カテゴリー別アーカイブ: 07 食

水風土があう‐1721‐

 月曜日から続く、同級生のセカンドハウス訪問です。

 前日、最も早く寝てしまったので、朝は私が一番です。

 野辺山高原の朝は涼しく、小鳥のさえずりの中をジョギングにでました。

 走っていると、急に森が開けます。

 開拓記念碑とあるので、もとは森林だったようですが、大部分は畑となっていました。

 レタスのようです。まさに高原野菜。

 トラクターが作業をしていたので近づくと、農薬をまいているようでした。

 使用しないのが理想ですが、売り物である以上仕方ないのかもしれません。
 
 できる限り少なくして欲しいものですが、高原は非常に虫が少なく、そんなメリットがあるのかもしれません。

 標高1400mは涼しいのですが、太陽に近い感覚もあります。

 存分に太陽光を浴びたレタスは、瑞々しく、シャキッとしてみえるのです。

 沢山ある畑では、時間差で育てられているようでした。

 常に食卓に並ぶので当たり前と言えば当たり前ですが。

 昨日の新聞にも、長雨の影響でレタスが高騰し900円台という記事もありました。

 安いに越したことはありませんが、手間暇かけて育てられ、日本全国に届けられる訳なので、そんな時もあるでしょう。

 1万円と言われれば手がでませんが、普段の4倍感謝しながら食べるべきかもしれません。

 牛乳も地元のもの。

 パッケージを見るだけで美味しそうです。

 今回は立派なキッチンがあるので、料理モードは常にオン。

 地元の柔らかそうなサニーレタスがあったので、スペシャルサンドウィッチ2種盛りです。

 車での旅なら、必ずマイ調理キットを持って行きます。

 旅先での朝食は重要です。忙しない日々の暮らしと、一番違うのはここかもしれません。

 近くにある八ヶ岳音楽堂は、建築家・吉村順三の傑作と聞き、立ち寄ってきました。

 残念ながらリハーサル中で入ることができず。次回の楽しみにとっておきます。

 昼過ぎ、滞在のお礼をして帰路につきました。

 私の人生は、建築、野外、旅の三本立てだと書きました。旅の魅力は、見る、食べる、感じるです。

 高価なものでなくても、その土地や風土が育んだ味は心に残るもの。

 バンコクのパッタイ(焼きそば)、ホーチミンのフォー、ミラノのジェラート、パリのフランスパン、香港のエビチリと、風景や匂いと共に蘇ってくる味が沢山あるのです。

 今回食べたレタスは、実は同級生のお姉さんが生産したものでした。

 スキーに訪れていた縁で、レタス農家に嫁いだそうです。彼がこの地にセカンドハウスを構えるに至ったことにも影響を与えているはずです。

 「水があう」という表現がありますが、これは食も含まれているでしょう。

 風土という言葉もあるので、「風と土があう」まで満足すれば、そこは理想郷かもしれません。

 土地探しをしているクライアントに、「響くかどうかが一番大切」と伝えてきました。

 「響く」を分解して行くと、水、風、土という要素がかなり大きいのではと考え始めています。

 旅に出て感じる。だから旅は止められないのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

清滝街道をゆく‐1712‐

 昨日は久し振りに晴れの日曜日になりました。

 奄美地方の梅雨明け宣言もでて、長かった今年の梅雨も間もなく終わりでしょうか。

 初めての敷地を見るために車で出掛けたのですが、朝9時半で気温32℃。

 暑い一日になりました。なかなかホットな燃費も下に見えていますが。

 近畿道、第二京阪と乗り継ぎ、国道163号線を東に走ります。

 ボーリング場があったり、カラオケ喫茶の看板を見掛けたりと、昔ながらの街道沿いの風景です。

 生駒山地を越える街道はいくつかありますが、清滝街道が最北とのこと。

 よって、道は比較的なだらか。現代とは全く違うレベルで重宝されたはずです。

 分かり難いのですが、左の擁壁上に見えるのが旧街道だと思います。これは日本の大動脈だった東海道でも良く見る景色。

 旧街道の横を掘り下げて、現在の街道として整備してあるのです。

 最後はトンネルを抜けて生駒盆地に。

 少し走ると田園風景へと変わりました。

 面白い地名ですが、カタカナの意味するところは何なのでしょう。

 古い日本家屋を横目に見ながら更に東へ。

 清流とは言えないまでも、せせらぎをみるだけで目に涼やかです。

 感覚的にですが、ホタルがでるのかでないのか、丁度境目あたりでしょうか。

 生駒盆地の東端にさしかかりました。

 先程見えていた「この先狭い」という道路標識の通りになってきます。

 「もしやこれは険道か」と訝りましたが、何とか学研都市へと抜けることが出来ました。

 この峠を越えると京都府。

 小一時間掛けた小旅行の後、現地に到着したのです。

 司馬遼太郎さんが最晩年まで執筆していた紀行文が「街道をゆく」です。

 海外編もいくつかありますが、文豪が最後まで描きたかったものが、日本の街道だということが少しだけ分かる気がします。

 立ち止まってみる景色は言ってみれば静止画。しかし街道をゆきながらみる連続した景色はMOVIE。

 歴史や風土を語りかけてくるかのようです。

 「家族で47都道府県制覇」を達成した後に掲げた旅のテーマは「家族で世界遺産制覇」

 しかし、高校に、中学になろうかという兄妹は全く乗ってこず。

 それなら「ひとり街道をゆく」でもいいかなと思っていたのです。

 最後は、甘いもの情報です。

 打合せ終わりで、学研都市の中心部にある「ル・パティシエヤマダ」に寄りました。

 一度お土産に頂いたのですが、本当に美味しかった。

 フワッとした生地感が写真でも伝わってきます。

 人の目は何と繊細なのでしょう(笑)

 「甘すぎない」という常套句が霞んでしまうくらい、甘すぎず、美味しいのです。

 普段、どれだけ働いても褒めてくれない娘も、歓喜の声を上げて感謝してくれました。

 千円のロールケーキがこれ程安いと思えることはあまりないのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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毎回、食事は真剣‐1707‐

