7月に入りましたが、傘マークがずっと連続する天気予報です。
梅雨らしいと言えば梅雨らしいのですが、妻は洗濯が困るとも。
男性陣にとっても、多少小休止があると嬉しいのは嬉しいのですが。

6月末に「ときめく紺色の家」の1年点検に行ってきました。

昨年の4月、初めての緊急事態宣言が出た頃、こちら現場は工事の最終盤に入っていました。
大きな荷物を引っ張りながら、不安な気持ちで現場へ通っていたことを思い出します。
ただ、頬に感じるそよ風や、緑の絨毯となっていく水田を見て、コロナ下の社会になっても、何ら変わらない自然にホッとしたものです。

少し早めに到着して、まずは外観を1枚。

もう定点観測のようなものですが、植栽の成長が建築をさらに良くしてくれるのです。

チャイムを押すと、すぐにご主人が出てきてくれました。
先日「サンワカンパニー産‐1809‐」でも紹介した玄関タイルです。

2階へ上がると、奥さんが「早起きして、ここから朝日が昇るのをみると、もう感激するんです」と、私達にプレゼンテーションしてくれました。
朝日の位置を、私がコントロールしている訳ではありませんが、南東角を2面開口にしたのはできるだけ長く朝日を見て貰えるようにです。

元は寝室だったのですが「ここからの景色が大好きなんです」という言葉は、設計者として絶対に聞き逃してはならない言葉でした。

LDKに飾られた花。

サイドボードの写真立て。

キッチン前のカウンター。
この空間を十分に楽しんでいるのが伝わってくるのです。

ご主人は竣工を機に独立されたのですが、初年度の決算が思ったより良かったそうで「思い切って、ダイニングテーブルを新調したんですと」教えてくれました。
昼からの事務仕事は、工場から戻ってからこのテーブルでするそうです。
「ここに帰ってくると、毎日テンションが上がるんです」とまで言ってくれました。
朝日を楽しみ、テンションが上がり、会社の成績が良くなったなら、私から何もいう事はありません。更に良い報告がありました。
娘さんの結婚が決まったとのこと。

寝室のディスプレイスペースには2着がコーディネートされていました。
「実は明日、初めて先方のご両親とお会いするんです。で、左にしようか、右にしようか迷ってたんです」と。
最終的には右にしようかなと仰っていたのですが、そんなビッグイベントにもこの空間が活かされていることを、嬉しく、誇らしく思ったのです。

こちらの奥さんも、キラキラが好きな方でした。

5月に紹介した「Shabby House」にもシャンデリアがありました。
女性にキラキラ好きが多いのは何故か。
多分、いつまでもキラキラしていたいからだと思います。
断定しているのでも、確信がある訳でもありません。
そうあって欲しいと、私が勝手に思っているだけだなのかもしれません。

ル・コルビュジエ は「住宅は住むための機械である」と言いました。
私は「住宅は人生を楽しむ最大の道具」としてみたいと思うのです。
■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
◆メディア掲載情報
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記