タグ別アーカイブ: 古墳

思いがかないますように‐1919‐

近鉄南大阪線は、阿部野橋駅から橿原神宮前駅までを結びます。

車窓からの景色が楽しい路線で、乗ると時には少しワクワクします。

恵我之荘あたりから田畑が増え、土師ノ里あたりからは多くの古墳がみえてくるのです。

百舌鳥とともに、古市古墳群が世界遺産に登録されている理由がよく分かります。

古墳の密度が凄いのです。

羽曳野市役所は古市駅から徒歩10分の場所にありますが、市役所裏にも古墳があります。

こういった地域は、埋蔵文化財包蔵地域に指定されていることが殆ど。

現在計画中の建物もそうで、試掘が必要になりました。

時間的なことは大変ですが、それはそれで興味が湧いてきます。

月曜日に、「エアコン故障のためしばらくの間お休みを頂きます」と貼り紙があった近所のお店。

早くにエアコン が復旧したようで、私もホッとしました。

しかし、人のことを気にしている余裕は全くありません。

先月末で、2009年から14年勤めてくれたスタッフが退職しました。

プライベートなことなので詳細は控えますが、人手が減ったことは間違いありません。

もう百人力の勢いで、フル回転するしかないのです。

分からないことがあり、建築材料のメーカーの相談窓口に電話するとこんなメッセージが聞こえてきました。

「弊社では、新型コロナウィルスによるテレワークのため、お電話によるお問合せ対応を中止しています」

ある大手企業ですが、それとこれは関係ないんじゃないと思ってしまいました。

しかしこれら全てが現実です。

全て受け入れ、何でも楽しむと決めるしかありません。

一所懸命に働き、人を幸せにすることだけが、自分を幸せにしてくれる。

これが私の信念です。

♪ささの葉さらさら♪で今日は七夕です。

五色の短冊にはしたためていませんが、私の思いがかないますように。

■■■6月9日 『住まいの設計チャンネル』 「おいでよ House」公開

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
『 建築家・守谷昌紀TV』

土師ノ里で、逃げ恥を考える‐1704‐

 議員が直接葬儀に参加した場合の香典は合法。参加していない香典は違法。

 元法相逮捕に関連する記事にこんなことが書いてありました。法律というものは、随分細かく決められているものだと驚きます。

 他人のことは気にしませんが、「恥を知れ」と言いたくなる報道もままあるものです。

 近鉄南大阪線にある土師ノ里駅は、ちょっと見たことのない景色の中にあります。

 恥ノ里でなく、土師ノ里(はじのさと)。ということで、ただの駄洒落です。

 それはさておき、ここは古墳と古墳の間に挟まれた駅。

 古墳銀座の銀座四丁目みたいな所です。

 駅の南西にある仲津山古墳の陪塚である鍋塚古墳。

 案内には、一辺40mとありますがほぼ円形に見えます。

 頂上まで登ることもできます。

 鍋塚古墳の上から北東を見下ろすと、土師の里駅と背後に市野山古墳が見えています。

 先の仲津山古墳とともに古墳時代中期とありますから、4~5世紀のもの

 全長200m以上の古墳が、住宅街に頻出する風景はなかなか無いものです。

 世界遺産、百舌鳥・古市古墳群をまたぶらぶら歩きに来てみて下さい。

 古墳築造のスペシャリストと言われた「土師氏」に由来し、土師ノ里という地名になりました。

 それから1000年程時代を下ると覇王、織田信長が登場します。

 司馬遼太郎はこう語っています。

 信長の面白さは、桶狭間の奇襲や長篠の戦いの火力戦を創案し、同時にそれを演じたというところに象徴されてもいいが、しかし、それだけでは信長の凄みがわかりにくい。

 むしろ朽木街道を疾風のごとく退却したところにあるだろう。

 1570年、越前朝倉氏との戦いにおいて、北近江の武将、妹お市の方の夫でもある浅井長政の協力で敵陣深くに攻め入ります。

 そうして敦賀の金ケ崎に陣を構えると、浅井長政が裏切ったという一報が入ります。

 織田軍は3万、敵軍は2万と、戦う選択もありましたが、信長がとった行動は退却でした。
 
 挟み撃ちを逃れるため、唯一の逃げ道と言ってよい、朽木街道を疾風のごとく退却したのです。

 「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマがヒット中で、「逃げ恥」と略されるそうです。

 調べて見ると、原作はコミックでハンガリーのことわざの和訳「恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことが大切」からとったそうです。

 朽木街道を疾風のごとく退却した3年後、信長は浅井長政と朝倉義景を討ち、天下統一にあと一歩のところまで迫ります。

 攻めることは副将でも可能ですが、退却だけはトップしか判断できないこと。

 全ては生き抜くため、または幸福へ向かうための決断でなければならないということです。

 日本初のキリシタンとも言われる新しいもの好きの信長ですから、ハンガリーのことわざを知っていたのかもしれません。

 やはり過去とは学びで、ロマンです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

鴨も鯉も恋の季節‐1575‐

 昨日、現場を回るルートを考えていると、真ん丸の古墳があるのをみつけました。

 アップでみると「雄略天皇陵」とあります。

 ちらと立ち寄ってきました。

 埼玉県稲荷山古墳で出土した鉄剣の銘にある「ワカタケル大王」は雄略天皇を指すとされます。

 『古事記』『日本書紀』ともに、その御陵が羽曳野の高鷲にあるとされているのです。

 日経新聞を読んでいる方は気付いたと思いますが、朝刊の連載小説「ワカタケル」の主人公その人です。

 5世紀から6世紀に築かれたものとされ、諸説あるようですが、雄略天皇丹比高鷲原陵(たじひのたかわしのはらのみささぎ)として治定されています。

 案内の看板には空撮がありました。

 その特異な形状がよく分かります。

 住宅地に突然大きなお濠が現れ、その真ん中に円墳が浮かぶ姿は壮観です。

 現在の都は東京ですが、この地が間違いなく日本の中心だったことが分かります。

 案内にはこうも記されていました。

 『日本書紀』には「雄略天皇に仕えていた隼人が、悲しみのあまり物も食べずに泣き続け、7日目についに死んでしまったので、その墓を御陵の北に造って葬った」という物語が記されています。

 マップに「隼人塚古墳」とでていたので、北の住宅街を探します。

 これがなかなか見つけられずで……

 近所の人に教えて貰い、ようやくたどり着きました。

 最後の路地は幅90cmくらいでした。

 住宅地にかこまれた小さな墳丘の上に石碑がみえます。

 「忠臣隼人之墓」と読み取れます。

 雄略天皇は強大な権力を持った君主だったとされます。

 その人と比べるのがおかしいのですが、私が亡くなったとして、せめて1日でも泣いてくれる人などいるのかなと思ったりもします。

 人は亡くなった時に本当の価値が分かるとも言います。

 しかし、亡くなった時にはこの世に居ませんから、真の価値を知ることはありません。

 ほっとしたのか、残念なのか……

 寒かった昨日までとはうってかわって、今日は20度くらいあったでしょうか。

 お濠をつがいの鴨が泳いでいました。

 浅瀬の鯉もつがい。

 春は恋の季節でもあります。

 鳥にも、魚にも、人にも。素晴らしい出会いがあるに違いありません。

■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記