前回は、大晦日に草津温泉へ到着したところまで書きました。
元旦の朝、雪道を富岡製糸場へ移動です。
昨年、世界遺産に登録されたばかり。木骨レンガ造の建物は明治初期のままです。
明治維新の後、日本が近代化をたどる、その先駆けとなったのがこの富岡製糸場。
操糸場では大空間を確保するため、和小屋ではなく、トラス構造で屋根が支えられています。
ただ、観光地としての整備はこれからというところでしょうか。
飲食店が開いておらず、名物ホルモン揚げで子供の機嫌をなんとか。元旦なので文句は言えませんが。
富岡を後にして、上信越道、関越道、北関東道、東北道と乗り継ぎ、日光へ向かいます。
関東平野の北部をぐるっと回る感じ。あらためてその広さを実感します。参拝時間にたどり着けず、翌2日(土)の朝の参拝になりました。
東照宮は初めて来ましたが、その名の通り、朝日が金細工を照らす様は圧巻でした。
しかし写真ではもう一つその美しさが……
長い戦乱の世を終らせた家康への尊敬の念が、家康信仰の源になっています。関東に住まない私は、もう一つピンと来ていませんでした。
それに加え、それぞれの建築に施された彫刻は、見所のオンパレードといった感じ。
「みざる、いわざる、きかざる」は、子供への教訓を形にしたものだそうです。つい分かり易い写真を選んでしまいます。
五重の塔も、まったく赴きが違います。
五層目の垂木のみが扇状に配置されている中国式。完璧からは崩壊が始まるという考えから、リズムを乱しています。
天下人とは、かくも用心深いのです。
家康信仰と自然崇拝の両方があって、日光東照宮成り立っているのだと、その場に行きよく分かりました。
見ていなければ「猿軍団の町」くらいに思っていたかもしれません。
日光を後にし、茨城の古河へ。目当ての店が休みで、そのまま東へ向かいます。3日目の宿、富士山へ向かいます。
当初は、沼津泊の予定でした。渋滞を避けるため寸前に変更したのですが、圏央道、中央道とも渋滞なし。
夕方には河口湖を通過。夕食はほうとう鍋でした。
3日(土)は早起きして、精進湖へ。
子供は起きず私だけでした、これは後悔しました、叩き起こしてでも連れていくべきだったと。
氷点下10度以下まで下がり、氷の張った湖面に映る逆さ富士。
仕方なく、朝食のあと子供を連れて同じ湖畔へ。氷は乗れるくらい厚みで、はしゃぎまわっていましたが。
昼は信玄のお膝元、甲府へ移動。
富士を望む、何と美しい盆地か。駅前で蕎麦と鳥モツを食べ、最後の目的地、長坂の清春芸術村へ。
藤森照信設計の「茶室徹」は2006年。
2011年完成「光の美術館」は安藤忠雄の設計。
内部に照明器具はなく、自然光のみでアントニ・クラーベの作品を鑑賞します。
隣にあるのはジョルジュ・ルオーを記念して創られてた「ルオー礼拝堂」は1886年の完成。
昨秋、京都国立博物館の平成知新館を設計した、谷口吉生の初期の作品です。これで全工程終了。
3泊4日、草津、富岡、日光、古河、上九一色村、甲府、長坂を巡る旅。家族で全県制覇は、残すところ10県になりました。
1500kmくらいは走ったでしょうか。我ながら馬鹿なことをやってるなと思いつつ。
一番心に残ったのは富士でした。これは子供も同じよう。関東、信越のどこに居ても、常に富士山を探してしまいます。
家康信仰と同じく、関東平野をぐるっと周り、改めてのその美しさと、存在感を知りました。
反対に、住んでみなければ、 本当の価値は分からないのが、家康と富士なのではと感じたのです。
今日が、当事務所も仕事初め。
一富士、二鷹、三茄子。縁起のよい写真でスタートします。
<目指せ、家族で47都道府県制覇>
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