タグ別アーカイブ: 大阪

表紙、頂きました‐1729‐

 日の出の位置が、ほぼ真東になりました。

 週末には彼岸の入りを迎えます。

 日の出が遅くなるとともに、起床時刻も少し遅めになってしまいます。

 子供達には「早起きは3億円の得」と伝えているのですが、気持ちよく寝れているのでよしとしています。

 アルファブックスから9月11日に発売された『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」が掲載されました。

 出版社から、3月にメールが届きました。

 「リフォーム設計デザイン」の本を発行します。

 商業施設(飲食、レストラン、物販、サービスなど)
 住宅(戸建、集合住宅、オフィス、宿泊施設など)

 これまでにないリフォームデザインの本になります。

 リノベーション事例「回遊できる家」様を拝見しました。本書に掲載をお願いしたくご連絡しました。

 それで、こう返したのです。

 参加させて頂こうと思います。

 出来るだけ前のページで、出来れば表紙でお願いします(笑)

 「回遊できる家」と指名頂いたので、そうしようと思います。

 楽しみにしております。

 で、表紙の一番上を頂きました。

 出版も当然ながらビジネスです。

 私が頼んだからといって、「買って貰える」と感じる写真以外が表紙にくることはないはずです。

 よって、とても嬉しいことなのです。

 もし言っていなかったらどうなったのかは知りませんが(笑)

 この日曜日は、大阪モノレールに乗って彩都へ向かいました。

 万博記念公園駅で彩都線に乗り換えます。

 彩都線は、中国道の上空を通過し、更に本線と交差します。

 この複雑なレール構成で、かなり高い位置を通過するのです。

 スピードも結構出ていて、運転席後ろからかじりつきで見ていました。

 もうアトラクションレベルでした。

 彩都に来たのは2回目だと思います。

 大阪大学箕面キャンパスがあり、二級建築士試験の監理員をするためです。

 学科試験を合格した人だけが受験できる二次試験のような位置づけです。

今年の7月、建築士試験の監理員を初めて経験したことを書きました。

 コロナ下につき、席の使用率を減らすので使用部屋数は増えます。

 監理員も増員が必要となり、建築士会の分科会から要請があったという流れです。

 前回の学科試験は大阪経済大学が会場で、最新のキャンパスに驚きました。

 今回は国立大なので、やはり敷地が広い。

 かなり早めに行ったのですが、受付には列ができていました。

 学科試験を合格している人達ばかりなので、やる気が伝わってきます。

 製図試験は5時間でプランを練り、図面を仕上げなければなりません。

 ほとんどの受験者はギリギリまでガリガリと図面を描いていました。

 私が見ていると、未完成の人が結構いました。まずは完成させなければ合格はないはずです。

 ひとまず全体を成立させてから、描き込みをふやすべきで、声を掛けてあげたくなりますが、監理員なので勿論そんなことはできません。

 11時から4時まで、持てるものを出し尽くした後ろ姿からは、安堵が伝わってくるようでした。

 モノレールに乗る機会もなかなかありません。

 これは摂津あたりにある新幹線の車庫と言えばよいのでしょうか。

 圧巻の景色です。

 おそらく建築士試験の監理員は今年限りにすると思います。

 受験生を見ていると、実際に仕事とさせて貰っている有り難さをひしひしと感じます。

 そして、建築士を真剣に目指す人達がこれだけ居ることを素直に嬉しいと思うのです。

 ただ、厳しいことを言うようですが、資格は勉強すれば必ず取れます。

 もし本気で仕事にしたければ、軽々と合格しなければなりません。

 先輩風を吹かせて偉そうにすることは格好悪いことです。しかし、本当のことを言う大人が少なくなったという危機感もかなり持っています。

 耳に痛い意見にヒントがある。

 スターバックスの元CEO、ハワード・シュルツもそう言っているのですから。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

