タグ別アーカイブ: 住人十色

取材大好き‐1602‐

 先週の土曜日は「回遊できる家」の取材でした。

 住宅誌のリフォーム特集ですが、9月末の発売予定です。告知OKとなれば、またここでお知らせします。

 もう少し晴れてくれれば良いのですが、梅雨時につき贅沢は言えません。

 出版社は概ね東京にあるので、ライターの方は朝5時に家を出たそうです。

 わざわざの大阪に来て貰ったので、取材は絶対成功させなければなりません。

 朝10時から取材開始です。

 前回の訪問は毎日放送『住人十色』の撮影の時で、昨年の2月でした。

 子供さんも慣れたもので、取材中は子供部屋(子供エリア?)で遊んで待っています。

 3番目の長女さんは年中さんで、お父さんにピッタリ。

 長男君が小4、次男君が小2、三男君が間もなく3歳です。

 2016年12月の撮影の時は、ラグの上でずっと寝ていた三男君。

 4人兄弟の末っ子君は、何と言っても逞しい。

 まさか自分が2歳だなんて思っていないのです。

 2階も皆で案内してくれました。

 ガラス瓦から光が落ちるこの風景は、何度見ても良いものです。

 一番奥にあるお父さんの書斎には小さな机が2つ。

 こちらのご夫妻はいつも子供が一番なのです。

 キッチン後ろの収納は、とても可愛いと「また」撮ってもらいました。

 奥さんはちょっと恥ずかしがっていましたが、私が入れ知恵しました。

 奥さんには申し訳ないのですが、工夫すれば自分にもできる、そんな写真を読者は見たいのです。

 このアングルも必須です。

 カメラマンの男性は関西の方で、兎に角子供に優しい。

 こんなサービス精神で、撮れる画は確実に変わってくるものです。

 面白い構成なので、勉強している写真も撮ってみましょうかとなりました。

 色々な人に撮って貰いましたが、カメラマンの一番の仕事はやはりアングルを探すことだと良く分かります。

 建築は設計、建築会社、そしてクライアントとの共同作業で出来上がります。

 こちらの奥さんはいつも謙遜されるのですが、とてもセンスが良いのです。

 フローリングに合わせて選んだこの飾り棚。

 実はは衣類入れで、上から長男、次男、長女、三男となっています。

 新たに加わっていたこのプランター置きも、よく合っています。

 ティッシュボックスも木で揃え、撮影時はティッシュ自体を箱の中に押し込んでくれていました。

 非常に細やかな気遣いができる方です。

 しかし大らかな人で、ちょっとくらいの落書きで雷を落としたりはしません。

 落書きしたその日は、小さな雷鳴くらいはあったかもしれませんが(笑)

 この洗面の右の水栓は、子供さんが使いやすいように手前、横に付けました。

 これも奥さんの要望から位置を決めたものです。

 「子供たちといつまでも仲良く」というメインテーマがぶれたことは一度もありませんでした。

 そして、その通りの光景が広がっています。

 時には喧嘩することもあるでしょうが、思いは必ず実現します。

 また、それを現実のものとするのが私の仕事です。

 今回は面白いプラン特集ということで「回遊できる家」を見つけて貰いました。

 よって、メインの写真はみんなで走り回っている写真でしょうか。

 昨年の1月中旬にも『住まいの設計』の取材を受けて貰っているので、メディアに載るのは3度目です。

 ご家族は「上の2人は取材が大好きですし、守谷さんが居なかったらこの家はできていませんから」とまで言ってくれます。

 創り手冥利につきるのですが、私と会うまでに十数社の建築会社にプラン、見積りを出して貰ったと、この日初めて聞きました。

 そう聞くとその情熱が全てだとも思うのです。

 ただ、私と会ってみようと思ったきっかけは「誕生日が一緒だったから」と聞いた時はずっこけましたが、理由など何でも構いません。

 誰かを幸せにすることができれば、また必ず誰かが求めてくれるはずですから。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』4月7日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載

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【News】
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
■『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