 明日からは雨が続くようで、今のうちにと現場を回ってきました。

 商店街の入口に昔ながらの八百屋さんを見掛けました。

 こちらの商店街もシャッターが目立ちますが、奮闘しているお店もちらほら見えます。

 左に見えるバケツはおつり入れでしょうか。

 ゴムで伸びるザルからおつりを取り出し、新聞紙を巻いてくれる風景もすっかり見なくなりました。

 手書きの値札に、発泡スチロールの陳列台。

 これなら、季節季節の変化もた易いでしょう。

 イチジクの甘い香りに誘われて、近所の畑をのぞいてみます。

 カボチャの黄色い花が咲いています。

 実は葉に隠れて上手く撮れず。

 トウモロコシ。

 ナスビ。

 そしてトマト。

 まだ熟していませんでしたが、夏野菜が勢ぞろいです。

 夏野菜、何とも美味しそうな響きなのです。

 2004年に亡くなっった、作家・水上勉の「土を喰う日々-わが精進十二カ月」は、食に関する珠玉のエッセイです。

 軽井沢での四季の食卓を綴ったものですが、その暮らしぶりには、幼い頃を過ごした禅寺で経験が生かされています。

 貧しかった家庭の事情で、京都の禅寺に預けられたのですが、寺の畑には何もないような寒い時期、来客に食事を準備する場面で、師にこう教えられます。

 「ご馳走とは、旬の素材を探し、馳せ走ってもてなすことだ」

 料理であれ、仕事であれ、全ては心の所産です。

 気持ちの入ったハードワークの先に、悪い結果など出るはずがないのです。

 ある女性クライアントのお母さまが、「下の娘は、仕事が終わると『今日のご飯は何?』と必ずメールしてくるのよ」と笑いながら教えてくれたことがあります。

 こちらの女性、クラッシックバレエのダンサーで、ロシアへの留学経験もある方。

 「毎回、食事は真剣ですから」と言われていました。

 その気持ち、よく分かります。

 出来る限り体を動かすようにはしていますが、それでもバレエダンサーと比べると雲泥の差。

 それで、月水金は出来る限り粗食にし、火木土日を「食べて、飲んで良い日」にするというシステムを思いつきました。

 打合せの関係もあるので完全ではありませんが、15年位は概ねのようなリズムとしています。

 今日は木曜日。

 妻からタイの昆布じめとトンカツだと聞いています。聞いているということは、私にとっても「毎回、食事は真剣」なのです。

 冷えたビールと美味しい肴。適温のキャンティとカマンベールチーズが少しあれば、そこは私にとっての天国。

 今日はもうそんな口になってしまったので、そろそろ上がることにします。

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■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
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見える景色が変わるから‐1698‐

