尾張と伊勢志摩をめぐる-伊勢志摩編-

 月曜日の続きです。

 12/16(土)の夕方、豊田市美術館を出ると、伊勢湾自動車道で湾口部の西端、四日市まで一気に横切ります。

 そこから東名阪、伊勢自動車道と乗り継いで、賢島に着いたのは7:00pm過ぎ。

 志摩地方は紀伊半島の東端にあたり、山地が埋没して出来たリアス式海岸は、天然の良港を形成します。真珠、牡蠣の養殖は有名なところ。

 宿はプラムリゾート賢島。英虞湾を見下ろす丘に建ちます。

 南欧をイメージした空間はまるで異国のようで、良いホテルでした。私達の部屋は中庭を囲む2階で、海も望めました。

 チェックアウトが11:00amというのは、子供連れには嬉しいところ。

 日曜日は、宿から車で5分くらいの志摩マリンランドへ。マンボウを見れるのが売りのようです。

 干潟を復元しているエリアでは、ムツゴロウがこの距離で見れます。

 しかし一番興味を惹いたのが、化石の販売コーナー。

 5億年前の三葉虫の化石と6千万年前の恐竜の歯を2つ買って¥3,500。買っておいてなんですが、売ってもいいのでしょうか。

 そのあとは、伊勢まで海沿いのドライブウェイを走り、今回の最終目的地”海の博物館”に到着。

 設計は内藤廣。展示物が豊富、復元模型もどこかコミカルで、暖かな感じの楽しい博物館でした。

 内部は集成材を使った木造の大空間です。

 過酷な程ローコストだったとは設計者の弁。

 コストを突き詰めた結果が、船のを逆さまにしたような空間であることは偶然では無いような気がします。

 文化財収蔵庫。こちらは同じような構造を鉄筋コンクリート造で実現しています。

 薄暗い感じが船の棺のようでもあり、凄みさえ感じました。

 こうして愛知と三重をめぐる旅は終わりました。自分の住む街を出ると同じ日本でも様々な違いに気付きます。言葉、味付け、街の雰囲気などなど。

 名古屋では、城に対する強いこだわりを感じました。とにかく、城をモチーフにした建物が多いのです。

 極めつけは国道沿いのこの店舗。かに料理の店なのです。世が世なら、どう見てもお殿様しか住めないようなシロモノ・・・・・・

「城陽の家」 掲載

 年末にかけて当事務所の作品が、2つの雑誌で紹介されます。

①『1000万円台で家を建てる!Vol.3(ニューハウス出版より12/16発売)

 「城陽の家」が「Tさんのお宅」として紹介されました。(P20~24)
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『すまいnet関西 Vol.7』(ザネットより12/25発売予定)

 こちらは関西圏のみの発売で見開き1ページですが、同作品が紹介されます。書店と共にサークルKサンクスにも置いてあるそうです。

①は正確に言うと、出版ではムックという分類です。

ムック-雑誌であるが、不定期な発行や雑誌の付録として認められていないものが付録に付いているなどの理由で書籍扱いになっている本。 『ウィキペディア(Wikipedia)』より