男のロマンⅡ‐1474‐

 普段、アトリエmのwebサイトは100~250回の閲覧があります。

 土曜日の放送後は、900回以上の閲覧がありました。

 やはりテレビの効果は大きいものです。

 私も一視聴者として楽しませて貰いました。

 ものおじしない奥さんなので、テレビも絶対大丈夫だろうなと思っていましたが、自然体で「羽曳野の家」の特徴をあますことなく語ってくれました。

 ご主人、お子さんも活き活きと楽しそうで、本当にご紹介して良かったと思います。

 なぜかメールが上手く届かなったので、この場でお礼しておきます。

 週末は、雨予報で撮影が中止に。急遽、奈良県の池原ダムまで行っていました。

 20代前半から、海、湖へ行く時は車の上にボートを積んで運びました。これを「カートップ」と言います。

 私は四駆一筋なので、普通車に比べるとかなり高い位置に積むことになります。ギックリ腰になること3回。

 10年前くらいから、牽引でボートを運びたいと思っていました。

 先日、ようやく牽引登録を済ませ、バスボートに乗り換えることにしました。バスボートとは、ブラックバス釣り専用のボートです。

 家族には、「家を建ててから」と言ってきたので、勿論全員が反対。

 しかし、10年間自問自答してきました。

 「贅沢過ぎる? 分不相応? 分とは? 贅沢とは……」

 十分に蓄えはできた。しかし95歳になった。これでは意味がありません。

 今がその一点だという結論に至りました。全て言い訳ですが。

 スロープでは、スタッフがボートをおろしてくれます。

 ボートをおろして10分くらいで、幸先よく42cmの1匹目。

 この岬は、22年前の5月4日、当時日本記録級を釣った場所です。

 その対岸にある、小さな張り出しについて居ました。

 バス釣り専用のボートなので、魚群探知機もそれ用にセッティングされています。

 その10分後、今回最大の魚を仕留めました。

 50cm1.6kg。

 沖の立ち木に、6匹ほど群れていた鼻先に、水面に浮くルアーを投げました。

 ピクピクと動かすと、奪い合うような動きになりフックアップ。

 狙い通りの釣り方で、今回の中でも会心の1匹でした。

 バス釣りは、持って帰ったり、食べたりしないので、大きさと共に、釣り方に拘る人が殆どです。

 その過程を楽しむ遊びと言ってもよいでしょう。

 その後、小さい魚も釣れましたが、もう1匹50cmがらみを釣り上げました。

 澄んだ湖の上で、自分の思う場所へ移動し、魚を求める。

 ハンティングのような遊びなのです。

 エンジンも大きくなり、かなりスピードがでます。

 ちょっと怖いくらいなので、私は安全運転ですが。

 ゴールデンウィークの前半限定ですが、是非と言う方は2、3日中に連絡下さい。

 池原ダムのバックウォーターまでご案内しますので。

 2013年の5月、「男のロマン」は土間だと書きました。

 広辞苑で「ロマン」をひくとこうあります。

① 近代にロマンス語で書かれた、伝奇的要素の多い散文物語。

② 一般に、長編小説。

③ 夢や冒険への憧れを満たす事柄。

 私にとっての夢と冒険への憧れを満たす、物語の第2章が始まりました。

 「男のロマンⅡ」はボート(趣味)だとします。

 ロマンシリーズはⅢ部で完結します。「男のロマンⅢ」は今冬にUPしたいと思います。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

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【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<</a

人間はひと色じゃない‐1473‐

 明後日の土曜日、毎日放送『住人十色』「羽曳野の」が放映されます。

 番組のwebサイトには、

 築46年の実家をリノベ!
 4人の子どもが のびのび育つ家

 と紹介されていました。

 過去には、「光庭の家」「松虫の長屋」を取り上げて貰ったので、今回で3作目です。

 5:00pm~5:30pmですので良ければご覧ください。

 先週日曜日は、「トレジャーキッズたかどの保育園」の内覧会でした。

 青空の下、沢山の方に参加いただきました。

 プライバシーのこともあるので、人無しの写真にしていますが。

 園長のお母さま、ご主人も見えていました。

 園庭にある古タイヤは、そのご主人が用意してくれたもの。

 「同じ大きさより、大・中・小がいいんじゃない」と提案してくれたそうです。

 ひとつひとつの思い入れが、建物に物語を塗り込んで行くのです。

 園児室には家具が入っていました。

 ここは2階の5歳児室。

 0歳児室のトップライト下には、マットが敷かれていました。

 柔らかい光の下で、0歳児君がハイハイする姿が目に浮かぶようです。

 「こもれびひろば」前には「ごにゅうえんおめでとう」の張り紙が。

 桜、五月人形が、華やかに飾り付けられていました。

 楽しい式典になったでしょうか。

 エントランスには500色の色えんぴつがようやく壁に埋め込まれていました。

 これは通販の大手、フェリシモの人気商品です。

 実はこの色えんぴつをエントランスに飾りたいと聞いたのは、着工後でした。

 正直言えば、こういったことは先に聞いておきたいところです。

 しかし、自分がコントロールできない事を嫌がってしまうと、結果が良くなることはありません。

 経験的に言えば「トラブルは楽しんでしまえ」という感じです。(トラブルは言い過ぎかもしれませんが)

