土曜日の夜は、大学時代の集まりがありました。
店は西天満にある「エクウス」。
古い一軒家を改修してあるのですが、マスターの世界観が独特でした。
トイレの中がかなり良かったのですが、ちょっと、ここには上げにくものばかり。
猥雑、混沌、ダダイズム。
先日亡くなった、柳原良平のアンクルトリスも。
押さえるべきところは押さえてあります。
料理は本格的です。
この石焼ごはんも名物のよう。味、演出とも繊細でした。
最後まで見送ってくれたマスターは、明るく、中性的な感じの人。
こういった仕事には、そんな感性がストロングポイントになるのだと思います。
お勧めの店です。
二次会は、東通り商店街まで戻り、裏路地へ。
「ドン」はゲイバーです。
強調しておくのですが、私がこういった店が、特に好きな訳ではありません。(別に好きでも全然良いのですが)
この集まりは、二次会ここに来る事が多いのです。
初めて連れて来て貰ったのは25歳の頃だったか。
もう20年になりますが、会員制だったとは知りませんでした。
長いと言っても、私が来たのは10回位ですが。
右は、正真正銘のママ。
「あらア~、久し振りじゃなア~い」
「本当に覚えてるの」とからかうと
「あったり前じゃなア~い。この人でしょう」
タバコの煙でか、変色していましたが、「白馬の山小屋」のポストカードです。
1999年の年賀状に使いました。当時は少しでも自分の事を知って貰いたく、持ち歩いていたのです。
「俺は必ず安藤を超える」とか言って手渡ししたのだと思います。
ざっと見渡しても、貼られているポストカードはこれ一枚だけ。まず、感激しました。
そして、この20年、精一杯生きてきたのだろうかと自問してしまいます。
「ドン」は今年で30年だそう。
この場末のゲイバーが30年続き、仕事の顔とは言え、楽しく働き、そして暮らしているという事実。
世界的には同性婚も認められていく流れです。
しかし、彼らがマイノリティーであるには変わりはありません。少数派であるが故に分かる、人の心の機微。
更にそれを芸として生き抜く逞しさ。
皆と別れたのは2時頃でした。何となくそのまま帰る気分でなく、北新地の友人の店をのぞいてみまいた。
店じまいの準備をしていましたが、結局朝方まで話をしていました。朝まで飲んだのは何年振りか。
自分のストロングポイントとは。強くありたい、しかし、心の機微の分かる人間でいたい。
楽しく、そして、少し苦いキタの夜だったのです。