昨日、新型コロナのワクチンの1回目を接種しました。

無料だという事。どのワクチンを接種するかの選択権はない事。
この2つは、接種を終えて自分事として理解できました。

接種券が届くと、すぐに近所の内科に連絡しました。
「キャンセルがでたら、15分前でも電話下さい。すぐに駆けつけますので」と妻に伝えて貰ったら、早々に繰り上げの電話があったのです。
私の場合は、副反応らしきものは全くありませんでした。

コロナ下への社会の入口で、最もセンセーショナルだったのは、この人の死だったと思います。

志村けんさん。
享年70歳。生涯、コメディアン。
春先に放送があったのですが、一昨日ようやく観ることができました。

私は小学校の高学年で「ひょうきん族」へ移った派ですが、それまでは、もちろん「8時だヨ!全員集合」を楽しみにしていました。
「志村~!うしろ~!」に始まり、印象に残る場面が沢山あります。
髭ダンスもそのひとつ。
今観ると、これ程無国籍なショーはありません。まさに唯一無二。

志村さんは「これ名作みたいなのを常につくりたいんですよね」と語っていましたが、心に残った話が2つありました。
らしく見せるコツは何か。
僕の場合は、その人物を徹底的に好きになることだ。
好きになればこのおばあさん、例えばこういうことはしないとか。
ひとみばあさんは、実在の飲み屋のおばあさんだそうです。
もうひとつは、芸人としての後半生を一緒に過ごしたダチョウ倶楽部の3人が語った話です。

テレビでも共演する機会が多かった彼らは、舞台でのオープニングトークを任されていました。
彼らの良く知られた持ちネタで「どうぞどうぞ」があります。
ちょっと嫌なことを押し付け合うという設定で、3人がもめだします。すると、リーダーの肥後さんがまず手を上げ「いいよ俺が行くよ!」と。
負けじと寺門ジモンさんが「俺が行くよ!」と。
最後に上島さんが「じゃあ俺がやるよ!!」というと、2人が「どうぞどうぞ」と早々に譲るあのネタです。
舞台裏でオープニングトークを聞いていた志村さんは、「今日、どうぞどうぞのギャグやった?」と尋ねたそうです。
肥後さんが「最近ウケないからやらないんですよ」と答えると、「自分が飽きちゃだめなんだよ」と。
「世の中が飽きる前に自分が飽きちゃってるんだよ。真剣にやったら絶対ウケるから。あれ面白いから」と怒られたそうです。
それから3人は真剣に取り組むのですが、するとやっぱりウケるのだと語っていました。
「人を好きになる」
「全力で、真剣に」
友人にも知人にもコメディアンはいないので、やはり特別な才能が必要なのだと思います。それでも大切なことは、この2つだと、髭ダンスで、変なおじさんで、バカ殿は言うのです。
何と奥の深い話しかと、おもわずため息がでてしまいました。

人の命は等しく尊いものですが、亡くなった時、どれだけ惜しまれるかは、同じではありません。
それは志村さんの生き様が示す通りです。
良い人が先に亡くなるという話はあながち嘘ではないのかもしれません。
志村さんが「俺がマスクしてたら、場が盛り上がらない」と思ってとしたら。「マスクをしていたら、ホステスさんを笑わしきれない」と思ったとしたら。
ただの想像ですし、「良い人」の行動と言えないかもしれませんが、全く無い話ではない気もするのです。
ワクチンが効くのか効かないのかも私には分かりません。
コロナ下の社会で自分ができることがあるならしよう。それだけです。
もしかすると副作用で死んでしまうかもしれませんが、どうせ人は1度しか死にません。
自分のことばかり言っている人にはなりたくないなと思うのです。
■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
◆メディア掲載情報
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記