台風14号は、幸いにも本州から遠ざかる進路をとりました。
今日も青空が広がります。
内環状線を堺から大阪市内に向かって走っていると、白地に赤の「Furuta」の看板が見えてきます。
子供の頃、レジのそばには必ずあった気がする「セコイヤチョコレート」。兎に角安かった記憶があります。
この建物は工場のようで、調べてみると本社はお隣の生野区。ちょっと寄ってみました。
なかなかに込み入った住宅街の中にありました。
入口右の柱には「大阪税関指定保税工場」とあります。
どういった意味なのでしょうか。
前に流れるのは平野川。
あまりきれいとは言えないですが、平野川と今川の合流地点でもあり景色が開けています。
亀がユラユラと泳いでいました。
彼にとっては、ここがマイワールドです。
「♪フルタ、セコイヤチョコレート♪」のメロディも何となく思い出しました。
飲食のメーカーで言えば、近くに「サンガリア」の本社があります。
平野区背戸口は隣町で、当社から歩いて5分くらい。
「♪いちにいサンガリア、にいにいサンガリア♪」のメロディといえば、分かる人には分かって貰えるでしょうか。
ラムネやみっくちゅじゅーちゅがヒット商品。
何度も聞いたメロディは記憶に刷り込まれているようです。
日経新聞の裏面に連載される「私の履歴書」。
私も楽しみにしているのですが、先月はアートコーポレーション名誉会長の寺田千代乃さんでした。
♪あなたの街の 0123♪
♪アート引越しセンターへ♪
誰もが知るあのメロディです。
創業間もないころでお金もなく、無名の若手に作曲を依頼したそうです。
しかし作詞は別料金と知り、夫である寺田寿男さんと作詞したそう。詞というよりは作文に近いともありました。
1968年の夫が個人事業として創業した寺田運輸から、50年でグループ売上げ1千億円にまで成長させたサクセスストーリーと言って良いと思います。
サクセスストーリーはいつもワクワクするものですが、私が感激し、納得したのはこの電話番号の件でした。
当時、引越しは電話帳や広告を見て電話で引越しを頼む人が殆どだったため、電話帳のできるだけ前にくるように付けた社名だということは、良く知られています。
事業所のあった大東市で開設の申し込みをした際に、3つ提示されたものの1つが「0123」でした。
ゼロから始める自分たちにぴったりと思い、この番号を選びます。
事業拡大するため、まずは「06」のエリアを。東京進出を期に「03」エリアをと、この下四桁を交渉、順に入手していったそうです。
東京のある「0123」の交渉の際、数百万円をふっかけられたことがありました。
普段と桁が違うことに驚きましたが、寺田さん本人が交渉し、何とか折り合いをつけて譲って貰ったそうです。現在は500の「0123」を所持しているとのこと。
アメリカ進出の際に、アート引越しセンターでは、美術品を運ぶ会社だと間違われたこともあり、「the0123」にブランドを統一します。
単なる数字ではなくコーポレートアイデンティティとなったと結ばれていました。
この粘りというか、熱意があれば、絶対成功するだろうことは、はっきりと分かります。
クリニックを開業する際などは、ゴロが良かったり、覚えやすい番号を選ぶのが一般的です。
そのような番号はすでに誰かが所有していることが大半で、電話番号の売買をビジネスにしている会社に依頼することもあります。
そこに頼むことはあっても、まさか自分で交渉して回ったとは……
もし大東市で「0123」が提示されていなかったらと考えると、「運」と言う部分もあるでしょう。
しかし、地を這うような汚れ仕事をコツコツと続けた勝利だと感じるのです。
自分の住む場所を決めたら、あとは行動するだけ。あの亀も私も同じです。
非常に清々しいコラムでした。
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