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世界最大の祭典開幕。50億人のモチベーション‐1959‐

11月20日(日)にワールドカップ、カタール大会が開幕しました。

世界人口80億人のうち、50億人が視聴すると言われる世界最大の祭典です。

昨日は日本代表の初戦。

ドイツ戦でいきなりやってくれました。

祝日の22時キックオフは大変ありがたい時刻。

普段はスマホにかじりついている子供たちも、テレビの前で一緒に応援しました。

開始早々の7分。いきなり見せ場をつくります。

右サイドを、伊東が得意のドリブルで持ち上がり、中央の前田大然へ。

決まったかに見えましたが、残念ながらオフサイド。それでも日本が得意の形を見せ、期待感は高まります。

しかし前半はここからが長かった。

日本の戦術、ハイ・プレスが全く機能せず、ドイツに面白いようにあしらわれます。

まるで子供扱いで、ここまで差があるとは想像していませんでした。

ゴールキーパーの権田は好セーブを連発し、最終的にはマン・オブ・ザ・マッチに選ばれるのですが、ゴール前でファールをとられてしまいます。

このPKを決められ、前半33分に1点を奪われました。

その後、追加点となってもおかしくない場面もありましたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定でオフサイド。

優勝候補でもあるドイツに、何とか1失点で前半を折り返しました。

この時は「これは大敗するのでは」と、正直思ったのです。

森保監督がいきなり交代のカードを切ります。

後半開始から、久保に代わって怪我の心配もあった冨安を投入。

ビッグクラブ、アーセナルに所属する実力に期待が高まります。

このタイミングで3バックにシステムを変更しました。

日本代表戦しか見ないレベルのサッカーファンですが、日本人監督は基本的に動くのが遅い印象があります。

しかし、今大会の日本代表は凄かった。

続けて、後半12分に三苫と浅野を投入します。

システムの変更で得意のハイ・プレスが機能しはじめ、良い時間帯が増えてきました。

さらに後半26分に堂安、30分に南野を投入し、超攻撃的な布陣を組みます。

左サイドをイギリスのブライトンで活躍する三苫が得意のドリブルで突破。

そして南野へスルーパス。

後半30分、角度のない位置からシュート。

リヴァプールそしてモナコに移籍し、結果がでていないことに忸怩たる思いがあったでしょう。

しかしその技術は本物でした。

キーパーがはじいたこぼれ球を、尼崎の星、堂安が決めてくれました。

試合後のコメントも「絶対俺を使え!」という感じ。

このふてぶてしさも彼の魅力です。

そして後半38分。この浅野のトラップが全てだったでしょうか。

2ヶ月実践を離れていた彼を、森保監督が呼び寄せた訳です。

世界最高レベルと言われるノイヤーの、狭いニヤサイドから上に向かって撃ち抜きました。

早い交代、戦術の変更、流れの中からの2ゴールで逆転。

こんな胸のすくような試合は見たことがありません。

しかも相手はワールドカップ4回の優勝を誇る、強国ドイツです。

浅野のゴールも、ボランチ遠藤の貰ったファールからのフリー・キック1本で生まれたものでした。

ドイツ1部リーグで、対人の強さナンバーワンは伊達ではありません。

また、ヨーロッパ・チャンピオンリーグで3試合連続ゴールを決めている鎌田。

彼の実力もこんなものではないでしょう。本当に日本代表も多くのタレントが集まったものです。

日本代表は、1997年「ジョホールバルの歓喜」で1998年フランス大会で初出場を果たしました。

中田英寿のシュートをゴールキーパーがはじいたこぼれ球を、野人・岡野が流し込んだのがつい先日のようです。

私はアトリエmを設立して2年目の27歳の時でした。全く先など分からない、ただ夢しかない自分の人生を重ね合わせていた気がします。

名曲に人生の一場面を投影するように、50億人のサポーターもこの大会に人生を投影します。

それが年輪のように刻まれ、後の人生のモチベーションとなるのです。

ただそれは名曲でなくてはなりません。最高の試合を日本代表が見せてくれました。

次のコスタリカ戦でグループリーグ突破を決め、もう1本、深い年輪を刻ませて欲しいものです。

頑張れ日本代表。そしてそれ50億人。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載

