昨日は、長男と一緒に奈良県の池原ダムへ。
大阪は良い天気だったそうですが、流石に日本一の降水量を誇る大台ケ原山系。
予報は一日雨でした。
しかしこの季節の雨は、基本的によく釣れます。
嬉しいとまでは言いませんが、嫌ではありません。
初心者でも釣りやすい仕掛けにはしていますが、長男も午前中5匹、昼から3匹。
全て自力で釣り上げました。
ダム湖がある下北山村はブラックバスを村の観光資源として輸入しており、公式webサイトにも紹介しています。
そのサイトにあるトボトスロープという施設で、お金を払ってボートを降ろし、入漁料を払って釣りをします。
主要産業が林業しか思い浮かばないこの地域。
自然を楽しみ、お礼としてのお金を払うことで、この環境が守られるなら、むしろ有り難い事だと思っているのです。
バスフッシングの本場アメリカでは、ルアーで、誰が一番多くのバスを釣るかを競う競技が生れました。
その試合をトーナメントと言うのですが、優勝すれば賞金が1億円という試合もあります。それらの試合に出る人たちをパスプロと呼ぶのです。
日本にもトーナメント組織がいくつかあり、最もメジャーなのが、JB・NBC。
バスフィッシングに限れば、JBのTOP50というカテゴリーが、最高レベルの舞台です。
簡単に言えば、連れた魚5匹の総重量を、3日間で競うというルールです。
昨年の総合順位15位は山岡計文という選手。彼はこの下北山村の出身です。
ボートを上げて貰い、船の片づけを始めると、山岡計文プロが(こういう呼び方をするのです)居ました。
この日はガイドだったそうですが、今、日本で15番目にバスフィッシィングが上手い人と言えます。
声を掛けると、とても礼儀正しく、気さくな人で、聡明な印象も受けました。34歳だそうです。
彼はメーカーとタイアップして、ルアーをプロデュースしています。新発売したルアーを子供にプレゼントしてくれたのです。
バスフィッシングを始めて30数年。池原ダム、七色ダムに通うようになって20年以上。彼の名前はトッププロになる前から知っています。
10年位前は、頻繁にこの湖に通っていたのですが、その頃は2月、3月から釣りに来ていました。
他の施設でしたがボートを上げると、概ねがボーズの中(1匹も連れない事)、良いサイズを10本も上げた人が居ると聞きます。
私は全く手も足も出なかった中、どんな釣り方なら、そこまでの魚が釣れるのか、と思ったものです。
そんな事が何回かありました。その人が彼だったのです。
トップカテゴリーへ行くまでは、下位の地域カテゴリーで勝ち抜いて行く必要があります。
池原ダム、七色ダムで、彼は絶対王者という存在でした。自然環境が大きく影響するバスフィッシィングの中では稀有な存在と言えるのです。
付いたニックネームが「リビングレジェンド(生きる伝説)」。あれよあれよと言う間に、TOP50にまで上り詰めて行ったのです。
調べてみると2009年から参戦し、2012年の第1戦、早明浦ダムでは優勝していました。早明浦ダムも同じような山上湖で、条件が似ているのです。
2015年 TOP50 年間成績 15位
2014年 TOP50第1戦 七色ダム 4位
2012年 TOP50 第1戦 早明浦ダム 優勝
2009年 TOP50 参戦
釣りが上手く、かつ一般の人にも釣らせる技術を公開できる人が、トッププロへの階段を上がって行きます。
この日の私も、山岡プロが世に広めた釣り方がメイン。彼がプロデュースしたルアーでも釣りました。
「どんどん技術を公開していくと、メーカーの人も“影響力のあるプロ”と認めてくれ、プロデュースの話なんかもくるんです」と言っていました。
私は謙虚でない人を信用しません。たとえ、現在結果を出していたとしても、傲慢ならそこで成長は止まると思うからです。
事実、素晴らしいなと思う人は一様に穏やかで、皆「柔らかい」という印象を受けました。
今後は一層彼を応援したいと思います。しかしリビングレジェエンドになんて呼ばれてみたいものです。
船上の写真で、5匹を水槽に生かしていたのが見えたでしょうか。
プロを目指すつもりはありませんが、トーナメントに出て、自分の技術を試してみたいという気持ちは、以前から持っています。
しかし、仕事中に心を奪われるような趣味を持っているようでは成功しないとも教えて貰いました。
勿論そこまでではないのですが、彼を見て、出てみたい気持ちが少しグラリと……