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アランの幸福論‐1770‐

 今年の冬は寒いのかなと思っていたら、暖かい日が続きます。

 土曜、日曜は10℃を大きく上回り、日差しも春を感じさせるものでした。 

 近鉄奈良線から見る生駒山の緑も、若干鮮やかさが戻ってきた感があります。

 と思っていたら、庭木の梅もポツポツと花が開き始めました。

 しかし現場打合せはほぼ外部なので、クライアントには「寒さ対策だけは万全でお願いします」と伝えています。

 打合せ前に現場を見て回っていると、ちょうど休憩時間に入ったようで、棟梁がコーヒーを煎れてくれました。

 私が写真を撮ると「前にも一度コーヒーの写真が上がってましたよね」と。

 この現場もいずれ公開する予定ですが、現場の活気や面白さを伝えるのも私の仕事かなと思い、勝手に使命感に燃えているのです。 

 「コンクリート打放し H型プランの平屋」からの移動でしたが、こちらの現場は左官職人が下地調整をしているところでした。

 年末にコンクリートを打設しました。

 すぐに硬化が始まるので、その前に形を整えなければなりません。

 左官職人はその際も、八面六臂の活躍です。

 面積が広い部分ならトンボを使うのです。

 コンクリートの半生感は、現場に居る人間だけが目にするものだと思います。

 YouTuberになりたい訳ではありませんが、この動画は是非観て欲しいと思いUPしました。

 左官仕事は、生ものを扱うという意味において、極めて料理に似ています。

 

 ミキサーでコンクリートを練る様子は、お菓子の生地を作っているのとほぼ同じ。

 仕上げている様は、まさにパティシエのそれ。

 硬化した後の硬さだけは全く違いますが。

 玄関ドアの原寸模型があったり。

 モルタルの色サンプルがあったりと、現場はエンターテイメント空間なのです。

 産経新聞に日本画の大家、平山郁夫さんを紹介している記事がありました。そのタイトル部に、以下の言葉がありました。

 人間は意欲すること、そして創造することによってのみ幸福である。
-アラン- 哲学者

 もし粗相があってはと、クライアントへは冗談半分に以下のようなことを伝えます。

 「まさか勉強大好きという人達ばかりが現場に集まる訳ではないので、多少は荒っぽい人も……」

 体を動かす方が得意という人達が多いのは間違いありませんし、稼ぎが良いからという人達も居るでしょう。

 しかしアランの言葉の通り、何かを創り上げていくことは根源的な歓びなのです。

 こちらの左官職人チームは、いつ見ても穏やかに、よどみなく仕事をしてくれています。

 物創りに歓びを感じられる人と仕事をしたいですし、そういう人達と本気で取り組めば、良い仕事にならないはずがありません。

 「お金は好きだけど仕事は嫌い」

 こういう輩は、間違っても私の現場に入って貰っては困りますし、実際追い出したこともあります。

 むしろ、荒っぽいのは私だったかもしれません(笑)

 平山郁夫さんは広島で被爆していたと初めて知りました。

 実際、その後遺症が徐々に体をむしばんでいったともありましたが、自身が愛したシルクロードを守る活動を続けながら、あの穏やかな画を描き続けたのです。

 人はどこまで強くなれるのだろうかと思います。

 「幸福論」で知られるフランスの哲学者アランの言葉は、これまでにも紹介したことがあります。
 

 悲観主義は気分によるもの、楽観主義は意思によるもの。

 気分に左右されず、強い意思をもって、真っすぐな物創りをしなさいと、先人達は行動を持って導いてくれるのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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