初めて東京を訪れたのは、6、7歳の頃だと思います。
上野動物園へ、初代パンダのカンカン、ランランを見に行きました。
かなり長い行列に並び、一瞬でパンダエリアを通過した(させられた)ことを覚えています。
40年前、パンダ詣での後に東京タワーにも上りました。
子供達もなぜかスカイツリーより東京タワーに興味を示します。
今回良い写真が撮れませんでしたが、名古屋テレビ塔、通天閣と内藤多仲設計のタワーは魅力があるのです。
今回の目的は大学巡り。
折角ならと日本の最高峰、東大の赤門を訪ねますが「在校生のみ入校できます」とつれない返事。
少し北にある正門から遠く安田大講堂を眺め、本郷を後にしました。
そのまま南下して、御茶ノ水にある明治大学へ。
当時憧れていたビートたけしの母校でもあり、2度受験しました。
よって、このあたりが青年守谷の初めての東京体験になります。
18歳、19歳の頃、何を思っていたのだろうと懐かしいのです。
西に5km程行くと早稲田大学。
初めて訪れましたが、すぐ手前に日本のガウディこと梵寿綱(ぼん・じゅこう)さん設計の「和世陀(Waseda el Drado)」がありました。
こんな驚きも、街歩きの醍醐味です。
大隈記念講堂は凛として美しく。
初代総長、大隈重信像も初めて実物を見ました。
普段は子供に「口角を上げて」と言いますが、への字口もなかなかにチャーミングなものです。
私設はとバスツアーで、子供達の反応が意外に良かったのが国会議事堂と警視庁。
名探偵コナンで見たからだそう。
岡田新一設計の最高裁判所は妻が高評価。
反対に東京駅への反応は今ひとつでした。
辰野金吾の魅力はなかなか伝わらないようです。
一番興味深そうだったのが皇居です。
元は江戸城であることと、現在は皇族の住まいだと伝えると、こんなに大きいんだと驚いていました。
桜田門外の変もポイントのようです。
その皇居の横を抜けて、首都高速へ。
自分の車で本格的に東京を走るのは初めてで、それも楽しみにしていたのです。
狭い高速は大阪で慣れていると思っていましたが、首都高は想像以上に狭くて複雑。
トンネルが多いことも聞き知っていましたが、分岐が多くてまるでアーケードゲームのようでした。
ブラモリタニ東京編の開催中、やってしまいました。
交通違反キップを切られ、-2点で罰金9千円。
罪状は「信号無視」です。
場所は「壱岐坂(いきざか)交番前」。
東大へ向かう際、本郷三丁目から右折北進ができず。
一旦行き過ぎて、東京ドーム前で左折し壱岐坂通りに西から入り直しました。
安全運転を心掛けているつもりなので「信号無視」と言われ、あっけにとられました。
ただこの交差点、まるでトリックです。
空撮で見ると、左が東京ドーム。
東(右)に進むと、まず「壱岐坂交番前」手前の信号を通過します。
この時信号は青。
しかし「交差点内」に侵入すると、次の信号が黄色に変わりました。
何だか変な景色だなとは感じたのですが、その先に白バイが見えていたので、更にスローダウンすると、信号をくぐる際には赤に。
すると、身振りで路肩へ誘導されたのです。
「信号で止まってください!と合図していたのですが、停止線に気付かれませんでしたか?」と。
空撮で見ると確かにあります。
ここは交差点でなく、2つの信号続いているだけなので、赤なら停止しなければならないので、信号無視だと。
これが正しい風景ですが、どうしても交差点内に止るという感覚になります。
「四丁目の家」やseven dreamers 「ginza Tokyo」「 shibakouen tokyo」の仕事をしていた際、このあたりの宿が安く良く泊まっていました。
街を歩いていても「東京は信号のない交差点が結構多いな」とか、「間延びした交差点が多いな」とか思っていたのです。
この交差点も歩いたことがあるので、何か違和感を感じていたかもしれません……
説明を聞くと抵抗しても無駄と分かりました。
「ここはお上りさんには辛いわあ」と言うと、「都会は標識も多いので、よく注意して走って下さいね」と。
「大阪も標識は結構あるけどね」と返しておきましたが。
言い訳する訳ではありませんが、ここは間違いなく彼らの「猟場」です。
「停止線」が手前にあるので言い逃れは不可能です。
ただ、本当に「止まれ」というのなら、停止線の横で大きなジェスチャーで伝えてくれれば良いのですが。
車の異音にしても、ボートのステアリングのガタつきにしても、何か「違和感」を感じたなら、やはり何か起こります。
本田宗一郎がヘリコプターで移動し、目的地に到着しました。
ヘリコプターから降りる際、パイロットに「ローターリーの○○の部品が摩耗しているから変えておいた方がいい」とアドバイスしました。
実際にバラしてみるとその通りだった、という話を聞いたことがあります。
人の感じる能力はここまで伸ばせるということですが、感じるセンサーが敏感でることに加え、自分を信じる勇気も必要になってきます。
何かしらの違和感を、しかも数年に渡って持っていたのを、実際の行動に置きかえれずで、悔しいのひとことです。
今回の件で、ゴールド免許がまた普通の色に戻ってしまいました。
先月、東京行きを迷いに迷っていると書きました。
その回で、ビートたけしの出世作「赤信号、みんな渡れば怖くない」を紹介してしまいました。
この場では、ネガティブなことを書かないと決めているのですが、若干違和感を感じながらも書いてしまったのです。
その結果がこれ。
人生は本当に心のままに導かれますが、まるでコントのようなオチがつきました。全ては自分の心の産物だったのです。
東京の人は皆知っているのだと思いますが、「壱岐坂交番前」は要注意なのです。
■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
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■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
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■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
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