大名古屋と小名古屋‐1491‐

 先週の日曜日、CSでビフォーアフターの再放送をしていると、中高の大先輩が教えてくれました。

この建物を、6年の間に何度紹介して貰ったかと考えると、多くの時間とエネルギーを投入して良かったと思えます。

 梅雨入り後ですが、今日も気持ちの良い朝でした。

 縁側の掃き出し窓をあけると、「チリーン、チリーン」と涼しげな音色。

 休みの日に、娘が風鈴を作ってきました。

 学校も元気に行っています。担任の先生がとても熱心で、週に何回かは放課後にまで勉強を見てくれるそう。

 こんな話を聞くと、まだまだ日本も捨てたものじゃないと思うのです。

 先週末は名古屋へ出張でした。

 大阪で進めている住宅のフルリノベーション計画ですが、クライアントは名古屋在住です。

 その打合せに、今回は私が伺うことにしました。

 名古屋駅周辺の建築は3月に回りました。スパイラルタワーズをはじめ、個性的なものが沢山あります。

 JRセントラルタワーズは名古屋駅の上に建つ高層ビルで1999年の完成。

 一時は、世界一規模の大きな駅ビルとしてギネスブックに載っていたそうです。

 JR名古屋駅の改札前に、沢山の人が待ち合わせをしていました。

 大阪で言えばBIG MAN前といった所でしょうか。

 少しは早めに着いて、味噌煮込みうどんの山本屋本店エスカ店へ。

 注文すると、先に漬物がでてきてこちらはお代わり自由。

 隣のおじさんは、まずは焼き鳥と漬物で一杯やっていました。

 仕事でなければ、あやうくビールを頼んでしまうところでした。

 グツグツと煮立って出てきました。

 エビ天を入れて1600円程。大阪の人間からすると、うどんがちょっと粉っぽいのですが、地域の食べ方なら納得できます。

 味、店員さんの応対も含めて十分満足できました。

 名古屋名物で言えば残すは、手羽先、エビフライ、モーニングでしょうか。

 いずれも楽しみです。

 その後、名古屋駅の向かいにある大名古屋ビルヂングへ。

 2015年の完成です。

 旧ビルも同じだったようですが、なかなか思い切った名前です。

 ここにショールムームが集まっており、TOTO、YKK、タカラスタンダードと回りました。

 高層階からは名古屋城を見下ろします。しかし、濃尾平野はとにかく広い。

 トイレ等のTOTOは福岡のイメージでしたが、前身の会社は名古屋で創業されたと知りました。

 1876年、森村市左衛門が東京の銀座で貿易商社を起こしました。

 その後、海外で人気の高い陶磁器を早く調達するため、瀬戸、美濃の近い名古屋に、「日本陶器合名会社」を設立。

 1904年のことです。

 ここから「東洋陶器株式会社」が生まれ、後に「TOTO」となります。

 ノリタケカンパニー、日本碍子なども同じ源流をもつ企業のようです。

 便器に関しては、やはりTOTOのクオリティは高いものがあります。

 「世界最大級のセラミックス集団」という言葉に、迫力と納得を感じます。

 詳しくは書きませんが、あるショールームでアテンドしてくれた女性の言葉が少し気になりました。

 そういったことは、はっきり言わせて貰うので、何も腹に残っているものはありませんが、やはりビッグエンタープライズにこういった傾向は強いと思います。

 現在の成功は、これまでの偉大な先人、先輩の努力の賜物です。

 そういった会社に入るには、多くの競争があるのでしょうが、それは仕事のスタートに過ぎません。

 そこに居る人が偉いと勘違いしてしまう人を時々見かけるのです。

 その中心にあるのは「あなただけがお客さんじゃない」という思想だと思います。

 多くのシェアがあるので、ある意味そうとも言えます。しかし、それを公言しても求めてくれる人はどのくらい居るのかなとも思うのです。

 現実は大名古屋。心構えは小名古屋。そんな姿勢が、繁栄を生み、持続を生むのだと思うのですが……

 名古屋はあくまで例えですので、誤解なきよう。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

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【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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