最期のメッセージ‐1117‐

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 秋口から、近くの電柱にヒヨドリがやってきます。

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 木の実を電柱に打ちつけ、殻を割り中身を食べているのです。食べ損ねたものがいくつか下に。近所の人に聞くとマキの実だそう。

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 早朝から「カン、カン」と高い音が響き、目覚まし代わり。子供達はカンカン鳥と呼んでいますが、いつまでこの実が採れるのか。

 一昨日、高倉健さん亡くなると、報道がありました。

 実際の命日は11月10日。近親者のみで葬儀はとり行われ、最期も自身の美学を貫きました。

 遺作となった「あなたへ」の公開が2012年の夏。その時のドキュメンタリー番組を見て、初めて特別な俳優だと理解しました。

 「映画俳優っていうのは良い仕事で、こういうのはいい人間だよって、ずっと教えて貰ったのかもしれない。

 こういう人生もあって、みなさんどうですかって。こういう生き方も悪くないんじゃないですかってちょっと見せたい」

 「俳優という仕事には、生き方がやっぱりでているよね。テクニックではないんでしょうね。

 柔軟体操なら、いいトレーナーにつけば体を壊さずに柔らかくなる。いい本を読めば知識はつく。

 しかし、最もでるのは普段の生き方。偉そうなことを言うようですけど」

 2013年の文化勲章受賞が決まった際は、このようなコメントを発表しました。

 「今後も、この国に生まれて良かったと思える人物像を演じられるよう、人生を愛する心、感動する心を養い続けたいと思います」

 スタッフのマルコはイタリア人で、時々こんな事を言います。

 「日本人はよく、良く頑張って、と言います。イタリアならボオナ・フォトゥナ。(=グッド・ラック)

 日本には頑張る文化がある事と、頑張れば何とかなる国だと良く分かります」

 経済がややダウンしたとは言え、頑張れば、私も何とかなると思っています。当たり前の日常が当たり前なのか。

 感じる、感動する心は自分で養うものだというのが、高倉健のラストメッセージなのかもしれません。

 自分の使命を見つけ、ひた向きに生きた映画俳優83歳。どこまでも格好良く、そして寂しく。