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バイバイする木‐1803‐

 梅雨の合間というよりは、晴れの合間の梅雨といった感じです。 

 郊外の現場から移動しますが、カーナビが普及するまでは「抜け道マップ」にお世話になりました。

 こんな道路は「快走ルート」と表記されていたはずです。 

 道端に咲くマツバギクは、日の光を浴びてキラキラと。

 写真ではそこまで伝わらないのですが、まるで天使の輪のようでした。

 野花は語らぬところに美しさがあるものです。

人は人であり
草は草であり
松は松であり
椎は椎であり
おのおの栄えあるすがたを見せる
進歩というような言葉にだまされない
懸命に 無意識になるほど懸命に
各各自らを生きている

木と草と人と栄えを異にする
木と草はうごかず 人はうごく
しかし うごかぬところへ行くためにうごくのだ
木と草には天国のおもかげがある
もううごかなくてもいいという
その事だけでも天国のおもかげをあらわしているといえる
-八木重吉- 詩人 「万象」より

 八木重吉は、昭和初期に29歳の若さで没した自然派の詩人です。

 現在の筑波大を出ると、御影師範学校で英語教師として教鞭をとりました。

 第一詩集『貧しき信徒』は「野菊社」から出版されましたが、結核に倒れた4ヵ月後のことでした。

 ゴールデンウィークに池原ダムへ行った時のこと。

 何度も立ち止まって見たのですが、どうみても木が自分で葉を振っているのです。

 数枚の葉だけが、まるで「バイバイ」をしているように。

 食虫植物もあるので、それほど珍しいことではないのかもしれませんが、少しの間、この木を眺めていました。

 「万象」の中に「木と草はうごかず 人はうごく しかし うごかぬところへ行くためにうごくのだ」とあります。

 動かぬところへ行くまでの過程が人生。

 懸命に、無意識になるほど懸命に生きれているのだろうか……

 四十にして惑わずのはずが、五十にして反省ばかりの毎日です。

 しかし反省だけしていても変化は起りません。

 動かぬ木が動くくらいですから、駄目なところは今すぐ「バイバイ さようなら」です。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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