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フラーとジョブズ、ここに繋がる‐1981‐

2005年の6月12日、スティーブ・ジョブズはスタンフォード大学で卒業祝賀スピーチをしました。

世に言う、ジョブズの感動スピーチです。

その場面も取り上げられていた番組を観ました。

気になっていながら観れていなかったのです。

番組は、バックミンスター・フラーとスティーブ・ジョブズの2人に焦点をあてています。

バックミンスター・フラーは建築史の教科書にもでてくる建築家ですが、ここでは思想家として紹介されていました。

1953年にフラーが発表したジオデシック・ドームは、三角形や多角形を組み合わせ、安価に巨大なドーム空間を構築する発明です。

1967年、モントリオール万博でのアメリカ館が有名ですが、富士山頂にあった観測所にも用いられてたと知りました。

フラーは、資源は有限であり、それを有効に使うべきだという概念を「宇宙船地球号」という言葉で表現します。

ただ、多くの発明があったにもかかわらず実現したものは僅かで、ユートピア主義者というレッテルが貼られたのです。

しかし、その思想は若者のヒッピー文化に大きな影響を与えました。

ジョブズがスピーチを締めくくった言葉はあまりにも有名です。

Stay hungry . Stay foolish. (ハングリーであれ 愚かであれ)

この言葉は、『ホール・アース・カタログ』という書物から引用されました。

ジョブスは、「グーグルのペーパーバック版とも言うべきもの」と表現していますが、この最終号の背表紙にあった言葉です。

『ホール・アース・カタログ』は、編集者、ゲーム・デザイナーであるスチュアート・ブランドによって1968年に創刊されています。

そのブランドは、ヒッピー思想を背景に、バックミンスター・フラーに強く影響を受けていたのです。

「世界を変えた愚か者」というタイトルがここで繋がり、心がザワザワしました。

ジョブズはスピーチの後半、癌によって余命3~6ヵ月と宣告されていることを語ります。

それは7年となりましたが、2011年に56歳で没するのです。

17歳の時、ジョブズはこんな言葉をどこかで読んだと語っています。

これが人生最後の日と思って生きるようにしよう

連日の報道で、トルコ・シリアでは地震により多くの人が亡くなっていると伝わってきます。

資源も命も有限です。

私も自らにそう問いながら生きたいと思います。素晴らしい番組でした。

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載

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