 6月は旧暦で言えば水無月。

 「水はありすぎるけど」となるのは、旧暦と1ヵ月程の誤差があるためです。

 しかし、7月や8月を「水無月」と呼ぶよりは良い気がします。やはり何でも後回しよりは前倒しですから。

 新型肺炎の影響で銀行業務が縮小されたり、メーカーからの見積り提出が遅れたりで、着工が遅れ気味のプロジェクトもいくつあります。

 その中で、契約工期の前に完成しそうな「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」

 ようやく足場が外れたので、良ければ「現場日記」ものぞいてみて下さい。

 出掛けるのは現場行きとジョギングくらいで、その道程だけが外界を目にする機会でした。

 この古墳にはいつも目が行きます。

 年配の方が写真を撮っているなと思ったら、菖蒲が花をつけだしていました。

 県外移動自粛も今日から解除。これまでの分まで「お出掛け」したいものです。

 どうしても食事の写真に頼ってしまったこの期間。

 締めくくりは関西のソウルフード、お好み焼きです。

 意外にも、一番人気はモダン焼きでした。

 私はソバを炒める派。

 「カリカリで美味しい!」と子供達もなかなかの食べっぷりでした。

 ネギ焼きは製作途中の写真のみ。

 焼きながらなので写真はどうしても……自慢のネギ焼きはまたの機会に紹介します。

 長男も今日から授業が始まるので、早起きして降りてきました。この期間で一番カリカリ来ていたのが、長男の朝が遅いことでした。

 勉強云々より早起きする習慣を保つことのほうが、学校の価値は高いかもしれないとさえ思った程です。

 玄関を出る前にバタバタしているので聞くと「定期が見当たらない」と。

 「後回しにする人で、立派な人を見たことがないといつも言ってるだろう」とまたカリカリ来ていると定期が出てきて、妻が送って行きました。

 一本早めの電車に乗っているので、それでも友人との待ち合わせには間に合うとのこと。「よく分かってるじゃない」と、怒ったり褒めてみたり。

 高校時代、数学の先生が「一本早い電車で登校してみなさい。見える景色が変わるから」と言っていました。

 ギリギリ間に合ったことを自慢する方が多数派で(勿論私も!)、この意味が分かっている生徒は少なかったと思います。

 人は機械ではないので、スケジュールがタイトになればなる程、良い習慣なら崩してはならないと思います。

 朝のジョギング中、問題解決のヒントや、プランのキーになるアイデアが浮かんだことが何度あったことか……

 その数学の先生は、確か実家に戻りお寺を継がれたはずです。

 「君オリジナルの考え方で解いてもいいんだよ。ただ、それならこの解き方が正しい事から証明しないといけないね」とも言っていました。

 学生時代は言う事も聞かず、反発もしていましたが、全て先生の言われた通りで、それを伝えても受け入れてくれないところまで一緒です。

 この世は輪廻転生。

 お詫びの気持ちと、感謝の気持ちを、今ならお伝えしてみたいと思うのです。

A photograph is wonderful.
2014年11月 滋賀/石山寺

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風向き変わる‐1696‐

 例えば車で出掛けるとして、目的地に向かうルートは無限にあります。

 ①ナビが勧めてくるルート、②自分が一番早いと思うルート、③走っていて気持ちのよいルート。

 大きく分けると、この三択くらいでしょうか。

 土手上や、阪神高速湾岸線あたりが私にとっての③にあたります。

 少し車を停めてみました。

 何の穂でしょうか。

 風が吹くと緩やかにしなり、目に風を感じさせてくれます。

 風がこれ程心地よいものかと、ひと時立ち尽くしてしまうのです。

 今年から中学生となった娘ですが、今日が初登校でした。

 短縮された入学式から1ヵ月半。多くの新入生と同様、沢山の不安を抱えていたと思いますが、何とかここまできました。

 この非常事態宣言中、大阪だけが唯一エンゲル係数が上がったという記事を見たような……

 「勤勉」「質素」「人のために尽くす」は百田尚樹さんの『海賊と呼ばれた男』に出てきた言葉。

 我が家も質素を旨としていますが、日曜日の夕食だけはちょっと別枠です。

 唯一子供と一緒に食べる食事で、何とか盛り上げていかなければなりません。

 家焼肉、しゃぶしゃぶ、野外焼肉、そして手巻き寿司。

 手巻き寿司は、ウニこそ不評でしたが肉巻きは長男に好評でした。

 バラ肉をちょっと炒めて、アサツキとポン酢で。

 そのまま食べても美味しいので、巻いても美味しいに決まっているのですが。

 そろろそネタが切れてきたので、子供に聞くと「タコパ!」と。

 その手がありました。

 これなら若干エンゲル係数を引き下げてくれるかもしれません。

 大阪人たるもの、タコ焼きくらい上手にクルクルできなければモグリと疑われます。

 皆腕を上げてきました。

 「ブタ焼き」なるメニューも考えてみました。

 目的にたどり着くルートは無限にあると書きました。

 反対の言い方をすれば、目的さえ決めてしまえば、達成したも同じです。

 知恵を絞りながら、そこに向かって手を打ち続けることができるからです。

 バブル崩壊後の不況、消費税UPを2回、リーマンショックを経験しましたが、幸いにも私自身が不況と感じたことはありませんでした。

 しかし、アフターコロナと言われる時代も、同じようにオファーがあるという保証はありません。

 しかしこの仕事で生き、スタッフの雇用を守りたいなら、そう決める他ありません。目的さえ決まれば、ルートは無限にあるはずなのです。

 風薫る五月。

 ここ数日の動向を見ていると、薫風が全てを吹き飛ばしてくれるかもと、期待せずには居れません。

 世間に吹く風は、確実に向きが変わったと思うのです。

A photograph is wonderful.

