タグ別アーカイブ: 守谷昌紀

犯人は君だ‐1818‐

このオリンピック休暇ですが、前半は池原ダム、後半は敷地の下見でした。

新御堂筋を北端まで走ると、箕面の山々が迫ってきます。

その先に続くのが箕面有料道路。

2007年の開通ということで、この辺りにやってきたのは学生時代以来なのでしょう。

全てトンネルだとは全く知りませんでした。大阪も変わっていくものです。

休暇前半の話しに戻ります。

23日(金)の早朝、Y親子をバンガローに残し、一足先に桟橋へ向かいます。

5時頃には2人もやってきました。

この日も快晴の夏空。

小1君は初日に4本、最大35cmを手にしているので、のんびりお楽しみモードです。

なぜか常に大爆笑。

本当に仲の良い親子です。

と思っていたら、ポイントへの移動中に寝てしまいました。

ボートもバカンス仕様に変更し、お父さんには帰る準備をして貰います。

2日目も、親子とも5本ほど追加し、ミッションはコンプリート。

小1君の最大は、結局はじめに釣った35cmでした。

しかし、実際に一番大きな魚を掛けたのは、この場面。

お父さんが30cmくらいあるルアーを投げ、それにワラワラと追いてきた良型の魚を、小1君がワームで掛けました。

45cm以上は間違いなくあったと思いますが、バラしてしまいました。あのサイズを上げるにはもう少し経験が必要かもしれません。

この話から、お父さんもかなりの釣り好きと分かると思います。

実は、私に池原ダムの魅力を教えてくれたのは彼なのです。

中学生の頃から、竿とテントを持ってあちこちへ出掛けていましたが、大学生になると車と船の免許を取得して、行動範囲が広がります。

ある夏、紀伊半島をキャンプしながら回ることにしました。

その時、彼も一緒だったのですが、「池原ダムっていう、ブラックバスの聖地があるんですよ。ちょっと寄ってみませんか?」と。

1993年か、94年だったと思います。

寄った場所は、現在桟橋のあるトボトスロープあたりで、当時はこれほど立派な建物はありませんでした。

彼はスライダーという当時の定番ワームを2、3投し、すぐにバスを釣り上げたのです。

水面を割って、ジャンプする光景を今でもはっきりと覚えています。

その時、私は1匹も釣れずで、そこから小学生以来のバスフィッシング熱にとりつかれてしまいました。

あれから30年。

この道に引きずり込んだ(失礼!)彼の子供に、何とかバスを釣って貰おうというのですから、人生とは不思議なものです。

彼は大学時代のスキー部の後輩で2学年下。私が3回の時の1回です。

北海道で2、3カ月合宿して練習するのですが、本当にマイペースな後輩でした。真面目な努力家で、着実に上手くなって行きます。

数年前まで、国体への出場も続けており、私の知る中で、最もアルペンスキーで結果を出したひとりだと思います。

更に大学をでると、司法書士、行政書士、土地家屋調査士の資格を順に取得。マイペースで努力家のところは当時と全く変わりません。

今でも時々会うのは彼くらいでしょうか。

帰り際、挨拶かたがた「なぜモリヤさんは、今でもバス釣りが好きなんですか?羨ましいですね」と。

(学生時代の友人は、あだ名で「モリヤ」と呼びます。本当は「モリタニ」)

2人が帰ったら、すぐにボートを揚げようと思っていたのですが、少しだけ湖上に出ました。

数本釣ってから帰り支度を始めたのです。

なぜ?

子供にも、「なぜお父さんはそんなに釣りが好きなん?」と聞かれたこともあります。

好きに理由はないのでよく分かりません。

ただ、ここまで池原を好きにさせた犯人が「彼」であることは間違いないのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