 再度練り直したコンセプトは、一度現場日記に書きました。

 実際、「白木の園」と「自分色を見つけてほしい」というコンセプトが、より強く繋がったと思っています。

 この日は来園者の方へ、こんな案内が手渡されました。

 コンセプトを知って下さっていたんだなと思っていたら、「全く聞いていないんです」と園長。

 「文章はぜんぜん得意じゃないんです」という園長が、前日に考えたそうです。

 創り手のひとりよがりや、押しつけがましいデザインは常々嫌だと思っています。

 この建物に入り、同じことを思って貰ったことがとても嬉しいのです。

  人間はひと色ではない。この役はこうだと決めつけず、役の中に何色も塗り込んでいく。

 これは、鎌田行進曲で演出家・つかこうへいに薫陶を受け、世に出して貰ったという俳優・風間杜夫の言葉です。

 全ての新入生、新社会人を応援します。

 そして、私たちもまだまだ塗り込んでいかなければならないのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
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『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
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光と風と笑いで満たす‐1468‐

 桜の開花宣言もだされ、百花繚乱の一歩手前。

 ユキヤナギはこぼれんばかりに小さな花をつけています。

 春の勢いを最も感じさせる花かもしれません。

 色だけで言えば、この時期の桜に勝るものはないと思っています。

 蕾の残る風景が私は一番好きなのです。

 今日は朝から「トレジャーキッズたかどの保育園」の検査が続きました。

 ほとんどの検査を終え、ようやく一息つけそうです。

 また現場日記にUPしたいと思います。

 3月20日(火)発売の『住まいの設計05・06月号』「羽曳野の家」が掲載されました。


撮影は1月中旬。この日も天気のよい1日でした。

 4月14日 (土)には、『住人十色』の放送もあり、ローコストにも関わらず本当に親孝行な作品です。

 住宅誌のライターは女性が多いのですが、手前に立つ男性が今回は担当してくれました。

 その方も熱心に取材していたのがキッチン後ろの収納。

 冷蔵庫も隠れているのですが、コストを落としながら、どうやって機能させるかを奥さんと模索した箇所です。

 編集者、ライターは多くの建物を見ています。やはり、苦心した場所で立ち止まってくれることが殆どなのです。

 土曜日に撮影した「中庭のある無垢な珪藻土の家」にも、そういう部分があります。

 キッチンの右手には、小さな和室があります。

 ちょうど写真家の頭あたりが入口。

 この小さな和室の左には、洗面・脱衣室があります。

 その間の壁に収納があり、畳の上で畳んだ衣類等をカゴに入れます。

 それを反対側の洗面・脱衣から取れるようになっているのです。

 これはキッチンの側面です。

 くぼみをつくり、ゴミ箱を隠しています。

 蓋が開くスペースを確保し、その上にある小さな棚にゴミ袋を常備しておくのです。

 これらは、私たちの手柄ではありません。

 共働きで忙しい奥さん達が「こうなっていればいいのに」を、形にしただけなのです。

 「羽曳野の家」の誌面でのコピーは以下の通りでした。

 『壁も天井も最小限におさえ、光と風と笑いで満たす』

 光と風にこだわって仕事をしてきましたが、その後ろに「笑い」とは……

 最高のコピーをもらいました。

 よければ、私たちがお届けする、光と風と笑いのある空間をご覧ください。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
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【Events】
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『住人十色』撮影現場で1/1の真実を見る‐1460‐

