、燃料、建築資材の高騰と、何ひとつよいことはありませんが、人の心に不安の影を落とすデメリットが一番大きいのかもしれません。

何も生まない、誰も幸せにしない、ただ独裁者の権力欲を満たすだけ。もし現世にブッダが健在なら、どんな言葉で諭したのでしょう。

永遠の冬がないように、戦争もいつか終わります。

新聞では、名作映画「ひまわり」の舞台がウクライナだったという記事を何度か見ました。春の東欧には、どんな花が咲くのでしょうか。

花を愛でる世界に、一刻も早く戻ることを心から願います。


■■■ 『ESSE-online』にコラム連載開始■■■

2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞■

■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記