
地下鉄四つ橋線の肥後橋駅から土佐堀川沿いを西に歩いて3分。
筑前橋からは公共建築が連続して見えます。

大阪市立科学館、国立国際美術館、そして大阪中之島美術館です。
日曜日は、朝こそ冷え込みましたが、日中はすかっと晴れました。

2022年2月の開館で、設計者は遠藤克彦さん。
長きに渡るコンペで勝ち取ったのですが、私は初めて訪れました。

中央にあるエントランスホールからとにかく大きい。

4階、5階にある展示室まで、巨大な吹き抜けの中に2本のエスカレーターがあります。


4階で開催されている長沢芦雪の特別展示を観にやってきたのです。

入口横にはヤノベケンジさんの作品。
アートには、良いとか悪いとかそういったものとは違う次元の価値がある。
そんな感じでしょうか。

朝一番に行ったのですが、最終日ということもあり館内はすぐに一杯になりました。

残念ながら会場内で撮影可能なのはここだけ。
芦雪は様々な動物を描いていますが、群れているものが多くあります。
江戸時代中期、1754年に丹波篠山の下級武士の家に生まれたのですが、幼い頃に淀へ養子に出されています。
その寂しさが、こういった群れる動物たちを描かせたと考えられているそうです。

それまでになかった写実主義によって、日本の絵画を変えたと言われる円山応挙に若くして弟子入りします。
早くにその技術も習得し、奇想の絵師と言われるようになりますが、その転機は応挙の名代として串本にある寺に赴いてからでした。
南紀の温暖な気候がそうさせたのか、無量寺の襖に描かれた虎図と龍図は最高傑作とも言われます。
こちらは前期のみの展示だったようで、是非無量寺まで行ってみたいと思います。
私は長い掛け軸に描かれた、タコの絵がとても気に入りました。

牛の絵にあるように、大胆な構図がとても刺激的ですが、こういった「ゆるかわ」な動物も沢山描かれています。

この絵は、濃い色の背景に、明るく描かれた子犬が2匹。
スポットライトを浴びているような効果があると解説にはありました。
猿や子犬の柔らかそうな毛、きりっと描かれた虎や龍の髭、そしてぬめっとした光沢を墨の濃淡で描き切った蛸。
変幻自在の天才絵師の名に相応しいと、大満足の特別展でした。
1799年、大坂で客死し、45年の人生を終えるのですが、もっともっと彼の絵を見てみたかった気がします。

帰りに北側へ回ってみると、ここにもヤノベケンジワールドが。
「アートには、良いとか悪いとかそういったものとは違う次元の価値がある」と書きました。
このネコちゃんの前で、多くの人たちが記念撮影していました。
楽しくなければアートじゃない。
そう思っているのですが、残念ながら我が家の子供達にはあまり伝わらなかったのが、少し心残りではありますが。
点青三昧
点青=絵を描くこと。三昧=それに打ち込むと。
芦雪はよくこの言葉を好んで使ったそうです。
彼の絵を観て、やはり私はアートが大好きなんだと認識しました。
やる気十分でアトリエに帰って、私も点線三昧です。
■■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン
■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演
■10月11日『homify』の特集記事に
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載
■ 『ESSE-online』にコラム連載