夏の思い出、になれば‐1817‐

今日からオリンピック休暇が始まりました。

土曜日が休みなら4連休

連休中は、良い天気に恵まれそうです。

オリンピックの開会を明日に控えますが、微妙な雰囲気であることは否めません。

ただ折角の休暇。十分にケアした上で楽しみたいところです。

一路、169号線熊野街道を南下します。

先々週に続き、下北山村の池原ダムにやって来ました。

目的は知人親子のガイドです。

知人と書きましたが、大学時代の後輩でもあるY親子。

到着したのは9時頃でした。

小学1年生のお子さんはかなりの釣り好きと聞いていました。

出船の準備をする間も釣りをしたいと。

で、道具を渡すと1投目で早速釣り上げました。

35cmと、なかなかのサイズ。

1匹釣ってからの出船です。

暑いので、池原ダム最大の滝を攻めてみます。

お父さんとは、若い頃は何度もバスフィッシングに来たことがあります。

しかし池原ダムに来たのは10年振りくらいでしょうか。

お父さんの面目躍如。

39cmでした。

小1君へ私の勝手な目標は以下の通りでした。

「5本捕獲、うち1本35cm以上」

初日でほぼクリアするくらい、釣りが上手でした。

もうひとつのハードルは晩御飯。

ご飯は若干硬め。

それでも何とか甘口カレーを喜んで食べてくれました。

ハングリー・イズ・ベストソース

です。

もう一日あるので、小1君の目標を45cm以上に引き上げてみます。

今までに釣ったことがないのかなと思っていたら、1匹だけ釣ったことがあるそうです。

人生1匹目と2匹目は随分違いますが、それでも夏の思い出になればと。

もう一日ガイドします。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

昆虫の王、オニヤンマも釣れるルアー‐1814‐

1ヵ月振りに池原ダムです。

朝の景色は、一日への期待感そのもの。

朝靄のたつ景色を見るだけで気持ちが高揚してきます。

完全にパブロフの犬状態なのです。

先週はかなり雨が降っていたので、まずは備後筋のバックウォーターを調査。

しかし先行艇がありました。

台風後などもそうですが、フレッシュな水が大量に流れ込むと、そこに魚が集まってきます。

水温が30℃ですから、魚もちょっとでも涼しく新鮮な水を求める訳です。

連日の雨で、水位は満水-6.5mまで上昇。

坂本筋の最奥にあるのが坂本ダムは水位が高くなければ来れない場所。

縁起ものなので坂本ダム詣でも済ませておきました。

日が上がると、もう完全に夏の雰囲気です。

オリンピック休暇中に、友人の子供を案内することになっています。

釣り大好きの小1君は、まだブラックバスを釣ったことがないそうで、友人からこんなメールが来ました。

息子に「ブラックバス釣らしてくれるらしいで」って言ったら、「僕は信じない」って言ってました(笑)

