ここ最近、メールの書きだしは「過ごしやすい季節になりました」等が大半でした。
最高気温が25℃前後で湿度も50%を下回り、本当に気持ちの良い時期です。
近くの会社の植込みでは、アベリアが花をつけていました。
植え込みに使われる庭木は、葉が分厚く枝が固いものが多いのですが、これらの中ではアベリアが最も美しいと思います。
特に店舗系では、一回り小振りなアベリア・エドワード・ゴーチャーをよく採用してきたので愛着もひとしおなのです。
春と共に最も過ごしやすい時期ですが、空が高い分だけ爽快感は秋に軍配でしょう。
しかし週末には台風がやってくるようで、今日から雨が降り始めています。
それもあってか、昨朝は進む季節を惜しむような空でした。
ウロコ雲。
サバ雲。
イワシ雲。
こちらは更に高い位置にあるヒツジ雲でしょうか。
中央少し右下にはお月様まで。
空を見上げる人を多く見かけましたが、雲の図鑑のような秋空だったのです。
いつまでこのような気候が続くのだろうと調べてみました。
毎朝、アトリエの気温と湿度を記録しています。
「過ごしやすい季節」を25℃±1℃と仮定して調べてみました。この春なら5月中旬から6月中旬までの4週間。
昨秋は9月下旬から10月中旬までの3週間。1年52週間のうち6週間と約12%でした。
秋は3週間程とあっという間に過ぎて行くのですが、体感だけでなく春より1週間短かったのです。
今年の2月に亡くなった野村克也監督は、1990年にヤクルトの監督に就任し「ID野球」を掲げます。
80年代はBクラスが指定席だった弱小球団を、90年代には4度優勝するまでに育て上げます。
古田、広沢、池山などの選手が集まったこともありますが、野村監督の功績が大きかったのは間違いありません。
ID=インポータント・データ
自分の仕事に置き換えてもよく分かります。
私が日本一大きな設計事務所を率いているのなら、そこまでデータには拘らないかもしれません。
自分達が小さなチームだと分かっているので、全ての経験を糧としなければ勝てないのです。
室内環境の記録は小さな例ですが、過去の仕事において設計期間、工事期間、建築費、解体費、構造体の種別に坪単価等々、全てデータをとって一覧表にしています。
一目で見比べられることが重要だと思っているのです。
また、クライアントのパーソナリティも出来る限り詳細に記録しているつもりです。
人をタイプによって分けることは不可能ですが、年代や家族構成によって、傾向というものはやはりあります。
傾向が分かるだけでも、選択の精度はかなり上がると思っているのです。
2月に野村克也監督の訃報に触れた時、何か書きたいと思いました。
それで新聞を読んでいた時ですが、「ぼやきは永遠なり」という言葉を読んで、くすりとしてしまいました。
何と言えば良いのか分からないのですが、今は書くのを止めておこうと思ったのです。
弱者が強者に勝てる可能性を示してくれた、ひっそりと咲く月見草に、遅ればせながら哀悼の意を表したいと思うのです。
■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました