松の内もすぎ、ようやく落ち着きを取り戻す頃です。
先週のことですが、お初天神近くの店で新年会がありました。
大学時代のスキー部の集まりです。
遊女「お初」の悲哀を描いた近松門左衛門の代表作が「曽根崎心中」。
お初天神のwebサイトには「恋人の聖地」とあります。
この境内で醤油屋の徳兵衛とお初は木の幹に互いを縛り付け、心中しました。
そのことから聖地としているのだと思いますが、亡くなった現場であることに変わりはありません。
そう思うと、社がやや恐ろしくも見えてくるのです。
境内を抜け、裏路地にあるその店は本鴨で有名な店だそう。
合鴨でなく本鴨。
美味しくない訳がありません。
鳥が苦手な人が居ると聞き、チヌ、ホウボウ、ネギトロの造り盛り合わせもでてきました。
子供も居たのですが、美味しいものは一瞬でなくなります。
チヌ(黒鯛)は若い頃は良く釣りに行ったのですが、造りで食べたのは数えるほど。
冬の魚は脂がのっていて最高に美味しいのです。
子供達も久し振りに会うので、始めはモジモジと携帯ゲームをしていました。
娘に、持参させていたトランプやUNOに誘ってみたらと伝えました。
我が家の長男が中2で一番歳上なので「リードしてあげてな」と伝えていました。
ちらと隣室をのぞくと、目隠ししての鬼ごっこでしょうか。完全に小5チームに遊ばれています。
それが彼の良いところなのですが。
宴がお開きとなり、先輩3人ともう一軒いきましょうかとなりました。
そのうちの1人は他大学のスキー部の主将で、「じゃあコロナビールを」とオーダーされました。
「じゃあ僕も」3人もそれに続いたのです。
当時、コロナビールは全関西大学スキー連盟のスポンサーだったのか、学生に振る舞われていました。
現在どうなっているのかは知らないのですが、大らかな時代でした。ライムを絞って飲むコロナビールは、私たちにとって青春の味なのです。
その主将だった方に、副将だった方が「君、やっぱり持ってるわあ」と笑っていました。
「持っている」
最近よく使われる言葉です。
運が強いとか、いざという時に勝負強いというような意味合いでしょうか。
自分のことを「持ってるわ~」なんて言うのはちょっと遠慮願いたいところですが、「持っている人」は実際に居ます。
人生の中でラッキーなことは時々起ります。
しかし、それは自身の中にあったものが発露したに過ぎないと私は考えています。
もしそうだとするなら、自分の能力を十分発揮しやすい人が「持っている人」となります。
そのキーになるのは、サービス精神や他者を思いやる気持ちだと思うのです。
そういう人を誰もが好きだし、一緒に居て楽しいので、どんどんポジティブな連鎖が起ります。実力を発揮しやすい環境ができるのです。
あくまで私の仮説ですが、反対を証明するのはごく簡単。
身勝手で、ネガティブな言動ばかりしている人が、「持っている」ことはないでしょう。
後出しになりましたが、そう思うようになったのは、ダウンタウン松本人志の言葉を聞いてからです。
「仕事というのは、サービス精神を忘れたらおしまい」
間違いなく「持っている」彼が言うのだから、間違いないでしょう。
自分が「持っている」のか「持っていない」のか。
決めるのは恐ろしいので、せめてサービス精神だけは持ちあわせたいと思うのです。
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