そこは信じて貰いたい。

今回は、その本気プラクティスでした。

このくらいの魚なら、5匹は釣って貰いたいと思っています。

できれば35cm以上も見せてあげたい。

気合を入れてポイントを回りますが、意外に厳しいのです。

状況としてはスポーニングシーズン(産卵期)は最終版。

産卵を終えて活発に捕食する魚と、強い日差しに影響を受けている夏の魚も混在しています。

数だけで言えば1年で最も釣りやすい時期ですが、サイズで言えば中難度といった感じ。

更にどっちつかずになると大外しもありそう。

どうしても釣らせてたい時はライトリグです。

と準備していたら、オニヤンマが釣れました。

凄い勢いで、何とか持って帰ろうと飛び回るのです。

それが無理と分かると、本気で食べ始めたよう。


これはレインズスワンプという定番ワームですが、オニヤンマが本気で食べるくらいミミズに似ているということです。

なら魚が釣れない訳がありません。

前日、ある方がトラロープをくれました。

オニヤンマは肉食性で強い顎をもちます。スズメバチ、アブ、ヤブ蚊などを捕食するのですが、昆虫の中の食物連鎖で言えば頂点に立つ、昆虫の王なのです。

そのオニヤンマを模した虫除けグッズが売れているそうですが、模様が似ているトラロープでも十分効果があるとのこと。

強力なアゴで、ワームを食いちぎる姿を見ると、他の虫が恐れることも納得できます。

最後は、トボトスロープ近くのポイントに寄って終わりにすることにしました。

水通しの良さそうな岬回りで、かつ水深があるところをピックアップしました。

先のスワンプレインズに、立て続で2匹きました。


最後の魚が今回の最大。

ライトリグを使う時はラインが細いので、沖へ引きずり出してじっくりやり取りしました。

最近のラインにしてもリールにしてもとても性能が良いので、無理をしなければそう切られることはありません。

50cmには届きませんでしたが、2kgちかくある良い魚でした。

このくらいの魚を釣らせて上げられると良いのですが。

10日後にもう一度釣れてくれ……とリリースしました。

オスプレー(みさご)が魚と間違ってルアーをくわえているロゴを使っているルアーメーカーがありました。

ルアーは疑似餌ですが、そこにどれだけ愛情を注げるかで、結果も変わってきます。

物創りに一生を捧げた身としては、そこだけは誰にも負けないつもりです。

「人生初バスを」というお題は、これまでに一度貰いました。

何とかかんとか達成しましたが、その彼は小学6年生でした。

小1君のキャスティング技術がどのくらいか見せて貰って、最終のプランを立てようと思います。

バンガローに一泊できるとのことで、好き嫌いはすでにリサーチしました。

メニューの概ね決めました。あとはご飯が上手く炊けるか……

野外遊びに、人生の楽しみが概ね詰まっているのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

全力で、真剣に、人を好きになる。志村けん‐1813‐

昨日、新型コロナのワクチンの1回目を接種しました。

無料だという事。どのワクチンを接種するかの選択権はない事。

この2つは、接種を終えて自分事として理解できました。

接種券が届くと、すぐに近所の内科に連絡しました。

「キャンセルがでたら、15分前でも電話下さい。すぐに駆けつけますので」と妻に伝えて貰ったら、早々に繰り上げの電話があったのです。 

私の場合は、副反応らしきものは全くありませんでした。

コロナ下への社会の入口で、最もセンセーショナルだったのは、この人の死だったと思います。

志村けんさん。

享年70歳。生涯、コメディアン。

春先に放送があったのですが、一昨日ようやく観ることができました。

私は小学校の高学年で「ひょうきん族」へ移った派ですが、それまでは、もちろん「8時だヨ!全員集合」を楽しみにしていました。

「志村~!うしろ~!」に始まり、印象に残る場面が沢山あります。

髭ダンスもそのひとつ。

今観ると、これ程無国籍なショーはありません。まさに唯一無二。

志村さんは「これ名作みたいなのを常につくりたいんですよね」と語っていましたが、心に残った話が2つありました。

らしく見せるコツは何か。

僕の場合は、その人物を徹底的に好きになることだ。

好きになればこのおばあさん、例えばこういうことはしないとか。

ひとみばあさんは、実在の飲み屋のおばあさんだそうです。

もうひとつは、芸人としての後半生を一緒に過ごしたダチョウ倶楽部の3人が語った話です。

テレビでも共演する機会が多かった彼らは、舞台でのオープニングトークを任されていました。

彼らの良く知られた持ちネタで「どうぞどうぞ」があります。

ちょっと嫌なことを押し付け合うという設定で、3人がもめだします。すると、リーダーの肥後さんがまず手を上げ「いいよ俺が行くよ!」と。

負けじと寺門ジモンさんが「俺が行くよ!」と。

最後に上島さんが「じゃあ俺がやるよ!!」というと、2人が「どうぞどうぞ」と早々に譲るあのネタです。

舞台裏でオープニングトークを聞いていた志村さんは、「今日、どうぞどうぞのギャグやった?」と尋ねたそうです。

肥後さんが「最近ウケないからやらないんですよ」と答えると、「自分が飽きちゃだめなんだよ」と。

「世の中が飽きる前に自分が飽きちゃってるんだよ。真剣にやったら絶対ウケるから。あれ面白いから」と怒られたそうです。

それから3人は真剣に取り組むのですが、するとやっぱりウケるのだと語っていました。

 「人を好きになる」

 「全力で、真剣に」

友人にも知人にもコメディアンはいないので、やはり特別な才能が必要なのだと思います。それでも大切なことは、この2つだと、髭ダンスで、変なおじさんで、バカ殿は言うのです。