メディア掲載情報

引退

 7月3日の夜に、中田英寿選手の現役引退が、彼のWEBサイトで発表されました。間に誰も介さず、というのは彼らしいと思います。

 私もひと月に2、3度UPされる”Hide’s Mail”を、楽しみにしていた一人です。

 その内容は、試合の反省、ファッション、音楽、食事など様々です。建築や家具の話も多くありました。

 また、海外で暮らしている上に旅好きという事もあり、旅行記のようでもあるのです。

 ”最高のアスリートは最高の哲学者であり、詩人でもある”を地で行く彼が、”アスリート”でなくなるのは本当に残念です。

 10年を超えるサッカー選手の次はハーバード大学で経営を勉強するようです。

 その後、彼が成功したとして、毎週メッセージを楽しみにWEBサイトを訪れる・・・・・・というイメージは湧いてきません。

 それ程サッカーという国際的なスポーツで、世界を舞台に戦う彼の言葉が気になりました。

 同じ日本人と言うだけで、彼が活躍すると痛快でした。自分も世界の舞台で勝負してみたい、といつも思わせてくれるのです。

 サッカー後の人生についてもいろいろ発言しています。”建築にも興味がある”とも。

 建築家を目指すのなら、こちらもキャリア10年、絶対負けないぞ!と半ば本気で思っていたのです。

 しかしそれは無くなったようです。

 引退メッセージの題は”人生とは旅であり、旅とは人生である”でした。

 ひと月ほどヨーロッパを旅するようですが、旅は自分との対話でもあります。

 ゆっくり話し合って、ゆっくり答えを出して下さい。

 今までいろんな夢を見させてくれた事に心から感謝します。

 ブラジル戦後と同じになりますが、ありがとう、そしてお疲れさま。

最後の試合には・・・・・・

 日曜日の夜は、日本中が歓喜の渦に!・・・・・・という訳にはいきませんでした。

 大事なクロアチア戦はスコアレスドロー。負ければ予選敗退がの崖っぷちから、最終戦に僅かな希望を残すことになりました。

 初戦のオーストラリア戦敗退から、満を持して挑んだ試合は、欧州予選を無敗で突破した強豪に互角以上の戦いでした。ペナルティーキックをGKの川口が止めた時には、ご近所からも「ウォー!!」という歓声が。勢いに乗って得点出来れば良かったのですが、決定機になかなかシュートが。

 それでも前半に見せた中田英寿のロングシュート、後半から入った稲本の強さなど、良い部分もたくさんありました。

 次戦は世界ランキング1位のブラジルに2点差以上の勝ちが必要最低条件です。

 6/22(木)28:00にキックオフ。ようするに金曜日の朝4:00からなので、明日から早起きに切り替えて行くつもりです。

 サッカーはチームスポーツという事を十分踏まえても、日本サッカーのプロ化からワールドカップ初出場までの最大の功労者が三浦和良なら、その後の3大会においては、中田英寿だったことは間違いないでしょう。

 彼は現在29歳。今大会で代表を引退するかも?と言われています。
 
 孤立を恐れない言動と、強い意志の現れる表情には”孤高”という言葉が良く似合います。次戦が多くの情熱を注いできたであろうサッカーの集大成となる事を願うのです。

 少し前ですが2004年12/13にテレビでジョルジュアルマーニとの対談がありました。尊敬と感謝の気持ちを込めてここに載せておきます。結びの言葉が現実となるよう……

アルマーニ:ファッション界ではあたりまえだけど、スポーツの世界でも間違いなく創造性を必要とするよね。

 でも私が思うに、日々の鍛錬が一番大事なんだ。

 どのように自分が生きたいかということを、日々考えることは、スポーツでもファッションでも重要なことなんだ。

 たまには周りの事を無視するのもいいと思う。一度自分の道を決めたら、それを進むべきだ。

 例えば、僕が新しいトレンドを作ったとする。すると自然に僕はファッション界で孤立することになる。

 でもその時初めて、本当の自分の仲間を見つける事が出来るんだ。リスクはもちろん伴う。

 でもあえて孤立することで自分のアイデンティティーを確立することができるんだ。そう思わないか。

中田:そうですね。でもそうするためには、自分が強くならなければいけないですね。

 はじめのうちは、自分に賛成しない人達もたくさんいるだろうし、批判もされるだろうし。でも最後には……

アルマーニ:(中田に合せて)そう最後には勝つ。主義を貫き通せば最後には報われる。

 しかも自分の業績が認められれば、さらに前進することが出来るんだ。