2012年5月 石川/千里浜なぎさドライブウェイ

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ほんとの外食に‐1690‐

 緊急事態宣言は全都道府県を対象としたまま、5月末まで延長されると発表されました。

 朝の新聞に、感染拡大がゆるやかな地域では公園や図書館は開放可能とあり、娘が喜んでいました。

 しかし実際には、東京や大阪は「特定警戒都道府県」となり、この限りではないようです。本好きの娘はがっかりしているでしょう。

 それでも、大阪では新規感染者が10人台という数字を見ると幾分ほっとします。1ヵ月間の我慢の結果が確実に表れているのです。

 状況によっては、14日に部分解除もありえるともありました。

 どこの家庭もそうだと思いますが、春休み、ゴールデンウィークとどこにも行けないので、実家の屋上で再び焼肉です。

 これがほんとの外食。

 いついかなる場合でも、30分あれば野外で食事ができる準備はしてあります。

 子供達はそこまでの野外好きではないのですが、火のおこしかたくらいは教えておきたいところです。

 将来、友達同士でBBQでもするときは、何も食べなくていいから、火をおこし、準備し、焼いてあげなさいと伝えてあります。

 子供大好きのタン塩も、炭火でやけばさらにレベルアップ。

 長男は炎がでるような霜降りよりも赤身好き。なので、高い肉を買って帰ってもそれ程喜びません。

 むしろ歯ごたえのある赤身の方が好きで、意外に味が分かっているのかもしれません。

 サツマイモは2人とも大好き。

 魚介もこれまではあんまりでしたが、イカは2人とも食べるようになりました。

 子供は日々成長していくものです。

 月に何万円も食べるのですから、そうあってもらわないと困るのですが。

 私も焼きながら食べますが、基本ホストのつもりです。

 ゲストが喜んでくれればそれが一番。

 ただこの外食は、便利過ぎて限りなく内食に近い外食ですが。

 小さい時から親に連れられて海へ行き、船をだし、獲物をとって、そこでさばいて食べていました。

 学生になり、友達や後輩を連れていくと、びっくりするくらい喜んでくれるのです。

 ただ、10人も20人もの体育会の食べ盛り君たちを連れていくので、失敗は許されません。

 前日は何度も何度もシミュレーションし、準備します。

 当日は早朝から船を降ろし、沖へでます。獲物を確保したら、11時までには浜に戻っておきたいところ。

 そこからマッハで食事の準備をします。食べ盛り君達にはひとまず焼肉を食べておいてもらい、少し落ち着いてきたら、魚や貝をさばき始めます。

 刺身、唐揚げ、浜鍋など料理と言う程の物ではありませんが、そこは食材と景色がカバーしてくれるのです。

 日が暮れるまで目一杯遊び、家に帰った時はもうクタクタで、泥のように眠ります。

 しかし、全てがイメージ通りにいった時、何とも言えない充実感があるのです。

 「誰かが心から喜んでくれた」という経験をさせて貰ったのは、とても大きかったかもしれません。

 誰と、何処で、何を食べるかで、味も気分も全く違ったものになります。

 「空腹は最高のソース (Hunger is the best sauce.)」

 という諺がありますが、

 「野外は最高のレストラン(The outdoors is the best restaurant.)」

 も加えて貰えればと。英語が合っているかは分かりませんが。

 なぜこれだけ野外が好きなのか、自分でも分かりません。何せ屋内を創るのが私の仕事ですから。

 もし14日に解除され、ほんとの外食に出掛けられたらどれだけ嬉しいことでしょう。

 ひとまずもう2週間、頑張れ日本、なのです。

A photograph is wonderful.

