4月の2週目、久し振りに六甲アイランドへ行く用事がありました。
学生時代は、甲南大学のスキー部にお世話になっていたこともあり、かなり頻繁に訪れていました。
体育会用のトレーニングジムがあったのです。
六甲ライナーで来たのは初めてかもしれません。
浅瀬をみつけると魚を探してしまうのは釣りキチの性。
実際にボラが群れていたのですが、なぜかワクワクするものなのです。
アイランドセンター駅周辺は、巨大な建物が集まっていました。
中央にアトリウムを備えている建物が多かったのも面白いところ。
丸い天窓を切っているところまで同じでした。
本家本元と言えば、ローマのパンテオン神殿です。
ローマと言えばコロッセウムがアイコンと言えます。
しかしパンテオンは見逃せません。
直径9mの天窓から、日の光が差すさまは圧巻です。
約2000年前にこの天窓を実現したことに驚かされるのです。
駅の少し北に建つ「アジア・ワン・センター(1993年)」は竹中工務店の設計施工。
この建物を見ると「香港上海銀行ビル(1986年)」を思い出します。
香港は2019年の10月に訪れました。
「サー」の称号も持つノーマン・フォスター設計です。
ビクトリア・ピークから見る100万ドルの夜景。
その中でもひときわ目立つのが、I・M・ペイ設計の「中國銀行ビル(1990年)」。
その近くにひっそりとたたずんでいるの が「香港上海銀行ビル」。
写真の左下に写っています。
ザハ・ハディド設計の「香港理工大学(2014年)」も必見。
もう建築パビリオンのような街でした。
ただ、香港の本当の魅力は街歩きだと思います。
そして食べ物。
まずは「鹿鳴春」の北京ダック。
そして、ブルース・リーの主演映画「死亡遊戯」の舞台にもなった南北樓(ナンペイロウ)のエビチリ。
もうどちらも絶品でした。
今も、あの肉厚のエビの触感と甘辛さが舌に蘇ってきます。
バックパッカーのバイブル、沢木耕太郎の「深夜特急」ファンの私としては、香港はどうしても訪れたい街でした。
しかし、犯罪容疑者の中国本土へ引き渡しを認める「逃亡犯条例」に対する抗議活動が、この年の7月頃から激しくなってきました。
海外への旅で、無用に危険を冒すことは愚の骨頂ですが、もしかすると最後のタイミングかもと思ったのも事実です。
それが戦争までが実際に起こってしまうとは……
「芸術とは、人の心を動かすことができるもの」という定義を信じています。
美しいものを見たり、人は全く違うと感じたり。反対に、人は本当に違わないと感じたり。
そういった体感が、人の心を育てるのだと思っています。
人も、物も、体感も、自由に行き来できる世の中に、本当に早く戻って欲しい。
ひとりの旅好きとして、切に願うのです。
■■■ 『ESSE-online』にコラム連載■■■
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」
■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設
■■■1月6日『Best of Houzz 2022』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞■