梅雨とは名ばかり。久々の徹夜あけに、太陽がまぶしすぎます。
良いコンディションをキープするのがプロなら、徹夜は完全に失格。イチローはこう言います。
「寝ずに考えたんだけどは信用しない。大事な決断こそ良く寝て朝に、ですよ」
プロポーズも朝したそうです。
よって、イチローには遠く及んでしないのですが、たまには若い頃を思い出すのも良いものです。
作家・山崎豊子が亡くなったのは昨年9月。
1月から「大地の子」を読み始めましが、5ヶ月掛かってしまいました。
彼女は船場の出身で、初期の作品はそれらを題材にしています。
その実家は、老舗昆布屋の小倉屋山本でした。
小倉屋山本と言えば、オーガニックビルのオーナーです。
『住まいの設計 2011年3月号』で「地元建築家がガイドする名建築」にナビゲーターとして寄稿しました。
チャレンジ精神旺盛な大阪らしい建築として、このビルも取り上げました。
山崎豊子はその大阪を離れ、より大きなテーマで小説を書くようになって行きます。
「大地の子」は、中国残留孤児が描かれています。兄妹の悲惨な幼少期、青年期は、もう目を背けたくなる話ばかり。
途中で辞めようかとも考え、間に数冊の本を挟みました。
読み進む時、何度も浮かんでくるこの言葉。
この作品は、多数の関係者を取材し、小説的に構成したもので、登場する人物、関係機関なども、すべて事実に基づいて再構成したフィクションである。
出来れば嘘であって欲しいとまで思います。フィクションだが真実。
一体、本に何を求めているのだろうと考えさせられました。
知識、感性など得られるものは沢山ありますが、明日へ向かうエネルギーなのかなと思います。ただ、読み終えて1週間経ちますが、心の整理がついていないと言うか……
しかし圧巻の長編だったのは間違いありません。