休耕田なのか、菜の花が満開でした。
街中に広がる黄色いじゅうたんです。
関西が生んだ巨匠、司馬遼太郎。
彼がこの野花をこよなく愛したのも、分かる気がしてくるのです。
ゴシック建築の傑作。ノートルダム寺院の尖塔が焼け落ちる映像は、ショッキングなものでした。
初めての海外行きにフランスを選んだのは、やはり憧れの存在だったからです。
1995年、24歳の時ですが、1社目をクビになると失業手当がでました。それを元手に海外へ行こうと思いたちます。
ル・コルビュジエ設計、ロンシャンの礼拝堂を是非見たかったのです。
沈黙がうなるとでも表現したくなる、あの空間を今でも忘れることはありません。
しかし、それ以上に刺激的だったのが初めて目にする海外の街でした。
パリの街は灰色にも関わらず、極めて美しいものでした。
パンをかじりながら、ただただ歩き回っていたのです。
アールヌーボーの旗手、ギマールのガラス屋根に感激。
ルーブルにも足繁く通いました。
そして、I・M・ペイのガラスのピラミッドに対峙したのです。
「漂えど沈まず」それがパリなのです。
当時は、近代、現代のアートへの興味が9割で、ノートルダム寺院の写真は1枚しか残っていませんでした。
その一枚が尖塔を横から見たもの。
もう四半世紀前のことで、その時の気持ちを覚えていないのですが、極めて美しい写真です。
24歳の私も心動かしたのでしょう。
この繊細な木細工に火が付いたなら防ぎようはないと思います。
反対の言い方をすれば、火災を防ぐことを第一に考えればこの尖塔は存在しません。
火災は人の命を奪う可能性があります。
よって、最大限の予防をする必要がありますが、現行法規の下なら、ノートルダムの尖塔も、ミラノのドゥオモも、法隆寺も存在しなかったと思います。
美とは通常ではないからこそ美なのです。
フランス国民は、悲哀にくれていると思います。
形あるモノは必ず壊れます。しかし、人が望めばモノは必ず再現できます。
自由・平等・博愛を表すというトリコロール。
建築家・白井晟一は「青は希望の色」と言いました。
希望を持ち、いつまでも憧れのパリであって欲しいと思うのです。
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【News】
■『houzz』4月15日の特集記事 に
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
■「トレジャーキッズたかどの保育園」が
地域情報サイトに掲載されました
■大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
■ 『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「回遊できる家」掲載
■『homify』6月29日に「回遊できる家」掲載