タグ別アーカイブ: 鳥取

普段「レッド・オーシャン」時々「ブルー・オーシャン」‐1679‐ 

 春分の日は、鳥取ボウリング遠征に行っていました。

 ボウリングの後は、鳥取砂丘にも寄ってきました。

 この日は風が強く、砂嵐で辺りが白く煙って見えます。

 砂丘を見下ろす丘の上の「砂の美術館」は休館。

 隣接するお土産物店が開いていたのでのぞいてみると、新聞に載っていた「とうふちくわ」が。

 「とうふ」なのか「ちくわ」なのか選挙が行われたこともあるそうです。しかし購入はせず。

 砂丘まで下るリフトがでており、乗る羽目になりました。

 屋内自粛からか、隣接する施設はほぼ満車。

 7年前、長男がアリジゴクが見たいというので、鳥取中を探し回りました。

 ここで最大のアリジゴクを捕まえたことを思い出します。

 強風につき後ろ向きで進む兄妹。

 砂嵐で顔が痛い程でした。

 最大の丘陵を見つけると、2人で走って行ってしまいました。

 長男はスイスイと登っていきましたが、娘は苦戦中。

 足だけでは滑り落ちていくので4本足です。

 アリジゴクに引きずり込まれるアリになった気分です。

 ようやく登頂。

 景色は日本離れしており絶景でした。

 青い海に白い砂。

 お砂場セットの忘れ物。

 枯れているのか、生きているのか。

 どこを切り取っても絵になります。

 やはり写真は背景が大事だとよく分かります。

 遅い昼食を取り、夕方4時頃に現地を出たのです。

 途中、中国道、淡路道が事故渋滞との一報が入りました。

 渋滞を避けるため、播但道で姫路バイパスまで南下。

 ハーバーウェイ、湾岸線と乗り継ぎ大阪に帰ってきました。

 経営用語で競争の激しい既存の市場を「レッド・オーシャン」、競争相手のいない市場を「ブルー・オーシャン」と言ったりします。

 発信元となった「ブルー・オーシャン戦略」という本は読んでいないのですが、「競争のない世界を創造する」というサブタイトルから想像はできます。

 血みどろの戦いは駄目だということですが、私は戦いがある方がむしろ好きなのだと思います。

 著者からは笑われるかもしれませんが、古代エジプトからあるとも、ルネサンス期からあるとも言われる建築家という職業を選んだ時点で、もう血みどろの戦い真っただ中なのですから(笑)

 それで休みができれば、ブルー・オーシャンやクリア・レイクへ行くのです。

 普段「レッド・オーシャン」時々「ブルー・オーシャン」。

 好きなのだから仕方ないのです。

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】

■2月3日 『Houzzの特集記事』「阿倍野の長屋」が取り上げられました
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
■4月1日発売『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