千早赤阪村で夏の終わりを知る‐1728‐ 

 土曜日の朝はあまりにも気持ちのよい天気。

 「そうだ、棚田を見にいこう」と思い立ちました。

 国道309号線、内環状線を南へ走ります。

 富田林を抜けると大阪府下唯一の村、千早赤阪村です。

 「太平記の名場面 赤阪城の戦い」という案内を見つけました。

 鎌倉時代末期、倒幕を呼びかけた後醍醐天皇に応じたのが楠木正成です。

 倒幕を企てた後醍醐天皇は、幕府によって配流されますが、その意思を継ぐ護良親王を正成は赤阪城で守ります。

 30万もの幕府軍を、奇襲奇策を使って500名の兵で戦ったとありました。

 駐車場もあったので、ここから歩いて行きます。

 棚田は傾斜地に田をつくるので、中央にあるこの道路は完全な等高線。

 まったくアップダウンがなく、極めて歩きやすいのです。

 快晴の空が背景で、想像を上回る美しさでした。

 標高もあってか、そこまで暑さも感じません。

 そう思っていたら、自転車やウォーキングの人とすれ違いました。

 皆思うことは一緒です。

 等高線上の道に沿って進むと、赤阪城址という石碑が見えてきました。

 高台にあった城から、巨石を落とし、熱湯を浴びせ、糞尿をまきちらして敵を撃退したそう。

 兵糧が尽き、最後は城を放棄したそうですが、現存していたなら是非見てみたものです。

 現在は遠くにPLの塔、さらにあべのハルカスを望みます。

 700年前も、素晴らしい眺めだったことでしょう。

 現在は「日本の棚田100選」にも選ばれた下赤阪の棚田が眼下に広がっています。

 ここで糞尿をまきちらしたと考えると少し笑ってしまいますが。

 モノレールのような乗り物がありました。

 みかん畑などでよく見かけるあれですが、棚田の収穫にも使われるようです。

 すぐ近くに、農産物直売所があったので寄ってみます。

 ほとんど売れてしまったそうで、残っているものをかき集めて買って帰りました。

 味見用に数粒のブドウが残っており「お兄さん、味見して行ってよ」と声を掛けられました。

 「娘が大のブドウ好きなので、持って帰ってもいいですか」と聞き返しました。

 裏手に回って、さらに数粒持ってきてくれ「今度は朝一番に来てよ。ブドウがとっても美味しいから」とお土産にくれたのです。

 リモート、ネットショッピングの時代ですが、やはりその場に行かない、面白い事も面倒なことも起こりません。

 だから私は野外と旅が好きなのだと思います。

 田には豊富な水が必要です。

 水がスムーズに供給されるよう、また崩落しないよう、緩やかに連続する田の曲線は、極めて優しい風景をつくり上げます。

 自然と生活を美へと昇華させたものだと言って良いでしょう。

 棚田に日本の美の源泉を見る思いがしたのです。

 用水路にはヒキガエルの子供が。

 シオカラトンボも沢山飛んでいました。

 行く夏を惜しむように鳴くツクツクボウシ。

 つい先日まで、シャワーが水でも浴びれそうな水温でした。

 「水ぬるむ季節」という表現がありますが、丁度その反対の時期でしょうか。

 長かった今年の夏もいよいよ終わりのようです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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鏡に映る自分と向き合え‐1727‐