2010年8月 福井/敦賀

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時は、よく用いるものには親切なり‐1676‐

 先週末「Ohana」のクライアントと会っていたのですが、昨日は萱島を訪ねました。

 京阪萱島駅を貫く大楠木は、萱島神社のご神木でもあります。

 改札を出ると、すぐに出汁のいい香りが鼻をくすぐるのもこの駅の特徴。

 設計時、早く着いた時には思わず暖簾をくぐったものです。12年程前の話ですが。

 着いてすぐ、斜め45度から1枚撮りました。この角度が、環境をよく表しています。

 ご実家の一部を切り取って敷地としたのですが、連続するH鋼は、母屋への通風を確保しながら、外部スタジオを捻出しています。

 「35本とは流石に縁起の良い数字を選んでますね」と、お客さんに言って貰ってそう。

 意図したものでは無かったのですが。

 中央のオリーブは、残念ながら2018年9月の台風21号で倒れてしまいました。

 2年が経ち、小さな芽が増えていました。

 1階のレセプションでご夫妻と3時間程話をしていました。

 いつも「とても居心地がいい」と言ってくれるのですが、この季節は南面する窓が最も活きる時期。

 日のあるうちに2階の撮影スタジオものぞいてきました。

 磨き上げられた床に観葉植物。

 大切にされているのが伝わってくるのです。

 2階の大開口から南を眺めると、周辺の買収が進んでいることが良く分かります。

 隣接する府道の拡張が決定したのです。

 背景となる壁に通常窓は設けませんが、北側にL字の開口を切りました。

 自然光を積極的に取り入れることを試みたのです。

 その縦スリットから北の萱島駅方向をのぞきます。

 建物中央に向かって道路境界が迫っています。第1期の買収で残っているのはこの建物だけになりました。

 2009年秋に駅前店から移転し、写真スタジオの新たな可能性を探ったのがかやしま写真スタジオOhanaです。

 地域の人達に認識して貰い、建築費を回収し、さあこれからという時で、「はたと困った」というのが本音でした。

 しかし新敷地がほぼ決まったこのタイミングで、本格的な打合せも始動しました。

 新敷地から現Ohanaを見返してみます。

 初めて計画地に立った時、私の全てのセンサーが全方位に向けて全開になるのです。

 ご夫妻での打合せ後、クライアントとはこんな所へ行くことになります。

 そして、こうなって。

 こうなります。

 酔わなければ話せない間柄ではありませんが、ビールと共に更に夢は膨むものです。

 ある現場からの帰り道、現場監督がこんなことを言っていました。

 「早く帰ろう、1つでも手間を減らそうとする職人が居るけど、そんなに急いで帰って何をするんですかね」

 少しでも遅く帰りたいという訳ではありませんが、同感です。

 時は、よく用いるものには親切なり

-ショウペンハウワー

 19世紀のドイツ人哲学者の言葉ですが、人にしても、物にしても、お金にしても、乱暴で、自分勝手な人を好きになる理由がありません。

 また、同時代を生きた鉄血宰相、ビスマルクはこうも言っています。

 青年にすすめたいことは、ただ三語につきる。すなわち働け、もっと働け、あくまで働け。

 初めて読んだ時は笑ってしまいました。

 ゲルマン魂が、こんな言葉をはかせるのでしょうか。

 気が付けばこんな時間になっていました。

 春は色々なことが動き出す時です。青年と同様、私に出来ることは働くことだけです。