何と奥の深い話しかと、おもわずため息がでてしまいました。

人の命は等しく尊いものですが、亡くなった時、どれだけ惜しまれるかは、同じではありません。

それは志村さんの生き様が示す通りです。

良い人が先に亡くなるという話はあながち嘘ではないのかもしれません。

志村さんが「俺がマスクしてたら、場が盛り上がらない」と思ってとしたら。「マスクをしていたら、ホステスさんを笑わしきれない」と思ったとしたら。

ただの想像ですし、「良い人」の行動と言えないかもしれませんが、全く無い話ではない気もするのです。

ワクチンが効くのか効かないのかも私には分かりません。

コロナ下の社会で自分ができることがあるならしよう。それだけです。

もしかすると副作用で死んでしまうかもしれませんが、どうせ人は1度しか死にません。

自分のことばかり言っている人にはなりたくないなと思うのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

戦うに値する、この美しい世界‐1812‐

 土曜日の朝、八尾ICから近畿道に乗りました。

 現場へ向かうためですが、すぐに「東大阪JCTから事故渋滞」の表示が目に入りました。

 遅れるかなと思いながら八尾料金所を通過すると、すぐに出口が。

 そのまま流出して、阪神高速に乗りなおし。第二阪奈で雨上がりの奈良へ入りました。

 近畿道1km250円。高いのか、安いのか分かりませんが、間に合ったので良しとしましょう。

 「3つの庭を持つコートハウス」の打合せが終わり、次の現場へ移動します。

 こちらの現場は、完成後に現場日記を公開予定です。

 かなりダイナミックなリノベーション計画なので、楽しみにしていてください。

 どんどん天気が回復してきて、真夏のような日差しになりました。

 雨と日差し。

 植物にとって、最も好ましい季節が梅雨です。

 近所の家庭菜園でもグングン成長するのが、見ていて楽しいくらい。

 青いミニトマトも愛らしく。

 すでに熟しているものもありました。

 そう言えばOhanaの裏庭で、カメラマンの石井さんがナスビを育てていました。

 菜園をしている人にとっては当たり前なのでしょうが、茎から葉脈まで紫でびっくりしましたのです。

 よくみるとアブのような虫が。アブもミツを吸うのでしょうか。

 紫の花も極めて美しいのです。

 「この世界は美しいところであり、そのために戦うに値するものであり、そしておれは、この世界を去ることを心からいやだと思う」

 『誰がために鐘は鳴る』でアーネスト・ヘミングウェイは語りました。

 少し目をこらして見ると、世の中は美しいもので溢れています。

 そして自ら去らなくとも、命はいつか尽きます。

 日々飛び込んでくる朗報、訃報を見ながら、そんなことを考えていました。
 
 やはり、戦うに値するのが、この美しい世界。

 それは、ヘミングウェイだけでなく、誰にも等しいはずなのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

女性はキラキラが好き?‐1811‐

 7月に入りましたが、傘マークがずっと連続する天気予報です。

 梅雨らしいと言えば梅雨らしいのですが、妻は洗濯が困るとも。

 男性陣にとっても、多少小休止があると嬉しいのは嬉しいのですが。

  6月末に「ときめく紺色の家」の1年点検に行ってきました。

 昨年の4月、初めての緊急事態宣言が出た頃、こちら現場は工事の最終盤に入っていました。


 大きな荷物を引っ張りながら、不安な気持ちで現場へ通っていたことを思い出します。

 ただ、頬に感じるそよ風や、緑の絨毯となっていく水田を見て、コロナ下の社会になっても、何ら変わらない自然にホッとしたものです。

 少し早めに到着して、まずは外観を1枚。

 もう定点観測のようなものですが、植栽の成長が建築をさらに良くしてくれるのです。

 チャイムを押すと、すぐにご主人が出てきてくれました。

 先日「サンワカンパニー産‐1809‐」でも紹介した玄関タイルです。
 

 2階へ上がると、奥さんが「早起きして、ここから朝日が昇るのをみると、もう感激するんです」と、私達にプレゼンテーションしてくれました。

 朝日の位置を、私がコントロールしている訳ではありませんが、南東角を2面開口にしたのはできるだけ長く朝日を見て貰えるようにです。

 元は寝室だったのですが「ここからの景色が大好きなんです」という言葉は、設計者として絶対に聞き逃してはならない言葉でした。

 LDKに飾られた花。

 サイドボードの写真立て。

 キッチン前のカウンター。

 この空間を十分に楽しんでいるのが伝わってくるのです。

 ご主人は竣工を機に独立されたのですが、初年度の決算が思ったより良かったそうで「思い切って、ダイニングテーブルを新調したんですと」教えてくれました。

 昼からの事務仕事は、工場から戻ってからこのテーブルでするそうです。

 「ここに帰ってくると、毎日テンションが上がるんです」とまで言ってくれました。

 朝日を楽しみ、テンションが上がり、会社の成績が良くなったなら、私から何もいう事はありません。更に良い報告がありました。

 娘さんの結婚が決まったとのこと。
 

 寝室のディスプレイスペースには2着がコーディネートされていました。


 「実は明日、初めて先方のご両親とお会いするんです。で、左にしようか、右にしようか迷ってたんです」と。

 最終的には右にしようかなと仰っていたのですが、そんなビッグイベントにもこの空間が活かされていることを、嬉しく、誇らしく思ったのです。 

 こちらの奥さんも、キラキラが好きな方でした。

 5月に紹介した「Shabby House」にもシャンデリアがありました。

 女性にキラキラ好きが多いのは何故か。

 多分、いつまでもキラキラしていたいからだと思います。

 断定しているのでも、確信がある訳でもありません。

 そうあって欲しいと、私が勝手に思っているだけだなのかもしれません。

 ル・コルビュジエ は「住宅は住むための機械である」と言いました。

 私は「住宅は人生を楽しむ最大の道具」としてみたいと思うのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

サンワカンパニー産‐1809‐

 6月の中頃、サンワカンパニー大阪ショールームの方からメールが届きました。

弊社は来期のカタログで大幅改定を予定しております。
そこで普段から弊社商品をよくご採用頂いているプロの方にカタログに対しての率直なご意見を賜りたく、該当のアトリエm様にご連絡をさせて頂きました。

