大阪府の南の端っこ、南河内郡河南町にある”古川庭樹園”というところに行って来ました。
設計した住宅の庭木を選ぶのが目的で、造園屋さんはここから木や植物を仕入れるのです。
古川庭樹園は、日本列島植木植物園という運動に参加しており、自然林に近い園内を、一般の人が見ることもできるのです。
現地に着くと、まずそのスケールに驚きます。
大げさでなく見渡す限り、山の斜面全てが敷地なのです。
現地を案内してくれたスタッフからは、植物を愛する気持ちが真っ直ぐに伝わって来ました。
”こんな感じの樹形のものは?”とか”この場所にはこんな感じの木を”というリクエストに、山の中を3時間も掛けて案内してくれました。
嫌な顔をするどころか、むしろ嬉しそうに。更に、
”家庭=家と庭で出来てるんやから、どっちも同じくらい大事なものやで”
”garは囲うという意味。つまりgarden(ガーデン)はeden(エデン=楽園)を囲ったものなんや”
と、庭がどれほど大切なものか、熱心に私に説くのです。
自分の仕事に使命感と熱意を持っている人に会うと、無性に嬉しくなります。
そんな人と仕事が出来る時、その出会いに感謝するのです。
”いいサルスベリがあるから見ていかないか”と言われました。
今まで”花は美しいが、立ち姿が・・・・・・”という印象で、あまり関心がありませんでした。
しかし、それは自然な樹形が美しく、見事な花を付けていました。自然に近い状態で育てると、こういう形になるそうです。
”美の源泉は自然にあり”とは稀代の芸術家、北大路 魯山人の言葉。
手を加えすぎないほうが良いのですが、建築、料理などなど、自然を実生活に持ち込む際は、このあたりの加減がとても難しいと思うのです。