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『住人十色』撮影現場で1/1の真実を見る‐1460‐

 昨日でピョンチャンオリンピックが閉幕しました。

 今回はメダルラッシュと言ってよい日本勢の活躍。

 中でも、身長155cmの小柄な体で、金メダル2個を獲得したスピードスケートの髙木菜那選手は気になります。

 優秀な妹を持つ姉が、この結果を出した過程を、これからメディアが詳らかにしてくれるでしょう。楽しみです。

 日曜日は曇り予報で、朝から気をもんでいました。

 4月14日(土)放映の「回遊できる家」『住人十色』取材日だったのですが、写真撮影なら延期していたでしょうか。

 しかし、テレビはそう簡単に中止できません。

 何せ人手がかかるのがテレビです。

 午後からのぞきに行ってきましたが、着いたのがまさにカメラが回る瞬間。

 やや迷惑をかけてしまいました。

 2日間ある撮影日のうち、この日はタレントさん有りの日。

 現場としては1分でも時間が惜しいはずです。

 すぐにカメラ反対側の子供部屋に移動し、後ろからのぞいていました。

 タレントさんを写さないのがルールで、ちょっと偏った写真ですが、ご夫妻ともなかなかに楽しそうです。

 出番待ちの長男君と次男君は、ゲームをしながら待機中。

 3歳の娘さんは、ADさんと遊んでいます。

 撮影クルー各々が、撮影をスムーズに進めるために動いているのです。

 そんな中、私が子供を連れて行ったので、若干「空気読めてない」感も伝わってきました。

 それは当然ですし、承知の上です。

 長男のクラブが休み、娘も家に居り、私も休み。

 また、自分の現場でなければ、ゆっくりロケを見ることは出来ません。

 タイミングが合えば、撮影の現場を見せておきたいと思っていました。

 ご夫妻とタレントさんのトークが続く中、1歳の三男君が、泣きながら駆け込んできました。

 昼寝から目が覚めたのです。

 撮影が一旦中断したタイミングでご家族に挨拶し、失礼したのです。

 どうだった?と長男に聞くと「面白かった」と。

 娘に聞くと「別に」と。

 どんなことにワクワクするかは人それぞれなので、何かを誘導したいということはありません。

 ただ、見たことがあれば、正しいスケール感で想像はできます。

 子供達は卓球をしているのですが、張本選手が出ている試合は、食い入るように見ています。

 彼はまだ14歳。目標にして頑張ってみたらとけしかけると「そんなん無理やわ」と。

 長男などは結構頑張っているようで、県の団体戦ですが3位に入っていました。

 小さな画面の中でみると、つい箱の中のスーパーマンの世界に見えてしまうものです。

 根拠のない自信は駄目ですが、サッカー元日本代表監督、イビチャ・オシムのいうスターマニアになってもならないのです。

 設計図面でもそうですが、1/1に勝る図面はありません。

 テレビの画面が大きくなったとはいえ、さすがに1/1でみれるテレビはそうありません。

 オリンピックの金メダリストも生身の人間です。

 世界一の能力を持っているのですが、髙木菜那選手なら155cmの女性であるのは、間違いのない事実です。

 当たり前ですが、1/1の真実を見たければ、その場に立つしかなありません。

 テレビジョンは、テレ=遠くとビジョン=視野、視界を合わせた造語。

 その効用と、弊害をどちらも理解し、活かせるとよいのですが。

スターマニア

 今日は現地調査の日。

 まずは神戸に来ています。梅雨ながら天気に恵まれ有難い限り。

 麻耶山のふもとギリギリまで迫る住宅地。

 神戸がいかに住みよい、また、住みたい街であるかを物語っているようです。

 道が狭いので、パーキングに止め歩いて現地へ向かいました。

 近くに、見覚えのある煉瓦つくりの家が。

 学生時代、何度も寄せて貰った先輩の家でした。

 最後に訪れたのは20年前。夜景が素晴らしかったのを覚えています。

 今回のテーマは「屋根裏を狙え」です。

 一昨日、サッカーの日本代表が2014年ワールドカップ出場を決めてくれました。

 後半はテレビで見たのですが、流石は本田。やってくれました。

 香川、ザッケローニ監督とも「違いをつくれる選手」と、最大の賛辞を送っています。

 しかし選手は「更なるレベルUPが必要」と口を揃えました。元日本代表監督、イビチャ・オシムが少し前に、日本の課題を語っていました。

 厳しい内容ですが、まとめてみます。

 日本もスペインもバスを回すスタイルだが、スペインはチャンスと見るとゴール前までスプリントし、ゴールを狙う。遠藤、俊介、憲剛は、後ろに残ったままで、シュートへの意欲を持たなかった。

 彼らはアグレッシブさを欠いており、パスを出すのが自分たちの仕事で、シュートは他の選手がすべきことと思い込んでいるふしがあった。思うに彼らは、あまりに早く人気者になってしまったのではないか。それが彼らのキャリアに大きな影響を与えた。

 どんなに才能に恵まれていても、美辞麗句を並び立てて賞賛されたら選手は自分を見失う。真面目に練習しなくなるし、プレーにも真剣味がなくなる。遠藤のような選手が、そのために最高のキャリアを築けないとしたらとても残念なことだ。

 日本には、ある種のスターマニアの傾向がある。スターには触れることができない。彼らにもできないことがあるのは傍から見て明らかにもかかわらず、そのことに触れないし批判もしない。彼らは守られている。

 批判を受け入れることが進歩のための唯一の道だが、日本では批判することもされることも嫌う。誰も批判されることを喜ばないのはどこでも同じだ。誰もが愛されながら生きたいと願っている。だがそれでも、進歩のために批判を受け入れている。

 「スターマニア」という言葉には、はっとさせられました。正解や方法論は一つでありませんが、オシムの言葉には説得力があります。

 今回視聴率は38.6%。ワールドカップは世界で最も愛されるスポーツイベント。その舞台で、日本代表を見れることは本当に幸せです。

 本田が言うように、優勝を狙うなら……

 誰もが愛されながら生きたいと願っている。だがそれでも、進歩のために批判を受け入れる。

 頑張れ日本代表、そして自分たち。