 なので、雑誌より長く書店に置かれています。これは私にとっては嬉しい事。書店などにお立ち寄りの際は、是非ご覧下さい。

一級建築士事務所アトリエ m

尾張と伊勢志摩をめぐる-尾張編-

 先週の土曜日に名古屋で勉強会がありました。そのついでに愛知県と三重県を回って来ました。

 まずは”尾張名古屋は城でもつ”の名古屋城。徳川家康が築城を始めた城郭です。曇りですが金の鯱は光ります。

 お昼は妻が見つけて来たJR名古屋駅の地下街にある”わかさや”へ。

 油で揚げずにオーブンで焼いた味噌かつが名物とのこと。

 とってもジューシーで甘めの味噌は抜群。評判を裏切らない、満足のお味でした。定食にして¥1,300。

 都心部から南東に位置する豊田市に向かいました。

 日本が世界に誇るトヨタ自動車の本社のある市です。

 本社住所はなんとトヨタ町1。

 ここに丸亀市立美術館と同じく谷口吉生設計の”豊田市美術館”があるのです。

 外観、内部の空間とも余白の多い素晴らしい美術館でした。

 階段横の大きな壁の絵や天井から吊るされた電光掲示板も作品なのです。

 20世紀の中盤から”空間概念”という作品群を発表してきたイタリアのアーティスト、ルーチョ・フォンターナ。

 布を切りつけるという突拍子もない作品は常に賛否両論。

 時代は遡り19世紀末のウィーンを代表する分離派の画家グスタフ・クリムト。

 なんとも言えない色気立ち上る彼の作品は大好きです。

 先日映画にもなっていましたが、その中に登場する、弟子格のエゴン・シーレの作品も収蔵。

 現代からはリチャード・セラ。

 マンハッタンでは署名によって作品が撤去されるなど、なにかと騒動の多い作家ですが、時代の一番前を走るアーティストである事は間違いありません。

 仕事柄、建築よりの話になってしまいがちですが、ここの常設展示は本当に素晴らしい。

 興味のある特別展があれば別ですが、常設だけでも見応え十分です。しかも、入場料はなんと¥300。

 夕方になったので、宿をとった賢島へと向かいました。伊勢志摩編はまた後日。

長浜へ

 昨日は打合せの為、滋賀県北西部の長浜へ行って来ました。

 市街地に熊が出た、とニュースになった街です。琵琶湖沿いの景色を楽しみにしていましたが生憎の雨。

 JR大阪駅から直通の新快速が出ていて、1時間30分ほど。東海道線の米原から、北陸線に乗り入れるのです。距離に割には早いなという印象。

 北陸線に入ると、車内はガラガラ。最後部の車両には、トイレも付いています。

 最近はエスカレーター等が整備されているところも多いので、荷物が多いときはキャリングケースを愛用しています。

 しかしBOX席に座るならもう一回り小さいほうが便利かもしれません。

 高速道路からは何度も見た事がある県立長浜ドーム。全天候型のグランドです。

 設計は久米設計。無駄遣いと言われないよう活用されていれば良いのですが・・・・・・

 長浜駅前は大きなロータリーがあり、雪国の駅の風情さえ感じました。事務所から片道2時間半の小旅行を楽しんで来ました。

 帰りは6:30pm頃、大阪へ向う新快速に乗りました。

 走り出して少しすると、あたりからオツマミとビールの匂いが・・・・・・

 近くの席のビジネスマン達が席を向かい合わせにして、飲み始めたようです。

 なんというか、ホッとした気分になりました。

 これが地下鉄ならそう感じなかったと思います。他の私鉄でも同様。

 理由は分かりませんが、そんな大らかさがJRの良いところ・・・・・

十三の夜 主役は

 土曜日の夜、淀川を挟んで梅田の対岸、十三(じゅうそう)に行っていました。スキー部の先輩、小林聖太郎さんの映画初監督を祝う会があったのです。

 会場は”かぞくのひけつ”の撮影場所にもなった栄町商店街の中華料理屋さん。

 猥雑な雰囲気こそ、この街の真骨頂です。左奥のボーリングのピンが乗っているビルが上映館・第七藝術劇場の入いるサンポートシティ。

 監督を囲むと言っても、昔の仲間が集まれば、最後はただの飲み会でした。

 飲んで騒いで4次会まで。とっても盛り上がりました。最後は”小林監督ボブ・マーリーを熱唱する”の図。

二日酔いと引き換えに

 昨晩はある会の忘年会がありました。

 さすがにこの時期の心斎橋はごった返しています。

 お店は、メンバーの方がオーナーの地鶏焼き鳥””心斎橋店。ソニービル跡地のすぐ東にあります。地鶏のお刺身がとても美味しいお店です。

 会は盛り上がったあげく、日をまたぐ事になりました。で、今日は、ひどい二日酔いです。キャベ2か何かを、買いに行く姿は何とも情けなく、この忙しい時期に何をやってるんだと、自分を罵りたくなります。

 会の途中で、私の尊敬する人が、こんな話しをしてくれました。端から見ると順風満帆に見えるかもしれないが、組織内では、これでもかというほど問題が起こる。もう投げ出してしまいたいと、何度も何度も思う。そんな時、この句と出会った。

 裏を見せ表を見せて散る紅葉  良寛

 良いも悪いの、全てさらけ出して散る紅葉が美しい。人も全く同じ。良いところだけ見せていても、人は付いてこない。そんな話しを聞いた時、翌日が辛くても、最後まで残っていて良かったと思うのです。

