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トクトク、グツグツ、オノマトペ‐2159‐

「下北山村の古民家〈リノベーション〉」【ゲンバ日記チャンネル】Episode6を公開しました。

前回のEpisode5は、視聴回数少な目だったのですが今回は好調なようです。

黒の外観と、内部もほぼ完成しました。良ければご覧下さい。

娘が修学旅行中で、妻を晩ごはんから解放してあげようと外食することにしました。

仕事終わりで、喜連瓜破の駅前へ。

思っていた焼きとり屋さんが休みのようで、初めての店をのぞいてみます。

私達はタバコを吸わないので、店選びで一番ハードルが高いのはその点です。

聞くと一番奥の席だけ喫煙可とのこと。

「手前の席ではどうですか?」ということで、こちらにしました。

若い頃は、泡が良い頃合いになるよう、いつも妻が注いでくれていましたが、最近はそうもいきません。

いろいろ家事があるので仕方ないところですが、外食時は注いでもらいます。

「トクトクトク」と美味しそうにはいりました。

早速乾杯です。

焼きあがった串から持って来てくれるようで、これは好感が持てます。

ねぎま、手羽先、こころ。どれも塩で。

もつ鍋も名物のようで頼んでみました。

ニラの緑と唐辛子の赤が食欲をそそります。

「グツグツグツ」と、音だけで一杯いけそう。

もう博多が生んだ世界遺産です。

特に、とろけるようで、かつ歯ごたえのあるもつは最高でした。

音や声、動作などを音声化して示すのがオノマトペです。

日本語は、他と比べてオノマトペの多い言語だそうです。

動詞が少ないので、オノマトペを使って表現を補っていると聞けば納得できます。


この日、伏兵で美味しかったのが、山芋の串。

「山葵のせ」とあり、読み方が分からず聞いてしまいました。

答えは「わさび」でした。外食しないのがばれてしまいます。

この濃い黄緑の山葵は、おそらく、直前にすりおろしたもので「シャクシャク、ピリ」がとてもよかったです。

オノマトペの使い方は、読みやすい、臨場感を伝えるなど、とても重要です。

この日記を書きはじめた頃から、勝手に「文章の書き方の師」と思っている人がいます。

元「週刊プロレス」編集長の山本隆司さん、またの名は「ターザン山本」です。

中学、高校とどっぷりターザン信者だった私は、この人にとても影響を受けました。プロレス雑誌にニーチェを持ち込んでくるのですから。

ターザン山本いわく「文章は風景論、音と色は必ず盛り込んでいくこと」と。

また、「最近の文章はカタカナが多い。このカタカナをうまく使える人が、文章がうまいという」とも。

2006年頃にこういった発言をしていたのですから、どれだけ才能がある人か伝わると思います。

ということで、カタカナ多めの今回、いかがだったでしょうか。

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■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

梅田墓地と高井田横穴群‐1737‐

 大阪梅田は電車時代が来るまで、のどかな田園風景が広がっていたようです。

 諸説あるとは言え、沼地を埋め立てて田んぼにしたので「埋田(うめだ)」というのですから、かなり辺鄙なところだったでしょう。

 しかし現在の大阪の顔。

 1874年(明治7年)に初代大阪駅ができて全てが変わり始めたのです。

 近年においては、阪急グループが牽引してきた部分も大きいと思います。

 阪急系列の建物は、概ね竹中工務店の設計施工ですが、HEP FIVEも同じで1998年の完成です。

 真っ赤な観覧車が一体となり、ランドマークとなっています。

 昨年秋には、ヨドバシカメラ北側にリンクスウメダが開業。

 西隣のグランフロントは2013年の開業です。

 以前、建築関係のショールームは本町が主でしたが、ここに多くのメーカーが移転してきました。

 グランフロントのタワーAは38階建てですが、ここにも住宅機器メーカーのショールームが入っています。

 コロナ下の世の中になり、打合せも控えていたのですが久し振りにやってきました。

 このショールームは眺めが良く、楽しみにしていたことがありました。

 今年の8月、大坂七墓のひとつ「梅田墓地」発掘調査の発表がありました。

1,500体を超える埋葬人骨が見つかったことなどが、大阪市のwebサイトに詳しく載っています。

 写真をいくつか拝借してみます。

 「うめきた」2期区域の南東端がそのエリアで、タワーAから良く見えるのです。

 明治時代の地図と重ねると、梅田墓地の北東角に掛かっているのが良く分かります。

 大阪市のサイトにはよりアップの写真もあります。

 小さな穴が無数にあり、多くの人骨が埋葬されていました。

 江戸時代の終わりから明治20年代まで営まれたこの墓地に、埋葬されているのは大坂城下町周辺に居住してい庶民だとありました。

 平均が30代と若く、さらに病変が認められる個体が多いことから流行病で亡くなったのではと考えられているようです。

 大阪市は調査は公開しないと発表していました。

 しかし梅田で江戸を感じることなど滅多にないと思い、何とかこの目で見ておきたいと思っていたのです。

 ショールームでいつもアテンドをお願いする女性に、到着早々に「梅田墓地は?」と訊ねました。

 すると「私も興味津々で見ていたのですが、数日前にあの建物が建ってしまいました」と。

 落胆する私に「でも、調査が始まったらすぐにシートを掛けてしまったんですよ」とも。

 すでに建物が建っているので、もう一生見ることは叶いません。

 「大阪市は一体何をするんだ!」と、二人でちょっと真面目に憤っていたのです。

こちらは、先日訪れた柏原市の高井田横穴群です。

 大和川が大阪平野に流れ込んできてすぐの丘陵地中腹。

 小高い丘には無数の横穴古墳が残っているのですが、現在は公園として整備されているのです。

 柵はあるものの、実際にのぞけるところが殆ど。

 こちらは公開横穴とありました。

 壁画が残っているのですが、ガラス越しに見ることができるのです。しかもライトアップまで。

 6世紀~7世紀に描かれたもので、同じような服装をした人物が複数描かれています。

 1300年前の飛鳥時代と言えば、聖徳太子が生きた頃。

 ここに埋葬されて人が描かれていると考えられており、これらはいわば遺影。

 心ときめくと言うと不遜かもしれませんが、その時代の生をひしひしと感じるのです。

 すこし見辛いので、解説の写真も載せておきます。

 右上には船に乗った人物が槍のようなものを掲げ、左右の小さな人物は、イカリとオールを手にしています。

 相応の身分に居た人達なのでしょう。

 未来は現在の”影”でしかないが、過去は現在を知る宝庫でもある。私は人の過去にふれてみたくなる。

 はるかに刺激的で魅惑的である”過去”という事件。

 -山本隆司- エディター

 ターザン山本こと山本隆司さんは、週刊プロレスの伝説的編集長です。

 私が読者だった頃、彼のロマンティックな言葉を見るのが大好きでした。

 もし大阪都になったなら、各区長さんには過去だけは大切にして欲しいと思います。

 あの孔子もそう言っているのですから、これはもう絶対です。

 でなければ、柏原市に引っ越します。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

 

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