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秘伝の秘‐1714‐ 

 世が平静なら、東京オリンピックが開会していた4連休でした。

 来年はどのような休日になるのか分かりませんが、ひと月振りに休みが取れたので、飛ぶように池原ダムへ。

 連休初日はボートを牽引する車も沢山見かけます。

 言ってみれば、遠い友達のようなもの。全く知らない人ではない感じがするのです。

 現地へ到着し、準備をしているとスクリューにナナフシが。

 この茎のような体に、生きる機能が全て詰まっていることや、ここまで草木に似ることになった進化の不思議を思い、ひととき佇んでしまいます。

 七不思議のひとつだからナナフシなのか。

 どこかを目指してボートを出すのですが、川筋と川筋が合流するエリアは、通年魚が多いエリアです。

 その中でも、分かりやすい隠れ家となるところは、更に一級ポイントと言えます。

 しかし、こういったところには入れ替わり立ち代り釣り人も入ってきます。

 このくらいのサイズはいくらでも釣れるのですが、朝一番、後ろのブッシュ内でで50cm中盤を掛けました。

 細い枝にラインを引っ掛け、上下に動かしながら水面をチョンチョンたたくような釣り方を「提灯」と言ったりします。

 大型が3、4匹隠れているのが見えていたので、まさに狙い通りの展開でした。

 しかし直後の取り込みが若干遅れて、逃がしてしまいました。

 雄たけびを上げたくなるくらい悔しいのですが、腕の問題なので仕方ありません。

 その後、川筋を変えて最上流部まで移動。

 魚を探していると、水面に隠れていた立ち木が急に目に入りました。

 エレキで急旋回すると、バランスを保ち切れずに落水!

 誰にも見られていないかキョロキョロするのは人の性。

 幸い近くには誰も居らず。水温は26℃もあったので、全く寒くはありませんでした。

 予定外の初泳ぎを済ませてしまいました。

 更に川筋を変えて、坂本筋の突き当りまで。

 池原ダムの上流に位置する坂本ダムです。

 10kmくらい遡るのでかなりの山奥です。

 先日、熊が泳いでいる動画がUPされていましたが、このエリアではないかと思います。

 常連の人に聞いても熊の泳ぐルートは大体同じそうで、何度か見掛けているそう。

 そんな山奥にも関わらず、川のあちこちにこのような石積みを見掛けます。

 このダムは水位の上下動が激しいので、水中に沈んでいたりもしますが、杣人か猟師がコツコツ積んだのでしょう。

 必要がなければ、このような重労働をすることはありませんから、平坦な道がどれ程価値のあるものかが分かります。

 今回はバンガローが取れたので泊まり。

 行き帰りの5時間を、楽しく過ごせるのはこの車とiPhone のお陰です。

 本当に大切な相棒ですが、やってしまいました。

 坂道を下り側へバックしているとき、ドアを開いて後ろを確認しようとした瞬間でした。

 それ程の衝撃は無かったのですが、下りて確認するとこの景色。

 車を当てた時の後悔というのは、何度経験しても……

 悔やんでいても直ることはないので、保険会社とディーラーに連絡をとり、修理の段取りをしました。

 最終日の午前中も、ロングワームを湖岸の岩にのせてから「ポチャン」と落とす釣り方で、50cm後半を掛けました。

 ポチャンと落ちた瞬間、フワッと寄ってきてパクッ。ルアーをくわえて反転しました。

 確実にフックアップした、つもりでしたが3回程大きく首を振った瞬間フックが外れました。

 50cm中盤をばらし。

 落水してカメラが水没。

 愛車のドアを大きく破損。

 そして50cm代後半をばらし。

 「なんてついてないのか」とは思わないようにしています。

 ここに来る道中、iPhoneでよく聞いているものに、尊敬している京セラ名誉会長の稲盛さんの講話があります。「これは秘伝の秘です」と言われた話を要約してみます。

 仏教では輪廻転生を繰り返すと言います。現世しか信じないと言う人はそれでも結構です。

 思念は業をつくる。

(業は、因=カルマとも言われ、物事の原因となるもの:守谷注)

 業が運命を決めて行くのですが、思ったこと、実行したことが業をつくります。

 そして、その業は必ず現れなければなりません。

 現世にせよ、過去世にせよ。できた業は必ず現れわれなければならないのです。

 人間には躓きがあります。

 現世の今を生きているあなたには関係のない、過去世につくられた業があらわれることがあるかもしれません。

 それを災難と言うのですが、災難に遭った時に人の価値がきまるのです。

 その時の身の処し方ができていないと、更に事態が悪化して行きます。

 これは秘伝の秘です。

 そういった時に喜ぶのです。

 何故喜ぶか。それは業が消えるからです。過去に作った業、現世に作った業が消える。つまり済になるのです。

 大病を病んだとすれば「ああ命があるだけでも良かった」と喜ぶのです。

 良いように解釈していく、ポジティブに考えるのです。

 運命はあります。しかし宿命ではない。

 現世において新しい良い業をつくって行くのです。

 何を信じるかは自由ですし、信じない自由もあります。

 しかし人生においての結果が明らかに違う人で、人間性も素晴らしいと思った人で、ネガティブな人は見たことがありません。

 波風のない、鏡のような水面を見ていると、何と美しいものかと思います。

 しかし現実は、風も吹けば波も立ちます。また、平坦な道ばかりでなく急な坂もあります。

 人生、仕事を「何があってもポジティブシンキングゲーム」と考えれば、災難もまたよしです。生きていることは必須条件になりますが。

 前世や来世があるのかは、私も分かりません。しかし、あるのかもと考えた方が、2倍、3倍と頑張りがきく気はします。

 誰かが私の魂を引き継いでくれるとすれば、悪い業をつくるのは絶対嫌です。良い業だけを引き継いで貰いたい。そう思います。

 

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
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■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
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「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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