 昨日でピョンチャンオリンピックが閉幕しました。

 今回はメダルラッシュと言ってよい日本勢の活躍。

 中でも、身長155cmの小柄な体で、金メダル2個を獲得したスピードスケートの髙木菜那選手は気になります。

 優秀な妹を持つ姉が、この結果を出した過程を、これからメディアが詳らかにしてくれるでしょう。楽しみです。

 日曜日は曇り予報で、朝から気をもんでいました。

 4月14日(土)放映の「回遊できる家」『住人十色』取材日だったのですが、写真撮影なら延期していたでしょうか。

 しかし、テレビはそう簡単に中止できません。

 何せ人手がかかるのがテレビです。

 午後からのぞきに行ってきましたが、着いたのがまさにカメラが回る瞬間。

 やや迷惑をかけてしまいました。

 2日間ある撮影日のうち、この日はタレントさん有りの日。

 現場としては1分でも時間が惜しいはずです。

 すぐにカメラ反対側の子供部屋に移動し、後ろからのぞいていました。

 タレントさんを写さないのがルールで、ちょっと偏った写真ですが、ご夫妻ともなかなかに楽しそうです。

 出番待ちの長男君と次男君は、ゲームをしながら待機中。

 3歳の娘さんは、ADさんと遊んでいます。

 撮影クルー各々が、撮影をスムーズに進めるために動いているのです。

 そんな中、私が子供を連れて行ったので、若干「空気読めてない」感も伝わってきました。

 それは当然ですし、承知の上です。

 長男のクラブが休み、娘も家に居り、私も休み。

 また、自分の現場でなければ、ゆっくりロケを見ることは出来ません。

 タイミングが合えば、撮影の現場を見せておきたいと思っていました。

 ご夫妻とタレントさんのトークが続く中、1歳の三男君が、泣きながら駆け込んできました。

 昼寝から目が覚めたのです。

 撮影が一旦中断したタイミングでご家族に挨拶し、失礼したのです。

 どうだった?と長男に聞くと「面白かった」と。

 娘に聞くと「別に」と。

 どんなことにワクワクするかは人それぞれなので、何かを誘導したいということはありません。

 ただ、見たことがあれば、正しいスケール感で想像はできます。

 子供達は卓球をしているのですが、張本選手が出ている試合は、食い入るように見ています。

 彼はまだ14歳。目標にして頑張ってみたらとけしかけると「そんなん無理やわ」と。

 長男などは結構頑張っているようで、県の団体戦ですが3位に入っていました。

 小さな画面の中でみると、つい箱の中のスーパーマンの世界に見えてしまうものです。

 根拠のない自信は駄目ですが、サッカー元日本代表監督、イビチャ・オシムのいうスターマニアになってもならないのです。

 設計図面でもそうですが、1/1に勝る図面はありません。

 テレビの画面が大きくなったとはいえ、さすがに1/1でみれるテレビはそうありません。

 オリンピックの金メダリストも生身の人間です。

 世界一の能力を持っているのですが、髙木菜那選手なら155cmの女性であるのは、間違いのない事実です。

 当たり前ですが、1/1の真実を見たければ、その場に立つしかなありません。

 テレビジョンは、テレ=遠くとビジョン=視野、視界を合わせた造語。

 その効用と、弊害をどちらも理解し、活かせるとよいのですが。

『住人十色』の取材の取材<回遊できる家>‐1451‐

 本当に寒い日が続きます。

 今日は朝から、今年2回目の「回遊できるの家」行きでした。

 住宅誌に続き、毎日放送「住人十色」の取材が決まり、その打合せだったのです。

 ディレクター、放送作家、アシスタントディレクターと、3名が先に見えていました。

 いつも思うのは、テレビというメディアは本当にマンパワーによって創り上げられていくものだということ。

 各エリアごと、丁寧に家づくりのストーリーをインタビューしていきます。

 特に時間を割いたのが、ロフトとキッチンでした。

 構成作家の方が女性で、キッチン回りの質問が的確で、また面白いものでした。

 その質問は、ご夫妻の出会いから、仕事のキャリア、日々の暮らしと多岐にわたっていましたが、このあたりの進め方は、私とよく似ているなと思いながら聞いていました。

 物の収納に関しては、どんな切り口になっているか、特に楽しみです。

 打合せは、3時間みっちり。

 3名が帰られたあと、私も失礼したのですが、奥さんが「この氷、子供達が帰ってくるまで残っているといいけど……」と。

 ご夫妻とも、頭がさがるほどの働き者で、かつ子供思い。

 奥さんは「ずっと先ですけど、孫も集まってきてくれたら嬉しいんですけど」と、仰っていました。

 打合せの途中、ご主人が8歳の頃の写真を見せてもらいました。

 改修前の縁側で、お婆様と撮ったものです。

 現在の長男君と同じ年頃で、あまりにそっくりで驚きました。

 花が活けられた冬の縁側で、日向ぼっこをしながら、イヌにミカンをあげている。

 これ程幸せな、昭和の風景はありません。そこに手を入れるのがリノベーションなんだと、気が引き締まる思いもありました。

 家の数だけある 家族のかたち

 番組のサブタイトルですが、それらは引き継がれていくものなのかもしれません。

 お孫さんはきっとこの家のウッドデッキに遊びにきてくれると思います。

 取材は2月中旬、放送予定は3月24日(土)です。順次ここでお知らせします。

一滴のしずくが川となるように‐1321‐

 土曜日の『住人十色』の放送は、私も楽しみにしていました。