鳥取ボウリング‐1678‐

 先日現場日記で、子供が「ボーリングに行きたい」と言っていると書きました。

 「いやあ、ボウリングは密室だし、ちょっと……」と答えると、「島根に行ったらいいやん!」と。

 先週末の三連休は 大阪、兵庫の往来自粛のアナウンスもありました。

 車で越えて行くのが良いのか駄目なのか分かりませんが、阪神高速から中国道へ。

 ネクスコの予報では、宝塚東トンネルの渋滞は朝6時から10kmとなっていました。

 現在の状況なら渋滞は減ると思い、7時頃通過したのですが、渋滞3歩手前という感じでした。

 渋滞は8時頃からだったようなので、多くの人が連休の旅行をキャンセルしたことが分かります。

 コロナウィルス感染者が現在確認されていないのは、南から鹿児島、岡山、島根、鳥取、富山、山形、岩手、青森。

 ボウリング場を調べると、岡山と鳥取の距離がほぼ同じで、鳥取自動車道を北上します。

 他県の人からすると、大阪人には来て欲しくないかもしれませんが、家族全員体調は万全。
 
 マスク、アルコール消毒と対策も整え、鳥取へのボーリング場を目指します。

 鳥取は7年前にゆっくり回りました。

 魚が美味しく、良い印象しかありません。

 赤茶の瓦屋根を多く見かけます。島根の石州瓦は赤茶と光沢のある黒が特徴。その影響だと思います。

 9時頃に鳥取駅に到着。

 まずは目抜き通りを歩きます。

 しまっている店も多かったのですが、「すなば珈琲」は開いていました。

 2014年当時、鳥取県知事が「鳥取にはスタバはないけど、日本一のスナバがある」と言ったことからオープンしたという話は何となく覚えています。

 現在は駅の反対側にスターバックスコーヒーが出来ました。

 しかし話題性だけでなく、モーニングセットの充実ぶりは名古屋なみです。

 子供はトーストのセット。

 私はたまごかけごはんのセットを頼んでみました。

 これで540円は安い。

 コーヒーを持ってきて貰うタイミングもiPadでオーダーできました。

 地元の人と観光客が半々と言った印象でしょうか。

 かなり混んで来たので店を出ました。

 鳥取市内で唯一確認できた、鳥取スターボウル

 ボーリングはそれ程行った事がある訳ではないのですが、娘たっての希望でした。

 聞くと「ガーター防止柵無しでやってみる」と。

 初めのゲームは、子供特有の左にひっかけてのガーターを連発していました。

 2ゲーム目からは「柵有りにするかな」と思っていたら、このまま続けると。

 それならと、私もギアをひとつ上げて投げ方を教えたのです。

 2投に1回くらいはピンを倒せるようになってきました。

 何でもそうですが、少しは結果がでないと続ける気持ちになれないもの。ましてや遊びなら尚更です。

 ボーリングを好きになるか、嫌いになるかの分水嶺は何とか越えたでしょうか。

 その後、鳥取砂丘も訪れたのですが凄い風でした。

 ここからは次回にしたいと思います。

 欧米では、外出禁止令まで出ていますが、日本がこれからどんな状況になるかは分かりません。

 それでも、人生を楽しむと決めておくしかありません。

 零細企業の経営者など、常にピンチ、ピンチの連続です。

 ピンチの後にチャンス有り、などというレベルでなく、ピンチ自体をチャンスと曲解するくらいの気持ちがなければとてもやって行けません。

 「○○力」などというタイトルの書籍をよく見かけますが、私が書くとするなら「曲解力」でしょうか(笑)

 しかし実際、このような事態にならなければ急遽鳥取へ行くことにならなかったと思います。

 やはり大事なのは曲解力。勿論、ピンチをチャンスへと曲解するのであって、チャンスを曲解する必要はありませんが。

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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【News】
■2月3日 『Houzzの特集記事』「阿倍野の長屋」が取り上げられました
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
■4月1日発売『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

『住人十色』放送後のたくらみ‐1319‐

 10月21日(金)14時7分に、鳥取で震度6弱の地震が発生。

 熊本地震から半年が過ぎたというニュースがあったばかりでした。

 現在、全壊2棟、半壊3棟は、家屋の強度、地盤の良さが影響しているのではというコメントがありました。

 しかし、5つの家族にとっては大変なことです。支援活動の要請があれば出来るだけ参加したいと思っています。

 鳥取は、3年前の夏休みにゆっくり回りました。

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 境港の水木しげるロード

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 草原に浮かぶ大山。

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 皆生(かいけ)温泉で食べた魚は本当に美味しかった。

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 東伯郡三朝町にある投げ入れ堂

 長男と険しい参道を登ったのですが、白壁が落ちたという報道があった倉吉町のすぐ南です。

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 そして鳥取砂丘。アリジゴクを探す旅でもありました。

 地震国日本。その厳しさと私達日本人は付き合って生きてきました。宿命は背負う他ありません。

 家族で出掛けた旅を考える時、何故かこの旅を思い出すことが多いのです。

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 山陰の、美しさ、寂しさ、切なさが心に残ったと言えば、地域の人に失礼でしょうか。

 この危機に負けず頑張って欲しいと思います。

 話は変わって告知です。今週土曜、「阿倍野の長屋」の放送があります。

 すでに『住人十色』のwebサイトで、紹介されていました。

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『住人十色』毎日放送(MBS)10月29日(土)17:00~「阿倍野の長屋」放映予定■

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 工事中からストーリー満載で、ご家族がOKしてくれたなら、取材はあるだろうなと思っていました。

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 メディアに関して「雑誌はいいけど、テレビはちょっと……」と言う方がほとんどです。

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 こちらのご家族は、もしテレビのオファーがあれば考えてみる、という感じでした。

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 実際にオファーがあってからも迷っておられたのですが「守谷さんのためなら」と一肌脱いでくれたのです。

 女性陣2人を含めて、まさに男気。

 これだけのリノベーションをさせて貰ったのですから、ご家族は勿論懸命に働いておられます。

 ご主人は整骨院を経営されており、とても繁盛しています。いつも遅くまで仕事をされているのです。

 治療に来られる患者さんの一人に、いつも前週の『住人十色』の話しをする方が居られるそうです。番組の大ファンのよう。

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 計画の途中から、ご主人と「テレビの放送が決まっても、その方には黙っておきましょうね」と、密かに企んでいたのです。