 クライアントとショールームに行く際は、やはり知識があって感じの良い人を指名します。

 いつもお世話になっている方だったのと、初めに声を掛けてくれたとのことで、引き受けることにしました。

 実際に話しをするのはカタログ製作チームで、そちらに担当が引き継がれたのです。

 一昨日がzoomでの会議でしたが、参加は私を含めて5名。

 リーダーは私と同年代の男性、その他3名は女性でした。

 うち1人がスケジュール調整をしてくれたのですが、以前もやりとりしたことがある方かなと思っていました。

 洗面ボールのシガラキは、当社の作品写真が採用されています。

 やはり、その時にやり取りした方でした。

 「あちこちでお茶できる家」は2012年の完成。 

 シンクが正面にあるキッチンに特徴があります。

 8畳近くある土間は、かなり思い切ったプランとしました。

 奥さんが、いつもオープンにしているというトイレ。

 その横にある洗面ボールがシガラキです。

 「ときめく紺色の家」の奥さんは、カタログを見てレノスに一目ぼれ。

 かつ、付箋の3色を重点的に使いたいというリクエストでした。

 2020年竣工のフルリノベーションですが、レノスをかなり多めに購入して1枚1枚を厳選セレクト

  全ての配置を完全に決めて施工したのです。

 北摂にある「高台の家」は2015年の竣工。

 大阪平野を見下ろす2階バルコニーは、プライバシーが保たれた屋外です。

 1階のキッチンは、ある程度金額を抑えたエレバートEXを採用しました。

 先月竣工した、「コンクリート打放し H型プランの平屋」でもキッチンを採用しました。

 GRAD45は、オールステンレスのキッチンです。

 カタログ上端にある付箋は、プロジェクトカラーで分けられています。

 こうしてみると、かなり採用しているんだなと、改めて認識したのです。

 サンワカンパニーは大阪で創業して41年とのこと。


 2013年のグランフロント開業のタイミングで、大阪ショールームが移転してきました。

 それまでは北浜にショールームがあったのです。

 メーカーからの相談は、何度か経験があるので、参考になるかなと思う資料は準備しておきました。

 少しは役に立てたのかなと思っていた会議終盤、「ところで、はじめはどうやってサンワカンパニーを知って貰ったのですか?」という質問がありました。

 想定していなかった質問で、思い返してみます……

 2011年に相談に見えたクライアントが、サンワカンパニー大好きご夫妻だったのです。

 「8.8坪の家」は、大阪市内の密集した住宅街にあります。

 建物巾は広いところで2.7m、狭い所は2.6m。

 延べ面積19坪たらずの小さな住宅に、豊かな1室空間を実現するのに腐心しました。

 1階はRC壁式構造、何とかインナーガレージ、2、3階は木造の混構造。

 外壁は折半、スキップフロアと、思いつく限りのローコスト案、また苦肉の策を詰め込んだ狭小住宅です。

 ローコスト化の為に内部扉はトイレも含めて4つだけ。

 その全てが、サンワカンパニーのCFPでした。

 道路斜線で切り取られたロフトのような寝室が3階に。

 腰壁タイルも床タイルもサンワカンパニー製だったはずです。

 先述の女性は「あ、○○ですね」と答えてくれました。「はず」と言ったのは、私が設計したのではないのです。

 少しでもコストを抑えるため、タイル自体はクライアントが直接購入。竣工後、知合いと一緒にご主人が自ら施工しました。

 とにかく良くショールームに行ったと聞いていたので、古い資料を引っ張り出してきたら、今もショールームで案内をお願いする方と思しき名前がありました。

 「8.8坪の家」の家は、2012年の12月竣工ですから、北浜時代の一番最後の頃、足しげくショールームに通っていたことになります。

 先日新聞の記事に、プロダクトデザイナー柳宗理さんのアトリエでの会話が載っていました。

 スタッフのひとりが「自転車が欲しい」というと、「作ったら」と答えたそうです。

 私も創り手なので、できれば全て設計、デザインしたいのが本音ですが、それはなかなか叶いません。

 その時、いわゆる既製品をセレクトしていくことになります。

 使い手に響く要素とは何なのか。サンワカンパニーにおいては、ミニマリズムだったり、金額だったり、露出だったりするでしょう。

 もしかすると、大阪本社もあるかもしれません。

 建築家という仕事は、料理人に似ていると良く書くのですが、素材の産地だけにフォーカスしたことは無かったので、今回の件は自分としても面白かったです。

 サンワカンパニーを産地とするなら、水が合うといった感じなのでしょうか。大阪発だけに。

 来春のカタログに、私の意見が何か反映されているのか、いないのか。2022-2023カタログを楽しみにしています。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