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 自分の出演がなければ気楽なものです。

 8年続く長寿番組だけあり、松尾貴史さんのコメントも的確。とてもわかりやすく描いて貰った気がします。

 計画が始まり、ここに至るまでの3年を振り返ってみました。

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 2013年9月15日(日) 大阪市が主催した「住之江の元長屋」のオープンハウスに参加。

 雨の強い秋の夕方。初めてご家族にお会いしたのです。

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2013年10月3日(木) 第1回目の打合せ。

 その後、11月14日(木)第3回目の打合せは、お弁当持参で来社してくれました。

 仕事終わりの時間帯に、何度も足を運んで貰ったのです。

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2013年12月10日(火) 現地調査。

 お母さんと奥さんは、その間もずっと談笑していました。

 「本当に仲が良いんだな」と思っていたことを覚えています。

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2015年4月30日(水) 現場打合せ。

 着工は2015年2月9日(火)。

 設計、予算調整もかなり難航し、計画のスタートから1年5ヵ月を費やしたのです。

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 お子さんには、現場で宿題をして貰ったこともありました。

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2015年7月10日(金) ようやく引っ越し。

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 まだ工事中でしたが。

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2015年11月3日(祝・火) 当社の写真撮影。

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 恒例になった昼食時の撮影もお願いしました。

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 動きのある写真が撮れます。

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 そして、ボルダリング。

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 こうして、この家のイメージカットが撮影されました。

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2016年3月6日(日) 『住まいの設計』の取材。

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 子供さんが楽しんでくれたら、誌面が楽しいものになるのです。

 これらの写真をみて貰い、番組の取材となりました。 

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 実は、あるリノベーションのコンテストに応募しましたが、入賞さえ叶いませんでした。

 正直言えば、自信を持っていました。

 しかし、それなら実作でリノベーションの可能性を示し続けるしかありません。

 コンテストの審査員には届かなくても、本気のクラアントには届くと信じているのです。
 
 いつも周りを笑わせてくれた次男君。

 番組内で、この家に「いちまんてん」を付けてくれました。それが一番の賞かもしれません。

 放送後、ご家族にお疲れさまでしたとメールを送ると、返事が返ってきました。

 収録後は放送が不安で本当にイヤでしたが、ほんわかした感じでよかったです。

 あの雨の日、ビフォーアフターのおうちを見学しに行ってなかったら私達家族はどうなってたかと思います。

 近いうちお礼するのを口実にアトリエmの皆さんにお会いしにいきたいと思います。

 「阿倍野の長屋」
 
 打合せ回数45回 (うち現場打合せ25回)

 設計期間 2013年9月~2015年1月 1年5ヵ月

 工事期間 2015年2月~2015年7月 5ヵ月

 一滴のしずくが集まり川となるように、いくつもの偶然と決断がここに導いてくれました。

 クライアントと私達の大河ドラマ「松虫の長屋編」はこれで一区切り。

 楽しんで貰えたでしょうか。

女人高野‐1320‐

『住人十色』毎日放送(MBS)10月29日(土)午後5:00~5:30「松虫の長屋」放映予定■

 今日は気持ちの良い秋晴れでした。

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 しっかりとした日差しを受けた花は本当に美しいもの。花より光が美しいのかもしれません。

 日曜日は生憎曇りでしたが、近鉄電車で室生寺へ。

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 名張行きの急行で1時間。室生口大野に着くと、バスは50分待ちでした。

