
最終日となる4日目の朝も、早めに起きて台北中心部のホテルをでました。

まずはホテルからも近い雙連朝市へ。

基本は屋台ですが、魚も売っています。
スズキやボラのような魚も並んでいました。

路地の奥をのぞくと、「粥」の文字が見えています。
行ってみると、メニューに日本語もあります。
6席しかありませんが「ここで食べてもいい?」と聞くと大丈夫だと。
鶏肉+しらす+ピータンのお粥、85元を頼みました。

これが抜群に美味しい!
店員がボールの中でコトコトと潰しているのはピータンのよう。ピリッと味付けされたしらすとともにそのピータンがいい味を出しています。
食べていると、このお粥を取材した日本の番組の映像が流れていました。
有名店だったようです。
提灯にあった鴉片粥は「アヘン粥」の意味で、そのくらい癖になるのです。
第五家麵線の鴉片粥、看板に偽りなしのお味でした。

台北の東部まで移動し、ねじれマンションを再訪しました。
陶朱隠園(タオヂュインユェン)はベルギー人建築家、ヴィンセント・カレボーの設計で2018年の完成です。
工事は熊谷組が担当したようで、Webサイトに詳しい情報が載っていました。
このマンションのことは情報としては知っていましたが、実物を見たインパクトはその5倍くらいの衝撃でした。
その奇抜な外観とは裏腹に、車もエレベーターで上がれるという中央のガラスシャフト部に、住戸部分がずれながら貼りついているという、意外にもシンプルな形態です。

色々な角度から見てみましたが、その張り出しの大きさはかなりのもの。
それにもかかわらず、不安感を与えないのは、ずれていく距離感が絶妙なのと、連続していることによるものだと思います。
23,000本による緑化に加え、太陽光発電や雨水リサイクルといった環境への配慮も極めて高いレベルで達成しているという、驚くべき建築です。

下層階にわずかに人の痕跡を感じましたが、1戸80〜140億円という価格帯と、購入者への厳しい審査によって、殆ど売れていないという記事も見ました。
微妙な気持もありますが、新たなランドマークとして、この建物の価値を守っていく戦略でもあり、活気ある台湾の象徴でもある訳です。
その名前は、約2500年前、王に命を狙われる程の力を持った中国商人の隠れ家を意味するそう。
言い得て妙ですが、使われてこそ建築とも言えそうです。

すぐ近くには、台湾で一番高い台北101が見えます。
それがかすむくらいの存在感でした。

興奮冷めやらぬまま、MRTで台北の南部に位置する台湾大学へ。

台湾大学社会科学部は伊東豊雄の設計で、2013年の完成です。

キノコが連続するような有機的な柱と屋根の形態は、伊東ならではという感じ。

受付でパスポートを預け、PCで登録をすると入館カードのようなものを借りれます。

暑かった台北で、冷房の効いた快適な図書室で、ちょっと台湾を勉強。

台北で最後の食事は、中心部に戻り四平街番茄牛肉麺へ。
刀削麺をどうしても食べたかったのです。

看板には「日本のガイドブックにも……」という文字まで上がっています。

それでも、刀削麺は衝撃でした。
入り口前で、包丁で切った麺を大鍋に飛ばして入れる様は、見ていて全く飽きません。

レジ横で40元の小皿をセレクト。

入口脇の席を確保。

すぐに出てきました。
トマト牛肉刀削麺180元です。

パスタなら想像できますが、トマトの味つけってどんな感じなのだろうと思っていました。
台湾料理全般がそうでしたが、きつい味ではないのに、飽きずにしっかり食べれます。
トマトの酸味がゴロゴロとした牛肉の塊に非常にあっていて、太目の刀削麺は食べ応え十分。
小皿のナスの煮ものも、日本人が大好きな味つけで、大満足でした。

再びMRTで東へ移動して昆陽へ。

すぐ北には古い街並みが残っており、新旧入り混じった風景が美しい街でした。

少し東にある「台北ミュージックセンター」は、「高雄港クルーズターミナル」と同じくReiser+Umemotoと、台湾の宗邁建築師事務所による共同設計で、2020年の完成です。
貝のようなフォルムと、有機的な開口が唯一無二の外観を形成しています。

最後に訪れたのは、北部に位置する「台北パフォーミングアーツセンター」
レム・コールハース率いるOMAの設計で2022年の完成です。

波打ったガラスが内部からの景色を一変させていました。
もう台湾の現代建築には、圧倒されっぱなしで、台北郊外の台湾桃園国際空港へ向かったのでした。

桃園空港線の台北駅は槇文彦の設計で、2017年に開業しました。
槇文彦は2024年に逝去されましたが、王道を行く日本人建築家の仕事にほっとするのは、私が日本人だからでしょうか。

少し早めに空港へ行き、残った台湾ドルを日本円に両替しました。
高雄の空港は手数料が30元だったのがこちらでは100元。約500円です。
意外に現金が必要な台湾では、結論で言えば大阪で両替するのが最も効率が良かったです。
平日の台湾国内の銀行で両替すればそれが一番ですが、どうしても初めに現地通過が必要になるので、このあたりは参考にして貰えればと思います。

夕焼けとともに台湾とお別れ。
ただ、18時20分の出発予定が18時50分になり、関空に到着したのが22時30分でした。
出国のための移動は全て小走り。
入国審査、税関申告とも先着5名内で切り抜け、預けていた荷物も無いので、全てを23分でクリア。
特に税関申告は、デジタル庁の Visit Japan Web でQRコードを作成しておけば一瞬で通過できました。
ギリギリ23時の終電に間に合いました。

終電の急行かなと思っていたら、22時55分のラピートが出る寸前で、ホームで特急券を買って飛び乗ったのです。

天下茶屋、長堀橋で乗り換え、家に着いたのは23時55分。
何とかその日のうちに戻れました。

コロナ前の2019年の香港行き以来、7年振りに海外へ出ました。
私の写真など必要ないと思いますが、夜市をうろつく56歳を載せておきます。
50歳であれ、60歳であれ、知らない街に降り立った時のワクワクが、何より好きなのです。
しっかり働いて、次はどこへ行こうかと思いを馳せるのです。
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