解体王国‐2008‐

昨年の5月末に撮った、阪神高速松原線の喜連瓜破付近の写真です。

約3年に及ぶ工事期間に驚いたことを書きました。

今年の4月9日。

仮設桁が架かり、旧橋梁が解体され始めました。

4月23日。

交差点の上空部分は、ほとんど無くなりました。

阪神高速下を走る内環状線と長居公園通りが交差する「瓜破」の交差点。

交通量が多いこの交差点をできるだけ止めないよう、世界初の工法が採用されているそうです。

その詳細がテレビで紹介されていました。

現高速道路の上に仮設桁を架け、そこからゴンドラのような移動台車が吊られています。

その中にあるダイヤモンド ワイヤーソーで橋梁を小さくカット。

それを少しずつ取り除いていくのです。

昨日、すぐそばに建つライフに寄ったついでに、駐車場から見てみました。

もう柱脚部のすぐそばまで迫っています。

2本の柱脚に対して両方向から解体撤去していくので、4基の移動台車が橋梁を両方からかじっていく感じ。

松原線が通行止めになる不便はありますが、瓜破の交差点が止まってしまうことを考えると、そのダメージ差はかなり大きいと思います。

低騒音、周辺環境へ配慮、交差点等への交通影響を極力抑えることに主眼をおいていると、阪神高速のWebサイトにありました。

この高速部分を普段使っている人には申し訳ないのですが、すぐ近所の私はそれほどの不便はありませんでした。

物を作るといつか必ず壊す時期がやってきます。

日本がものづくり王国だとするなら、解体王国でもある訳です。

ものづくりを始めて約30年ですから、その楽しさは良く知っています。しかし、その解体にまで美学を感じさせるこの工事に、より日本らしさを感じます。

サッカーのワールドカップでも、サポーターによるゴミ拾いがよく取り上げられます。

終わりの美学。

日本が世界に誇れるものの、ひとつだと思います。

『建築家・守谷昌紀TV』 ■

■■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演
■■6月9日 『住まいの設計チャンネル』 「おいでよ House」公開
■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載
■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

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