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100物語で物街大好き‐1637‐

今日10月31日がハロウィン。

第4木曜日などでなく、日にちで決まっているようです。

悪魔を追い払うため、あちこちにカボチャが飾られていますが、日本でもかなり定着してきた感じ。

日々が楽しくなるなら、大いに結構なことだと思います。

私が住む大阪市平野区の西隣は東住吉区。

大阪市は明治22年に東区、西区、南区、北区の4区体制でスタートしました。

中央区を別にすれば、昭和49年に東住吉区から分かれた平野区は最も新しい区のひとつ。

大阪都構想は4区案が軸のようで、100年以上かけて元に戻るというのも、何とも複雑な気分です。

東住吉区の北端に「杭全」という交差点があります。

「くまた」と読むのですが、5差路の大きな交差点で、自転車用エレベーターもあります。

関西ローカルの名物番組「探偵ナイトスクープ」でこの交差点の信号が、いかに大きいかを取り上げていました。

現在は普通の大きさになっていましたが、おそらく20年くらい前にヤンキースのセイキがレポートしていたと思います。

「松本人志、局長に就任」というニュースを見て、その映像を思い出しました。

それくらいしか観たことが無いからですが、あれだけ働き、さらに既存の名物番組に出演とは、口が裂けても忙しいだなんて言えないのです。

東住吉区のwebサイトに「東住吉区100物語」というページがありました。

区民に愛着を持ってもらうため、様々な「ものがたり」を思いのある人達が編み上げた、とあります。

これが興味深く、まず「模擬原子爆弾投下跡地之碑」に目が行きました。

原子爆弾はその威力があまりにも大きく、爆撃機の退避訓練を実戦で行ったということです。

同じ大きさの爆弾を作り49発を日本に投下。死者400名、負傷者1200名の被害があったことが、50年後の国家機密公開で分かりました。

そのうちの1発が、東住吉区の田辺に投下されていたという、ぞっとする話なのです。

「ボォーン」という音が聞こえた方向をみると、大きな木立が見えます。

行ってみると「法楽寺」というお寺でした。

住宅街に突如現れる広い境内に、立派な三重塔があります。

その脇にあるこの鐘が打たれたのでしょう。

憩いの場という趣きで、参拝者で賑わっていました。

同区には「針中野」という駅があります。

これは平安時代に設立された中野鍼灸院(なかのしんきゅういん)から来てきます。

一子相伝で43代続いており、41代が近鉄南大阪線の開通に尽力したお礼として駅名を「針中野」としたそう。

南海平野線が開通した際には、中野駅から鍼院まで7ケ所の道標が建てられ、今も残っています。

これらも「中野のはり」というページで紹介されていますが、何ともプライベートな駅だったのです。

『王将』作詞:西條八十

 吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え

村田英雄が歌う『王将』で知られる、将棋の名人坂田三吉も昭和18年からの最晩年に東住吉区に転居してきたともありました。

「東住吉区100物語」のような試みは、どの市町村のサイトにもありますが、ここまで作り込まれているのは、やはり愛情の賜物だと思います。

隣街ですが随分と好きになりました。

そう考えると、私が知らない街へ行きたいのは「知らない街⇒知っている街」としたいからかもしれません。

「将棋の駒に 賭けた命」の気持ち、私なりに分かる気がします。物は何も強要してきませんし、手を掛ければ掛ける程よくなるのですから。

こんなことを書くと寂しい人間だとお思いでしょうが、物街大好きで、結構楽しくやっているのです。

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