 1台タクシーが見えたのですが、目の前の2人連れに先を越されてしまいました。

 自然歩道を歩けば1時間くらいと聞き、歩いて行くことにしたのです。

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 歩くのはかなり早いほうで、40分位あれば着くだろうと思っていましたが、なんのなんの。

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 かなり険しい山道を7km。みっちり1時間半は掛かりました。

 山深く、他に人は全く居らずで、クマでもでるんじゃないかと心細くなり……

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 変な汗をかきながら道を急ぎ、山村の景色が開けた時はほっとしたのです。

 紅葉にはまだ早く、人も少な目。

 室生寺の建立は奈良時代末期で、国宝に指定された建物がいくつかあります。

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 鎌倉時代に建てられた本堂もその一つ。

 山深いところにあるがゆえ、山林修行の道場としての意味合いも強かったようです。

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 奥の院までの石段の長いこと。

 しかも段差がまちまちだったりして、かなり歩きにくいのです。

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 よく見ると寄進されたものなのか、ところどころに文字が刻まれています。

 バチが当たらないよう、これも修行と黙々と歩かなければなりません。

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 昨年の夏休みに山形を訪れた際、酒田市の土門拳美術館に立ち寄りました。

 写真家・土門拳は室生寺の五重塔をこよなく愛したそうです。

 創建は平安初期で国宝。是非見たいと思っていたのです。

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 高さは16.1mで、屋外にある五重塔では日本最小です。

 屋根は檜皮で葺かれ、一層目と、五層目の大きさがあまり変わらないのも珍しいプロポーションです。

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 屋根の勾配が極めて浅く、軒の深さがより強調されています。

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 また漆喰の壁と、軒を持ち出すための組物の朱色が、森の緑にとても映えていました。

 弘法大使が開いた高野山は、厳しく女人を禁制しました。

 そんな中、女性の済度をはかる道場として参詣を許したのが室生寺で、「女人高野」と呼ばれるようになりました。

 高野山が女人禁制を解除したのは明治期のこと。この男女平等の社会からは考えられないことです。

 室生寺の五重塔は、そのプロポーションといい、その色使いといい、その小ぶりさといい、極めて美しい建築です。

 私が見た五重塔の中でも、群を抜く美しさだと感じますが、これを「女性的な美しさ」以外の言葉で表現するのは難しいと思います。

 これを男女差別と言う人は居ないでしょう。

 差別など無い世の中になれば良いと思いますが、違いとは、特徴とも言えます。違いを活かし、伸ばすような生き方をしたいと思うのです。

 室生寺の五重塔は、雪景色がさらに美しいそうです。土門拳はその雪を待ち、雪景色をみて泣いたと言います。

 女の中の女。次は雪の室生を見てみたいと思うのです。

P.S.  明後日の『住人十色』ですが、以下の地域でも放送があるようなので以下にUPしておきます。

SBS(静岡放送) 毎週日曜日 午前6:15~6:45
BSS(島根・鳥取地区) 毎週土曜日 午前5:00~5:30
TUY(山形・秋田) 毎週日曜日 午前6:15~6:45
ITV(愛媛・徳島) 毎週日曜日 午前12:54~13:54
MRO(石川・福井) 毎週日曜日 午前9:55~10:30
NBC(長崎・佐賀) 毎週日曜日 午後4:30~5:00
MRT(宮崎) 毎週日曜日 午後4:30~5:00

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『住人十色』放送後のたくらみ‐1319‐

 10月21日(金)14時7分に、鳥取で震度6弱の地震が発生。

 熊本地震から半年が過ぎたというニュースがあったばかりでした。

 現在、全壊2棟、半壊3棟は、家屋の強度、地盤の良さが影響しているのではというコメントがありました。

 しかし、5つの家族にとっては大変なことです。支援活動の要請があれば出来るだけ参加したいと思っています。

 鳥取は、3年前の夏休みにゆっくり回りました。

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 境港の水木しげるロード

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 草原に浮かぶ大山。

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 皆生(かいけ)温泉で食べた魚は本当に美味しかった。

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 東伯郡三朝町にある投げ入れ堂

 長男と険しい参道を登ったのですが、白壁が落ちたという報道があった倉吉町のすぐ南です。

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 そして鳥取砂丘。アリジゴクを探す旅でもありました。

 地震国日本。その厳しさと私達日本人は付き合って生きてきました。宿命は背負う他ありません。

 家族で出掛けた旅を考える時、何故かこの旅を思い出すことが多いのです。

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 山陰の、美しさ、寂しさ、切なさが心に残ったと言えば、地域の人に失礼でしょうか。