宇宙船地球号。全乗組員で祝杯を‐1808‐

 今日は夏至。1年で最も明るい日です。

 大阪もようやく緊急事態宣言が解除されました。まん延防止措置は適用されますが、1歩進んだことには違いありません。

 ワクチン接種も本格的に始まり、明るい気持ちで確実に前進して行きたいところです。

 先週末も現場を回っていましたが、梅雨らしい天気でした。

 道中、コスモスが咲いていました。

 夏に咲く種もあるのでしょうか。

 雨濡れた花もよいですが、原色の花は晴れ空に限ります。 

 ひまわりを家族がプレゼントしてくれました。

 昨日は父の日。

 4人揃うのは日曜日の夕食くらいですが、父の日特典ということでエビフライでした。
  
 アワビの胆とともに、私の好きな食べ物1位、2位です。

 長男は友達と勉強?娘は卓球の試合で、それぞれ帰りにケーキとひまわりを買ってきてくれたのです。

 娘が買ってきてくれたケーキは撮りそびれたのですが、試合は納得いくものだったと報告してくれました。

 どんなことでも一所懸命に取り組んでくれたなら、親としては嬉しい限り。

 子供達もよく食べるようになり、あっという間に全て無くなったのです。 

 昨年の春、緊急事態宣言が発出された頃、コロナウィルスは高温多湿に弱いのではという記事を見かけました。

 多くの人と同じように今後の不安を抱え、そうだといいなという気持ちで夏を待ち望んでいたものです。

 実際そうではなかったのですが、それでも希望があれば人は生きて行けます。 

 ご近所さんは私の親世代が大半です。

 皆さん顔を合わせれば「もう1回目打った?」とか「ワクチン接種券届いた?」とか、元気そのもの。

 どんなに長いトンネルでも、薄っすらとでも出口が見えれば真っすぐ進むだけなのです。

 「なぜひまわりに?」と長男に尋ねると、「父の日は黄色い花が主流みたい」と。

 花屋さんで聞いたそうですが、「憧憬」や「尊敬」を意味するとも。

 子供達にどう思って貰いたい等はありませんが、せめて前向きな影響を与えられる存在では在りたいものです。

 今回、皆がお金を出し合って買ってくれたそうで、自邸にはひまわりを植えるスペースを捻出しようと決めました。

 瞑想の時、ひまわりが目の前にあれば「いつも顔を上げて」と思えるはずです。夏限定にはなってしまいますが。
 
 「人類は宇宙船地球号の乗組員である」

 建築家、バックミンスター・フラー の言葉です。

 沖縄もインドもありません。我慢と接種を両輪に、早く地球号の乗組員全員で祝杯を上げたいものです。

 全世界が一体感を持つことができる、またとないチャンスだとも言えるのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

クチコミ・口コミ‐1807‐

 昨日は梅雨らしいシトシト雨の一日でした。

 今日はスカッと青空です。

 こんな日は、二上山と大和川が見える堤防上の道路を走りたくなります。

 この時期の花はやはりアジサイ。

 青い花はこれから。

 淡い紫は、雨濡れて。

 こちらのピンクはかなり球に近い形状。

 反対に、平べったいものも。

 同じ種とは言え、色も形も様々です。

 「当社は、特に宣伝などはしておりません。お客様からのクチコミでお仕事を頂いております」

 そんな話を、これまでに何度か聞いたことがあります。営業マンがこういった話しをする時は、どこか誇らしげなものです。

 花もそれぞれ違うように、各々の生き方があるのでそれはひとつの答えです。

 ただ私の仕事で言えば、あまり当てはまらないかもしれません。

 クライアントがクライアントを紹介というケースは1度だけ。あまりクチコミで広がる仕事ではないのかなと思っています。

 しかしこのインターネット時代、多くの人が行動の指標にクチコミというものを読むのもまた事実。

 KenKen!というサイトは、クチコミの有る無しで随分露出が変わると言われ、何人かのクライアントにお願いしてみたのです。 

 「黒壁の家」

2021-06-14
★★★★★(5/5)
我が家はアトリエmに行き着く前までに何件か建築事務所へ話をしましたが、某テレビに出た建築事務所には雑に扱われ、他の事務所ではスケジュール的に困難など諦めかけていました。たまたま、何気なく本屋で見たアトリエmにこれで駄目ならハウスメーカーで建築するしかないかなと思いながらもメールで建築の相談を依頼しました。某番組の「匠」だったので我が家では厳しいかな~と感じながらもいつか楽しい未来を想像して「孫が遊びに来てくれる家」をコンセプトに色々と話しをしました。その話し合いで本当に親身な方だと感じて、また人間性に惹かれて依頼へと繋がりました。

当初、設計事務所に依頼すると予算超過となり建築困難になるか不安でしたが、守谷さんから「出来る限りの希望を出して、そこから生活においての必要性と予算の兼ね合いを検討していきましょう。」と声をかけて頂いたので心的に楽になりました。だから、イチから築き上げていくのが大変かなと不安でしたが、打ち合わせが楽しくてあっという間に進んでいったのを記憶しています。

