シャッターを押すだけで……桜‐1893‐

新年度に入りました。

コロナ下の2年を取り戻すべく、気持ちも新たに打合せに向かいます。

土曜日の午前中は、春特有のもやが掛かったような天気でした。

高速道路をおりて地道を走っていると、一瞬、見事な桜並木が見えました。

訪問先で尋ねると、このあたりでは誰もが知る名所とのこと。

もやも晴れてきたので、打合せ終わりで立ち寄ってみました。

ここの桜、ちょっと変わった植わり方をしているのです。

土手沿いにまず一列。

土手下には遊歩道があり、その脇にもう一列植わっています。

高低差のあるアーチ状になり、見事な桜トンネルを形作っているのです。

土手に自転車をとめ、沢山の人が散策していました。

地元の人のみが知る、こんな桜の名所が日本各地にあるはずです。

場所を書くと、悪い事をしているような気になるのでやめておきます。

上空に写っている飛行機の高度と向きを見ると大体分かるかもしれませんが。

最近、iPhoneを「7」から「13」に換えました。

本気で撮りたい時は一眼レフを持って行きますが、この日は持っていません。普段使いのデジカメと撮り比べてみて、その差が大きくて驚きました。

色の淡い桜は、撮るのが最も難しい被写体のひとつです。

それが、モードを選ぶ訳でなく、露出をいじる訳でなく、 iPhoneのシャッターを押すだけで、この画質、この再現力ですから。

ちなみに1枚目だけがデジカメです。

昨日だったか、新聞に沢木耕太郎さんのエッセイが載っていました。

旅先で居酒屋探しで苦労した際のエピソードが、旅の楽しみと絡めて書かれていました。

言わずと知れたバックパッカーのバイブル「深夜特急」の作者で、エッセイの名手と言って間違いありません。私が最も好きな作家のひとりです。

店を「ぐるなび」などで探すのではない価値を書いておられ、私は痛く共感しました。しかし、多くの若者はそうは思わないのだろうなとも思ったのです。

本当に便利な世の中になりました。

それを寂しく感じる部分もありますが、それが「現在」という世の中です。

上手く撮れた嬉しい気持ちと、寂しい気分が混じり合うのは、おそらく私が昭和生まれだからでしょう。

沢木耕太郎さんが大好きだからこそ、世の中は大きく変化しているのだと感じるのです。

■■■ 『ESSE-online』にコラム連載開始■■■

2月27日「照明計画」
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■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
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