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変わるOSAKA、変わらない大阪スタイル‐1635‐

 先日、ミナミへ出たついでに少し歩いてきました。

 天王寺が一番近い繁華街ですが、ミナミも電車で30分圏内です。

 キタも同じようなものですが、ミナミに対してはどこかで「我が街」と思っているところがあります。

 千日前商店街を北へ向かって歩くと、東西に流れる道頓堀川にぶつかります。

 訪日観光客数が、ついに東京を抜いてトップになったという記事を目にしました。

 確かに10年前では考えられない程、外国人が歩いています。

 考えてみれば、大阪ほど安上がりで楽しめる街はそうないかもしれません。

 いくら観光客相手とはいえ、たこ焼きが千円することはないでしょう。

 火災の後、特例で以前の街並みを再現した法善寺横丁も、苔むした水不動尊も、海外の人からみるとエキゾチックな風景だと思います。

 千日前商店街を北に向かって歩いていると、凄い行列がありました。

 ざっと見た感じで100人レベル。

 お好み焼きの「美津の(みづの)」でした。

 2010年の11月に妻の友人が来阪した際に訪れました。

 「確かに美味しかったもんな」と思い出していたのです。

 名物の山芋焼き。

 いくら人気店と言っても、お好み焼きなので1万円することはないでしょう。

 渦巻きお好み焼き、焼きそばといずれも絶品でしたが、この様子では当分無理かもしれません。

 そのまま「美津の」を通り過ぎ、道頓堀商店街まで出てきました。

 ここはいつも通りの賑わいです。

 少し目線を上に上げると、地味な遊園地より余程カラフルで刺激的。

 このSNS時代。大阪の価値はさらに上がったのかもしれません。

 もう至る所がインスタ映えですから。

 ビリケンさんのようにも見えますが、ここに居て問題があるのか、ないのか……

 「くいだおれ」という店は無くなったが「くいだおれ太郎」は健在という、この商魂たくましい街が大阪なのです。

 2010年11月に、道頓堀を歩いた時の写真がありました。

 「ずぼらや」の看板が写っていますが、9年でここまで変わりました。大阪はOSAKAとなったのです。

 写っている子供達がまもなく高校生ですから、おかしくはないかもしれませんが。

 大阪が人気観光都市になった理由として「人が温かい」「コミュニケーション好き(おせっかい)」というものがあります。

 勿論他の都市と比べればそれも大きいでしょう。

 旅行者にとって、「泊まる」と「食べる」は必須です。

 「泊まる」の質を上げようと思えば、高級ホテルに泊まれば良いのですが、「食べる」は少し工夫すれば大したお金を使わなくても、かなり満足できます。

 特に大阪においては。

 そう考えれば「食い倒れの街」に、観光客がこれまで少なかったことのほうが問題なのかもしれません。

 大阪が人気観光都市になったのは、「掛かった費用<満足度」この数式が成り立つからに他なりません。

 そう考えると、仕事のスタイルは大阪スタイルで良いのだと思えてきます。

 進歩、成長は必須です。しかし原理原則が変わることはありません。

 「安くて美味い」

 これの価値を超えることは誰にもできないと、我が街が示してくれたのですから。

■■■『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載

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【News】
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