家を建築していく過程で予算上厳しいこともありましたが、工務店さんとの間に立って依頼主側の希望を通して頂いたこともあり守谷さんにお願いして良かったと痛感しています。また、事務所スタッフの方もフットワークが軽く多忙の中でも気軽に声を掛けれることも安心感に繋がっていました。

もう設計して8年もなりますが、散歩している見ず知らずのお爺さんに「お洒落な家やね~」と言われたことが嬉しくてアトリエmに頼んで良かったなと感じており、人間性やデザインに惹かれて守谷さんに依頼したことが改めて正しかったと思いながら日々楽しく過ごせています。

 「山本合同事務所」

2021-06-12
★★★★★(5/5)
3年ほど前に事務所を設計していただきました。もちろんかなりオシャレで使い勝手も最高です。
事務所ですので、使い勝手が重要でしたので、入念に打合せしていただきました。
机や本棚やキャビネット等の家具も特注で作成していただき、めちゃくちゃかっこいいものを格安で作成していただきました。
求人する際にも、事務所がオシャレということで、かなり有利に働いています。
工務店も入札で決めていただき、かなりコストを下げることができました。
とても一生懸命対応していただき、無理もかなり聞いていただきました。
休みの日に一人で仕事をしていると、緑と光に囲まれ幸せな気持ちになります。
子供たちも事務所に遊びに行くと言って遊び場にもなっています(笑)
夕方の外から見た事務所は、とても美しく、打合せの時に作成していただいた模型で建物の中をのぞいていたのを思い出します。
次は自宅もお願いしますw

 「イタウバハウス」

2021-06-11
★★★★★(5/5)
家が完成して今年の12月で11年になります。
守谷さんに出会い、設計してもらい、たくさんの
打ち合わせをし、工事が始まり、家ができていく
様子を何度も見学し、家が完成したことを
ほんとうによく覚えています。
家のこと以外でも本当にたくさんのお話を
させていただいたことがほんとうに楽しかったです。
私達夫婦は決して裕福ではない共働きの普通の
夫婦です。
建築家の方に設計してもらうとなると一番に
頭に思い浮かぶのがお金のことだと思います。
私達も半分以上は無理だろうなぁと思いながら
守谷さんに相談に行きました。
そのときの守谷さんのそういうお金の面も含めて
何とかするのが私の仕事ですからと言ってもらった
ことで守谷さんにお願いすることにしました。
将来、子供たちが独立して夫婦ふたりになったときに
平家の小さなおしゃれでカッコイイ、ローコストハウスを
守谷さんに設計してもらうのが私達の夢です❗️

 「ときめく紺色の家」

2021-06-11
★★★★★(5/5)
「住人十色」という番組でアトリエmさん設計のリノベーション住宅が放送されていて、興味深い建築だったので番組終わりのクレジットに載っていたアトリエmさんのウェブサイトを登録していました。それから1年ほど経過し、自宅をフルリノベーションする計画においてメールしオフィスを訪問しました。もちろん、それまでに長年書かれているゲツモク日記と現場日記はかなり読み込んでいたので、およそ信頼できる建築家だと想像していました。リノベーションの場合、当初の見積金額よりも10~20%は増額するケースが多いと聞いていたので、その不安をお話したところ「これまで1度も増額したことはない」と守谷さんはきっぱり言われました。結局1年ほど打ち合わせを重ね、最終図面が仕上がり施工が始まりました。フルリノベーションのため不確定な要素が少なからず出てくるのですが、その都度守谷さん、現場監督さんとしっかり現場打合せをし、およそ最良と思われる答えを導きだしてくれました。そして、予定通り5か月後には新たな住居で暮らし始め、予想以上に快適な空間を作って頂いたことに感謝しています。また、それから1年間暮らすと、住み手である我々により一層馴染んで心地よく感じています。そして、今月末に1年点検があるのですが、特に不満が無いので同世代である守谷さんといつものようにリノベーションとは違うお話で盛り上がりそうです(笑)

 「Kayashima Photo Studio Ohana」

2021-06-11
★★★★★(5/5)
10年ほど前ですが 中々上手く行かず、色々模索している中
たまたまアトリエmのサイトを拝見して連絡をしてみたところ
建築家 守谷さんの人柄に触れ、計画を進める事となりました

常にこちらの立場に立った上で物事を考え
最良のアイディアを提案していただけます

どんな事でも、うざいくらいに(笑)
全力で取り組んで頂ける姿に
こちらも心、動かされ、お互いに作り上げるという感覚で
本当に素晴らしい建物が出来上がりました

そして今、また新たなプロジェクトを
夢とともにお願いしているところです

 「四丁目の家」

2021-06-10
★★★★★(5/5)
10年前に設計施工をお願いしました。2世帯住宅の設計は親と子の好みが合わず難航しました。アトリエmさんには何度も家の模型を作り直して親子世代が納得する提案を何度もしていただいたのが懐かしいです。今も親子3世帯で仲良く暮らしています。

