派手で見栄っ張りで何が悪い<名古屋>‐1464‐

 今日、明日と晴れ空が続くようです。

 空気の冷たい快晴は、とても気持ち良いのですが、花粉症の人には辛い時期になりました。

 娘にゴーグルを与えたのですが、結構な効果があるよう。気になる方は一度試して下さい。

 (コクミンには子供用がありました)

 昨日は、早起きして今年2回目の近鉄特急。

 今回は妻と娘の3人です。

 前回は鳥羽で、今回は名古屋行き。アーバンライナーで2時間です。

 名古屋駅から栄(さかえ)エリアまで地下鉄で2駅。

 オアシス21は、錦通と久屋大通の交差点に位置するバスターミナル等の複合施設です。

 大林組の設計・施工で2002年の完成。

 水の宇宙船と呼ばれる大屋根を、ぐるりと歩けるようになっています。

 こわごわ登ってみました。

 中央は水盤になっており、素晴らしく気持ちのよい景色です。

 ガラス手摺が少し内に傾斜しているのにも、好感がもてます。

 すぐ北にあるのは名古屋テレビ塔がまた美しい。これは後で触れてみようと思います。

 「魚がいる」と娘が言うので驚いて行ってみると、地下1階のベンチが見えました。

 デザインとは、時にユーモアでもあるのです。

 地下1階から吹抜けの空間を、ユラユラと波紋を含んだ光が落ちて行き、何とも気持ちのよい空間を形成していました。

 栄駅から西に歩くと、ルイ ヴィトン名古屋。

 1999年の完成で青木淳の設計です。

 更に南西に歩くと、三越、丸栄、松坂屋と百貨店が建ち並びます。

 丸栄百貨店は、村野藤吾の設計です。

 1953年日本建築学会賞を受賞していますが、今年の6月に閉店、解体が決まっています。

 コーナー部の処理は、コルビジェを思わせるもの。

 西面のモザイクタイルは、確かに前時代を感じさせます。

 大阪の雄、村野藤吾設計の百貨店と言えば、ミナミのそごうも解体されました。

 寂しいのは寂しいですが、時代の流れはどうにもなりません。

 昼食は、ラシックという商業施設の「竹三郎」と言う店できしめんを食べました。

 味噌カツ丼とのセットはちょっと乱暴なセレクトですが、十分に美味しかったのです。

 ここで娘と妻は名古屋港水族館へ。

 私はひとりで街歩きです。

 名古屋の栄エリアは、神戸三宮の道を広くしたような街で、とても歩きやすく、また繁華街自体が大きく、歩きごたえもあります。

 こんな建物も見つけました。

 西へどんどん歩いて行くと、突然大きな球体が現れました。

 名古屋市科学館ですが、内部は次回にとっておきます。

 その後、名古屋港水族館で待ち合わせ、3人で名古屋駅に戻りました。

 駅の上にそびえるのはJRセントラルタワーズ。

 坂倉建築研究所の設計で、1999年の竣工。

 モード学園スパイラルタワーズは日建設計の設計で2008年の完成。

 造形で言えば、このビルが群を抜いて存在感を放っていました。

 夕方4時の特急に乗り、大阪に戻ったのです。

 名古屋人を称して、派手、見栄っ張り、ケチ……となかなかの言われようです。

 一日街を歩いてみて、私にはよい印象しかありません。

 正直言って、大阪のキタやミナミを歩くより面白いのではないかと感じました。

 街角で「デザイン都市・名古屋」というポスターを見かけましたが、その名に相応しいと思うのです。

 その象徴と言えるのが名古屋テレビ塔。

 東京タワー、通天閣等も担当した「塔博士」内藤多仲の設計で、1954年に完成しています。

 330mの東京タワーが赤と白に塗られているのは、航空法による決まりです。

 180mの名古屋テレビ塔がそうなっていないのは、規制の高さまで達していないからかなと思っていました。

 大阪に戻って調べてみると、60m以上の建造物がこの縛りの中に入ります。

 しかし、航空法ができる6年前にこの塔が完成していること。また、名古屋テレビ塔株式会社初代社長が抵抗し、最上部に航空障害灯をつけることで切り抜けている、とウィキペディアにでていました。

 1889年に完成した、324mあるエッフェル塔が赤と白なら、パリの印象は全く違ったものになるはずです。

 また、そうであれば近代建築の象徴とはならなかったでしょう。

 東京タワーを初めて見たときも、「美しい」と思いましたが、銀色の名古屋テレビ塔は群を抜いた美しさでした。

 抵抗した初代社長は名古屋市出身の神野金之助。

 その名前をみても、「派手で見栄っ張りで何が悪い。言いなりにはならんぞ」と書いてあるようです。

 何故だか最近、名古屋愛が止まらないのです。

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『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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