昭和な町、昭和町で昭和を考える‐1620‐

 9月9日なので「救急の日」。これは容易に想像できます。

 陰陽思想では奇数を陽とすることから、また9が極数であることから「重陽(ちょうよう)」というそうです。

 奇数が重なる日は強すぎて不吉。反対に吉。両方の解釈があるようです。さて、今日はどちらの一日だったでしょうか。

 先週金曜日、昭和町に行く用事がありました。

 あびこ筋と松虫通りの交差点に地下鉄の駅があります。

 「阿倍野の長屋」の現場に通う際、いつもこの前を通っていました。

 北西角にある「ハンバーグレストランBOSTON」。とても気になっていたのです。

 古き良き洋食屋さんといった感じで、入ってみたくなります。

 webサイトを見ると、昭和27年創業で系列店が10店舗ある老舗店でした。

 特にハンバーグが好きな訳ではありませんが、雰囲気、漂ってくる芳ばしい匂いに誘われるのです。

 隣の「大阪ヨーグルトケーキ」も同じ系列店でした。

 裏通りをのぞくと、趣のある長屋が見えました。

 登録有形文化財の「寺西家阿倍野長屋」でした。

 名前は知っていたのですが、どこにあるかは知らなかったのです。

 昭和7年の建物で築89年。

 近くには蔵を改装した蕎麦屋さんも。

 西へ向かって歩いていくと、1m程の大きな段差があります。

 その突き当りにも店舗が並びます。

 「坂の上のそばや」とは、なかなか気の利いたネーミングです。

 出汁の香りが漂ってきます。

 ハルカスまで御堂筋線で一駅。

 街遊びが好きな人にはとても住みやすい所だと思います。

 私は昭和45年生まれなので、昭和を18年、平成を30年、令和を4ヵ月生きました。

 昭和が63年と長かったので、3つの年号を生きるとは想像もしていませんでした。

 平成が30年と一番長いのですが、やはり昭和が色濃くしみ込んでいる気がします。

 昭和の香りと言いますが、それは「木の香り」であり「出汁の香り」かもしれません。

 トゲが立つかもしれない木が、むき出しで使われているのが当たり前。よって香りは立ちます。

 くたびれた畳のイグサがズボンにつくのも当たり前。ズボンという表現も、昭和でしょう。

 昭和は「自己責任の時代」だったとも言えそうです。

 令和でも、ホテルでも出汁は取ると思いますが、民宿に泊まった時、夕飯時に漂ってくるその香りにホッとするのです。

 今日は、グランフロントの サンワカンパニーでの「無料相談会」にでていました。

 パネルなども持参するので、結構な荷物になります。

 キャリーバッグも引いていたので、エレベーターを待っていると、80歳くらいの女性一行が、私の前に回り込み、先に乗ってしまいました。

 別に法律違反でもありませんし、ムッとするほどのことではありませんが、この年代の人には結構あることだと思います。

 電車に乗るときも同じで、お急ぎならお譲りしますが、子供達の見本になりましょうね、とは思います。

 若い人でも順番を守らない人はいるので、一概には言えませんが、昭和は「競争の時代」だったと言えそうです。

 戦争、敗戦を経験し、その後の高度成長期を生きたのが、昭和前半生まれの人達。良く言えばバイタリティがある。悪く言えばモラルが低い。

 ここまで書いてしまって良いのでしょうか(笑)

 しかし、決して上っ面でない競争を経験してきたのは間違いないでしょう。

 それなら順番ぐらい譲ってあげなさいということになるかもしれませんが。

 これは昭和町でなく、平野で見た看板です。何故だか私にとっての昭和は、こんな感じです。

 メンテナンスが必要な家に住み、激しい競争にさらされ、出汁の利いた食事で育った昭和の人々。

 そう書くと、果たして自分がどっぷり昭和なのか分からなくなってきました。

 人を種類に分けることはできませんが、魚の味が水に左右されるように、時代の気分に影響されるのは間違いありません。

 昭和を語るキーワードは、競争と自己責任のような気がするのです。

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【Events】
■9月15日(日) 9:00~12:00 高槻高校文化祭にて
「頼れる卒業生」による無料相談コーナーに参加