 「クチコミ」という言葉を少し調べてみました。

 大宅壮一ノンフィクション賞で知られる、大宅壮一さんの造語という説明がありました。

 想像通り「口頭でのコミュニケーション」の略ですが、1960年代当初「マスコミ(マス・コミュニケーション)」との対比で使ったり、文字によるコミュニケーションを「手コミ」とし、「口コミ」と区別していたようです。

 本来の意味での口コミは私もかなり重要視します。

 初めて会う人には「どんな本が好きですか?」や「面白かった映画は?」とよく聞いてしまいます。

 本なら長い場合は数十時間、映画でも数時間を費やすわけですから、外すのは嫌。そう考えると、建築で「外す」ことは絶対許されません。

 仕事に関しては全力で取り組んできたつもりなので、私達の物語を出来る限り伝えてみたいと思い、「現場日記」だったり「○○年後の感想」というページを作成したのです。

 大宅壮一さん的には「手コミ」です。

 今回、久し振りにやりとりしたクライアントも。

 「○○は高校が△△に決まりました。来年の4月から寮生活になります」

 「喋るのは得意ですが、文章にすると色んな思いを伝えようとするとなかなか纏めれなくて」

 「50才目前に試験に取り組むとは思っておりませんでした」

 「またビールを片手に、世間話をしながら……」

 他には、「投稿時期が同じになりすぎても」と言ってくれたクライアントも。

 時々、濃い霧の中をたった1人で航海しているような気持になります。

 こういった言葉を掛けて貰えると、自分のコンパスを信じてみようと勇気が持てます。

 一緒に作り上げた空間に本当の幸せがあるのなら、そこだけはよりどころにしても良いかなと思うのです。


 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

水張月は、魚もイチャイチャする季節‐1806‐

 2週間程前だったか、ラジオで男性アイドルが「東京って、まだ梅雨入りしてないよね」と話していました。

 大阪は5月16日に入梅したので、「新聞なんかをしっかり読んでいないのかな」と思っていたら、読んでいないのは私の方でした。

 今日、「関東甲信地方は梅雨入りしたとみられる」と発表がありました。

 大阪からは500km。緯度においては1度しか違いません。しかし梅雨入りの誤差1ヵ月。小さくても違いの大きい国、それが日本です。

 週末は水無月の池原ダムへ。

 曇りのち雨の予報も、そこまで降られませんでした。

 時折晴れ間も見え、新緑が美しい季節です。

 この時期、ブラックバスという魚は産卵を意識し、浅いところまで上がってきます。大きな魚を狙って釣れる可能性が上があるのです。

 記録級の可能もあるのが聖地・池原ダム。多摩ナンバーも見え、全国からモンスターハンターが集まってきます。

 トボトスロープもゴールデンウィークに次ぐ賑わいでしょうか。

 幸先よく50cm、2kgの魚が釣れました。

 ここからと行きたいところですが、今回はボートトレーラーの車検があります。

 早めに昼休憩に上がり、村の自動車工場までけん引します。

 これがなかなか気を遣うのですが、無事届ければミッションの半分は終了。

 きなりの郷の駐車場に車を止めて昼食&昼寝です。

 薫風を味わいながら、たっぷり1時間半の午睡。

 野外での昼寝ほど、私が好きなものはありません。

 その後もう一匹、50cm足らずですがコンディションの良い魚が釣れました。

 こちらは産卵がらみの魚です。

 比較的浅い所に産卵するのは、ふ化に太陽光が必要だからと言われています。

 底が砂や泥では濁りやすく、底が岩や石などの場所を好んで産卵床をつくるのです。

 汚い布団を好む人などいませんから、基本は生き物として変わりありません。

 もっと言えば、オスとメスがペアになったら、この産卵床まわりでイチャイチャしているしか言いようのない行動をとるのです。

 ブラックバスはとても人っぽい魚で、そのあたりも愛おしい理由なのだと思います。 
 

 こちらは産卵に関係のない魚。

https://youtu.be/4U7zvDVdFQY

 40cm弱なら多少余裕があるので、撮ってみました。

 早めに上がり、大和路をのんびりドライブで大阪に帰りました。

 「水無月」の「無」は、「の」にあたる助詞で、「水の月」を表わします。

 「水張月」と呼ばれることもあるようで、水田の景色にもマッチするのです。

 命の源は水です。
 
 そういう意味では、最も生命感あふれる季節と言えるのです。

 流石にイチャイチャする年齢ではありませんが、心に潤いを与えて上げることは大切です。

 私にとって潤いとは?

 これは間違いなく仕事。

 水張月に新しいことが始まる予感がするのです。 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記