最近の天王寺動物園は

 日曜日に、天王寺動物園に行っていました。

 リニューアルしてからの評判を聞き、気になっていたのです。

 場所は通天閣のある新世界のすぐ東。

 ここに来るのは何十年振りでしょう。おぼろげな記憶しかありませんが、素晴らしい動物園に変わっていました。

 今なお話題に登る旭川市の旭山動物園がよい見本になったのでしょう。公の施設が良くなると、より嬉しいのは何故でしょう。

 サバンナゾーンというのエリアが有ります。

 中では、ライオン、シマウマ、キリン等が、自然に近い環境で飼育されています。通路は狭い小道のようで、木々の隙間から、覗き見るような感じなのです。

 まさに動物の生活を”見せて頂く”と言ったところ。

 小道の足元も土を固めたもので、雰囲気を損わないよう、配慮されています。ひと時心はサバンナへ・・・・・・

 中学生以下は無料で大人は500円。値段がまた安いのです。

 大満足で、お昼ご飯にしようと場所を探していると、大きなビニールハウスのような空間がありました。

 寒いこともあり、多くの人がお弁当などを食べています。私達もそこでお弁当を食べ始めると、ちょっとした事がありました。

 小学生の姉弟、両親、祖父母という一行のうち3人が、ビールを飲みながらタバコを吸い始めました。

 出て行くのかと思い少し見ていましたが、一向に止める気配は有りませんでした。

 周りに幼児、乳児も多く、私も子供を連れていたので”すいません、ここは禁煙なんです”と伝えました。

 紫のジャンバーを着ていた、あまり品がよろしいと言えないお父さんが”どこに書いてあんねん”と言ったので、園内放送していると伝えました。

 すると”そうかっ!今やめたがなっ!”と、不機嫌そうな顔をして出て行ったのです。

 直後、一行の隣にいたお父さんが”ホッとしたわ。うちも子供がおるんでネ”と言ったので”この中ではちょっと、ね”と。

 それを見ていたのか、一行はまた戻ってきて”文句あるんやったらこっちに言えヤ!”と凄んで来たのです。

 私もあやふやにする気はなかったので”ここは禁煙と言う事を伝えただけで、恫喝される覚えはない”と。

 まだグズグズ言って来たので、どちらの筋が通っているか、ここの園の人に聞いてもらおうと、係りの人を呼んだのです。

 その後は、園の人に絡んでいたので、これ以上筋の通らない話で、用があるのなら一緒に警察に行くと伝えてもらいました。

 やっと、ブツブツと言いながら帰って行ったのです。

 私も以前、タバコを吸っていました。食後に、という気持ちが全く分からないではありません。

 しかし、良くなった動物園の、子供達がお弁当を食べているテントの中、というのが許せなかったのです。それは分別のつく大人のする事ではないと。

 タバコは、成熟した大人の嗜好品です。

 その楽しみを否定する気は一切ありません。映画の中のその姿には、憧れさえありました。”カサブランカ”のハンフリー・ボガートしかり、”ハスラー”のポール・ニューマンしかり。

 しかし、嗜むならそれに見合う紳士であって欲しいと願います。

 そう在れなかった、自戒の念も含めて切に願います。

 本当に成熟した大人なら、分かって貰えると思うのです。

”かぞくのひけつ”いよいよ公開

 7月に書いたスキー部の先輩・小林聖太郎さん監督の映画が、12月2日(土)いよいよ封切です。

 ”かぞくのひけつ”公式サイトにもありましたが、京都でもロードショウが決まったようです。以下は試写会の時の記事。
 

 大阪・十三のご当地映画「かぞくのひけつ」(小林聖太郎監督)の試写会が7日、十三・第七藝術劇場で行われ、映画初主演の落語家・桂雀々(46)も駆けつけた。不動産屋を経営する夫婦(雀々、秋野暢子)の浮気騒動を初恋に悩む息子(久野将弘)の視点で描く人情喜劇。浮気相手(ちすん)が不動産屋に乗り込み大慌てする雀々に場内は爆笑の渦。雀々は「あれは全部演技ですよ。監督がうまく引き出してくれました」とテレながらも大感激。井筒和幸監督(53)の助監督から1本立ちした小林監督は「十三の皆さんと映画が撮れてよかった」。公開は12月2日から同劇場で。

 十三は大阪でもディープな街です。中でも映画館のある栄町商店街は夜の十三の中心地。ねぎ焼きの超有名店”やまもと”もあります。

 別にそれらと併せなくてもいいのですが、是非第七藝術劇場へ。

 公式サイト内に小林聖太郎さんのブログ発見!

落ち葉、美しく

 先週末は久しぶりに、妻の実家に帰っていました。

 その足で、昨年に続いて高槻市北部の”神峯山寺(かぶさんじ)”へ。

 拝観料、駐車場とも無料。名神茨木ICから20分くらい。

 少し早めに行けばさほど込まず、お勧め紅葉スポットです。

 本当の最盛期は今週半ばくらいでしょうか。天気は曇りでしたが、それでも木々の色づいた山寺は風情のあるものです。

 手水に浮かぶモミジ。

 苔に散るモミジ。

 日々の喧騒を忘れるには、自然の中に出掛けるのが一番。

 そして四季を感じる時、改めて日本に暮らすことを感謝するのです。

本物より模型

 今日、11月23日は勤労感謝の日。

 収穫感謝のお祭りが全国的に行われていたことにちなんで、祝日になったようです。

 天気がいまひとつだったので、弁天町におる交通博物館に行っていました。

 JRの運営で、本物の車両がたくさん展示されています。

 食堂車がレストランとして使われていたり、名物の駅弁が売っているのは、鉄道会社ならでは。

 第二次世界大戦中のポスターがありました。真剣なのでしょうが、ちょっとコミカル。

 一番の人気は模型電車の運行。

 模型と言っても新幹線、サンダーバード、ブルートレインなどの1/80の精巧なもの。運転時間が決まっていて、その時間になると黒山の人だかりです。

 夜の演出まであってなかなか美しいものでした。

 しかし、本物がこれだけあっても何故か模型のほうが、子供の心を惹きつけるのはなぜでしょう。

建築家がゲツモクに綴るブログ、動画。人、建築、街、自然・・・・・・ぜひご覧ください