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

銀を金に変える‐1618‐

 9月に入りました。

 取材の様子はUPしましたが「非宣伝下さい」とのことで、いきなり告知です。

 『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』9月30日発売に「回遊できる家」が掲載されます。

 300円なので、書店で見かけたら手に取ってください……でなく、良ければ購入下さいませ。

 「暦の上では秋」の言葉通り、気持ちのよい朝でスタートしました。

 週末、現場から「ちょっと急ぎで……」と連絡があり、始業前に寄ってきました。

「うえだクリニック」のリニューアルオープンは9月24日(火)。現場は最終盤に入っています。

 自動ドアも取りつき、壁の下地もほぼ完成。

 リクエストは、一旦確定を出していた外壁仕上げの確認でした。

 ワンサイズ大きな塗り見本を、左官屋さんに作って貰ったので確認して欲しいと。

 外壁もサイディングなど、工業製品全盛の時代です。

 工場で製作する工業製品は、どうしてもサイズに限界があります。しかし、品質の安定感はあり、施工の難易度は低くなります。

 左官仕事は現地で練った材で仕上げるので、広く美しい壁を作れますが、手仕事ゆえ、経験や熟練度で差がでます。

 折角の手仕事なので、念の為大きな見本を作成したということでした。

 こんなやる気のある相談なら大歓迎です。監督、私とも同じ意見で右を採用しました。

 現場仕事は手仕事が多ければ多い程、良くも悪くも差がでるのです。

 先日、子供が妻へ「誕生日プレゼントは何が欲しい?」と訊ねると、「料理を作って欲しい」と答えたそうです。

 よって、兄妹作の「焼飯パーティ」となりました。

 1回目はちょっと焦がしてしまったよう。

 2回目はとても上手にできました。

 子供だけでここまで出来るようになったのかと、感慨深いものもありますが、掛け値なしにとても美味しかったのです。

 私はアウトドア専門ですが、料理は嫌いなほうではありません。

 魚をさばく、焼肉、唐揚げ、お好み焼きといったレベルですが、焼飯にはそこそこ自信を持っています。

 その理由がこの言葉。
 
「銀を金に変える」

 台湾料理龍潭(リュータン)のオーナーシェフ、程一彦(ていかずひこ)さんが、今年亡くなられました。

 Facebookで繋がった学生時代の知人が、程さんに師事していたようで、その投稿で知りました。

 彼女は奈良テレビで料理コーナーを持っていたりと、とても頑張っているようです。

 学生時代、夕方のテレビ番組に程さんが料理コーナーに出演していました。

 偶然観たのですが焼飯の日で、先の言葉を初めて聞いたのです。

 美味しいパラパラ焼飯を作る方法は、冷ましたご飯を使う、一度冷凍したものを解凍、水で流すなど、諸説聞いたことがあります。

 残り物を入れるという、不届きな話も聞いたことがあります。

 また、中華鍋を大きくあおり、直接火を当てて油分を飛ばすなどの技術も必要です。

 しかし、程さんは「卵かけごはんを炒めるだけで、パラパラ焼飯は簡単にできます」と。

 銀シャリを黄金の焼飯にするので、「銀を金に変える」なのです。

 たかが焼飯、されど焼飯。

 医食同源の言葉通り、美味しく、健康な食事をすることは、医療行為と同等です。

 子供達も上手に作れました。

 日々の食事を、こんな簡単な言葉で良くしてくれた程さんに、なんだか感謝の気持ちを伝えずには居れないのです。

 私の仕事は、白い紙に建物を描き実現すること。

 「白を黒に変える」では負けたみたいなので「紙を幸せに変える」としておこうと思います。

 建築も料理も、手仕事と愛情にこそ差が出るのです。

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■9月9日(月)14:00~17:00 サンワカンパニー
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