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しまなみ海道をめぐる<尾道編>‐1510‐

 週末は、後輩を尋ねてしまなみ海道をめぐりました。

 まずはスタート地点の尾道へ。

 この地を訪れたのは7年振り。某脱走犯が泳いで渡ったという尾道水道です。

 狭い所は200mだそうですが、もっと狭く感じます。

 それが、山、海、街のコントラストを強調し、極めて美しい風景を演出しています。

 尾道の背景ともいえるのが千光寺山。

 宿はその頂上付近にあり、尾道水道を見下ろします。

 あたりには、まだまだ豪雨の爪痕も残っています。

 この付近では、10日間の断水があったそう。

 仲居さんも、やはりトイレが一番苦労したとのことでした。

 純旅館という感じの宿で、部屋食でした。

 日が高いうちから食事をするこの贅沢。

 海の幸は、タコ、シマアジ、マダイがとても美味しかったのです。

 子供たちはダイヤル電話を面白がり、フロントへの電話が取り合いになっていました。

 翌朝、尾道商店街へ。

 南の路地をのぞけば海。

 北をのぞけば、山陽本線越しの千光寺山。

 この日は気持ちのよい気候で、坂道も歩きました。

 貿易の拠点として栄えた尾道は、急な斜面に張り付くように家が密集しています。

 敷地に対して無駄がないよう、法面に張り出した住宅。

 石の梁によって支えられていました。

 今風に言えば昆構造です。

 極めて細い路地は、神戸の外国人居留地などにも見られますが、より日本の風土を感じさせます。

 斜面に張り付く生き物が、手足を伸ばすかのよう。

 やや不安感はありますが、素晴らしい景色でしょう。

 急斜面での暮らしの中で、最も困難なのが水の確保。

 二階井戸は文化遺産に登録されています。

 海沿いまで戻ってきました。

 フェリーの往来をみているだけで飽きません。

 水の近い暮らしは、変化に富んでいるのです。

 夜、光を写す尾道水道。

 そして朝の尾道水道。

 「池を望む家」を設計したのが10年前でした。

 水というものは本当に無限の変化を見せてくれると知りました。

 生命の源である水を愛でるのは、ごく自然なことなのかもしれません。

 足掛け10年を掛けて、家族で47都道府県制覇の旅を終えたのが昨年の12月。

 切迫感こそなくなりましたが、折角旅にでるなら、子供たちにも何かを感じて欲しいと思います。

 今回は大三島に移り住んだ後輩を訪ねるのが目的でしたが、尾道だけで長くなってしまいました。

 「大三島で暮らす編」は、木曜日にUPしたいと思います。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
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『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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尾道

 昨日は朝から、四国へ。

 宝塚あたりで少し混みましたが、11時すぎにはうどんの「やまうち」に着きました。

 有名店だけあって、この時間でも席は埋まっていました。

 しょうがは食べる前に、自分ですりおろします。

 麺とダシ、それぞれの温かさが選べます。

 「ひやあつ」の特大と「しょうゆうどん」の特大、と大きな声で注文。

 母の実家のそばなので、時々来てますよ、みたいな感じで。

 こんな時、自分の俗物加減がいやになるのですが、それも含めてのやまうち。ちなみに地元の叔父さんは「麺が少なくなった」とやや否定的です。

 その後、祖母を訪ねました。

 大正13年生まれなので87歳。前回会ったのは、一昨年の夏だったでしょうか。

 一度脳梗塞で倒れてから、動きは随分遅くなりましたが、顔色もよく元気そうでした。

 祖父の墓へ参ると花が供えられていました。

 こんぴらさんが見える、田んぼのなかにあるのです。

 「誰か参ってくれたんかな」と妻に言うと、お彼岸だから、と。

 言われて初めて気づきました。温かいわけです。

 香川を後に、愛媛の今治、しまなみ海道を経由して、尾道へ。

 あいにくの雨模様でしたが、一度行ってみたかったのです。

 ラーメン、大林映画などありますが、真近に迫った瀬戸内海と、坂に張り付くような街。その急峻さは想像以上でした。

 長崎、函館、神戸。坂と海のある美しい街は多くあります

 見上げれば迫る坂、振り返れば海。そのコントラストが、旅情を掻き立てるのでしょうか。

 大阪で育った私には、より一層なのかもしれません。

 尾道のすぐ西の街、三原に泊まり、今日は広島へ行くつもりです。実は生れて一度も、原爆ドーム、平和記念公園へ行ったことがないのです。

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