 この危機に負けず頑張って欲しいと思います。

 話は変わって告知です。今週土曜、「阿倍野の長屋」の放送があります。

 すでに『住人十色』のwebサイトで、紹介されていました。

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『住人十色』毎日放送(MBS)10月29日(土)17:00~「阿倍野の長屋」放映予定■

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 工事中からストーリー満載で、ご家族がOKしてくれたなら、取材はあるだろうなと思っていました。

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 メディアに関して「雑誌はいいけど、テレビはちょっと……」と言う方がほとんどです。

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 こちらのご家族は、もしテレビのオファーがあれば考えてみる、という感じでした。

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 実際にオファーがあってからも迷っておられたのですが「守谷さんのためなら」と一肌脱いでくれたのです。

 女性陣2人を含めて、まさに男気。

 これだけのリノベーションをさせて貰ったのですから、ご家族は勿論懸命に働いておられます。

 ご主人は整骨院を経営されており、とても繁盛しています。いつも遅くまで仕事をされているのです。

 治療に来られる患者さんの一人に、いつも前週の『住人十色』の話しをする方が居られるそうです。番組の大ファンのよう。

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 計画の途中から、ご主人と「テレビの放送が決まっても、その方には黙っておきましょうね」と、密かに企んでいたのです。

 来週あたりでも、その患者さんが治療に来られた時のことを、是非聞いてみたいと思っているのです。

 撮影現場は見に行けなかったのですが、ナビゲーターの春香クリスティーンさんも、なかなかに活躍されているタレントさんとのこと。

 その端正なルックスとは対照的な汚部屋タレントと、奥さんのやりとりが楽しみです。

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 ストーリー満載の「阿倍野の長屋」。時間のある方は是非ご覧ください。

心に感じることは間違わない‐1302‐ 

 先週末は  「松虫の長屋」『住人十色』の撮影がありました。

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 土曜、日曜とあったので、少しでも顔をだしたかったのですが、私は函館行きで現場へ行けず。

 スタッフの田辺が写真を撮ってきてくれました。

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 ディレクターをはじめ撮影チーム5名と、リポーターの女性タレントは東京からの来阪でした。

 『ビフォーアフター』の時もそうでしたが、製作の人達は番組内の「クイズ」にかなり力を入れます。

 良いクイズだとスタジオのタレントさん(今回なら松尾貴史さんと三船美佳さん)の集中力が増すのかなと、私は想像しています。

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 こちらの奥さんが「先週も豪邸でしたが、我が家で番組になるんでしょうか」と言っていました。

 しかしそれは大丈夫です。(私が担保するのも何ですが)

 撮影チームはプロ集団ですし、この番組も9年続く人気番組。撮影に来てくれるのは、番組の経験値による基準を満たしている証拠です。

 また、30分の番組を製作するのに、2日間みっちり撮影を行います。

 見方を変えれば、人気番組だから良いスポンサーが付き、しっかりと製作費が出る訳です。

 料理と同じで、素材がなければ良い番組はできません。この時点で、ほぼ勝負が決まるのではないでしょうか。

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 皆でお弁当を食べるのも、撮影現場に一体感を持たせるための手法かもしれません。

 奥さんから「とても疲れましたが、あんな経験は二度と出来ないので良かったです」とメールがありました。

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 撮影後、カメラマンを中心に遊ぶお子さん達の写真を送ってくれました。

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 夏休みの思い出になってくれれば嬉しいのです。

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 忙しい仕事の合間を縫って、撮影に参加してくれたご主人。

 笑顔の写真が送られてくるだけで、救われる気がします。

 余程恵まれた人なら別ですが、一所懸命働いていなければ、こだわりの家を建てることは出来ません。

 もし、大富豪のご子息で、働く意欲はないが、豪邸を建てて欲しいとオファーが来ても断ります。(来たことはありませんが)

 懸命に働く人の力になりたいと思うから、私達も仕事に打ち込めるのです。

 いつからか、思っていないことはやらない方が良い、と思うようになりました。

  目で見、耳で聞き、心に感じることは間違わない。

  間違うのは判断だ。

  ゲーテ

 こちらのご家族と仕事が出来たことは、本当に幸せだったと思います。