 来週あたりでも、その患者さんが治療に来られた時のことを、是非聞いてみたいと思っているのです。

 撮影現場は見に行けなかったのですが、ナビゲーターの春香クリスティーンさんも、なかなかに活躍されているタレントさんとのこと。

 その端正なルックスとは対照的な汚部屋タレントと、奥さんのやりとりが楽しみです。

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 ストーリー満載の「阿倍野の長屋」。時間のある方は是非ご覧ください。

法力で投入れる

 この夏、山陰に来たのは、2つの目的があります。

 1つは投入堂を見ること。

 鳥取の山中にある投入堂は、三徳山三佛寺というお寺の奥院です。平安時代後期、706年の建造とされています。

 役行者が法力で岩窟に投げ入れたので「投入堂」。そんな伝説がある建物を、一度見てみたいと思っていまいた。

 途中の道路に鳥居があります。山や自然自体を信仰の対象とする、山岳寺院と言ってよいでしょう。

 登山参拝の受付には、以下のような看板があります。

 投入堂参拝は、厳しい試練の道

 観光気分、観光装備での入山はご遠慮願います

 この看板に偽りなし。

 最低限の準備はして行ったほうが良いと思います。前半から、かずら坂、くさり坂と難所が続きます。

 途中で引き返している人高齢者もいました。実際に、年に何人かは亡くなるという話しです。

 前半の山場を越えると、まずは文殊堂。

 大きな岩に直接柱をたて、大きく空へ張り出す回廊に、手すりはありません。

 落ちれば命さえも危うい高さ。

 安全確保一辺倒で、反対に生を感じる機会は減っているのかもしれません。

 登り始めて1時間程。突然目の前に現れました。

 少しその場に居たのですが、目の前に現れた瞬間、誰もが驚嘆の声を上げていました。

 期待して見に行った上で、それに応えてくれる建物が、日本にいくつあるのだろう、とも思います。写真家、土門拳が「もっとも美しい建築」と称えた投入堂。

 垂直に切り立った岩盤のくぼみに、貼りつくように建つこの寺。どのようにして建築されたのか、未だ解明されていないそうです。

 確かに「法力で投入れた」と言いたくなります。
 
 建築とは、その建物だけを指すのではない事が良くわかります。簡素で、力強く、美しいその姿は、この圧倒的なロケーションが、それらを限界値にまで高めているのです。

 非常に満足して山を下りました。出来ればあの縁側にも座ってみたかったのですが。

 もう1つの目的はアリジゴク。

 大阪では見つけるのにあれほど苦労しましたが、ありました。

 北条砂丘の松並木の中で、いくつも見つけることができました。

 アリジゴクは、ウスバカゲロウの幼体です。

 スリバチ状の罠にアリが落ちると、下から砂をかけて、更に下へと導くのです。その名の通り、アリにとっては地獄。しかしその様を見て軽く感動を覚えました。

 スコップで掘り起こしましたが、意外に小さいものです。大きいもので体長7mmくらい。

 前には進めず、すぐにお尻から砂地に潜っていく様には、哀愁すら感じます。結局、持ち帰ることに。

 子供達は、何か気に入らない事が起こると、文句ばかり言い出だします。しかし、子供と私の好奇心を満たす旅が、いつまで続けられるのか、とも。

 山陰の旅も今日までです。

ゲゲゲ

 今年の夏季休暇は、山陰へ来ました。

 早朝に大阪を出て、8時頃に境港に到着。まずは水木しげるロードを歩きました。水木しげると言えば、勿論ゲゲゲの鬼太郎。

 駅からの目抜通りに、ブロンズで出来た妖怪が、数メートルおきに並びます。スタンプラリーもあり、子供連れにはもってこい。

 街を上げての取り組みにも、好感がもてます。

 遊び疲れて皆が寝ている間に、植田正治写真美術館も訪れました。高松伸の設計ですが、彼も山陰の出身だったはずです。

 大山へ開かれた、眺望が見事でした。

 夕食は、皆生(かいけ)温泉で。

 水木しげるは、幼少期に父の故郷、境港へ移り住みます。

 家に出入りするまかない婦のおばさんが、聞かせてくれた妖怪話に、強い影響を受けたのです。記念館には以下のような言葉がありました。

 どうでもいいようなことを真剣に考えて、居ると信じる。それが妖怪なんだ。 

 まさに「一隅を照らす」です。

 画家志望だった水木は、戦争で左手を失います。なかなか売れず、何とかなったのが40歳を過ぎた頃でした。

 知らない街へ行き、誰かの人生を知る。心の隙間に何かが染み込むよう……

 3泊4日、山陰の旅は続きます。