 昨晩は一雨降ったようで、今日は涼しい朝になりました。

 青柿には雨粒が残っていました。

 クーラーを入れずに寝たのはいつ以来でしょう。

 やはり自然の風で寝るのが一番です。

 明け方の空気は澄んでおり、清流のような清々しさがありました。

 高野槙などで知られる槙。以前はよく庭木に使われていました。

 近所の庭ではかなり採用されていますが、この時期に新芽がでるようです。

 ジョギングしているとあちこちに水溜りが出来ていました。

 それぞれが、鏡のように空を映しています。

 三種の神器に鏡が含まれるように、古代においての鏡は特別なものだったはずです。

 庶民は自分の姿を見たければ水面を覗き込んだのだろうか、などと考えていました。

 現代では、透明ガラスに「銀引き」という加工をして鏡を製造します。

 洗面所には必須の材となりますが、「光庭の家」では、間接照明を後ろに仕込み、収納として開くよう考えました。

 「サンルームと吹抜けのある家」の寝室にはパウダースペースがあります。

 こちらは開くと三面鏡となります。

 「White Eaves」はタイミングが合わずで、竣工写真が撮れていないのが残念です。

 バスルームの鏡も格好良く仕上げたのです。

 先日2ヵ月点検だった「ときめく紺色の家」のパウダースペースです。

 仲の良い母娘が並んでお化粧できるよう、こちらは可愛く仕上げました。
 
 鏡は使い方によって、様々な演出ができる強い素材なのです。

 吉川英治の三国志につぎのような行があります。

 人と人との応接は、要するに鏡のようなものである。驕慢は驕慢を映し謙遜は謙遜を映す。

 人の無礼に怒るのは自分の反映へ怒っているようなものといえよう。

 いつも言い聞かせているつもりですが、なかなかこのレベルに到達するのは難しいものです。

 と、言っているから難しいのかもしれませんが。

 娘さんがアマレスの五輪メダリストであり、ボディビルダーでもある、元プロレスラー・アニマル浜口さんはこう言っていました。

 毎朝、素っ裸になって鏡に映る自分と向き合え!

 どんな文脈だったのか忘れましたが、半分は理解できます。

 左右反転である点を除けば、鏡は嘘をつきません。

 姿だけでなく心まで映すという言い方もできますし、姿には心も反映されているという言い方も出来ると思うのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
「トレジャーキッズたかどの保育園」
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■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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大阪都天王寺区コリアタウン‐1726‐

 伊勢湾台風を上回る勢力とあった台風10号。

 九州西岸をかすめるように通過しました。

 九州では7月豪雨があったばかりで、何ともやりきれない気持ちだったと思います。

 大阪は風こそ強めでしたが、地鎮祭を執り行うことができました。

 しかしこれからが台風シーズン。明日は我が身と思い、備えておかなければなりません。

 地鎮祭には車で行ったのですが、阪神高速に乗るとすぐにあべのハルカスが見えてきます。

 大阪府と大阪市の二重行政を無くそうという「大阪都構想」。

 前回の住民投票では否決されましたが、再度民意が問われることになりそうです。

 実現すれば、当社のある平野区は、阿倍野区、生野区、東住吉区を合せて、天王寺区となります。

 新・天王寺区の紹介としては、日本一高い商業ビルのハルカスと、鉄道の南の玄関口となっていました。

 お向かいのような位置にある通天閣は浪速区で、新・中央区となります。

 1兆円の無駄遣いをなくせるとか、効果は0円とか、論調は様々です。

 仕事に関して言えば、建築確認申請の裏判を貰うのが、大阪市役所から天王寺区役所へ変わるくらいでしょうか。

 大きく無駄使いが減るなら実現して欲しいですし、大阪市という名称に愛着があると言えばあります。投票なら、もう少し勉強しなければなりません。

 新・天王寺区の紹介にもうひとつ取り上げられていたのが「コリアタウン」。

 それなら知らない訳にはいかないと、寄ってきました。

 近くのお好み焼きや焼肉の名店は訪れたことがありますが、コリアタウン自体は初めてだと思います。

 この時期にも関わらず、なかなかの活気です。

 疎開道路から東へのびる350m程の通りですが、東端には「百済門」がありました。

 世界中の大都市にチャイナタウンはありますが、コリアタウンも結構あるのでしょうか。

 韓国へは行ったことがないのですが、ミニ海外旅行のようでワクワクしてきます。

 食材といえばやはりキムチ。

 流石に種類も豊富です。

 この狭いエリアに肉屋さんも5軒はありました。

 韓国風焼き鳥なのか、これを頬張りながら歩いている人も。

 古い店のほうが雰囲気はありますが、どちらかと言えば若者をターゲットにしている店が多い感じです。

 トッポギや先程のヤンニョムチキンの文字も見えます。

 長男が中学校へ行き始めた頃、K-POP好きの友達とよくコリアタウンへ行っていました。

 アイドルグッズ店等もあり、このごった煮感が人気の秘密なのかもしれません。

 通りを行く人の年代も様々でした。

 このポテトチップを串に刺したような食べ物。歩きながら食べている若者を結構見ました。

 興味津々ですが、この時期なので挑戦するのはやめておきます。

 大阪都天王寺区のコリアタウンと言われると、かなり戸惑うかもしれません。

 勿論「都」が実現した際の話です。

 コロナ下の社会となり、当分海外は難しそうです。子供達が好きな番組「世界の果てまでイッテQ!」でも国内企画に変更されていました。

 流石にリモート旅行は寂しいので、国内で外国を感じられる場所を回るのも悪くないかもしれません。

 度々例に上がるペストやスペイン風邪のように、今回の新型感染症も、いつか克服されるでしょう。

 それが1年なのか2年なのか。5年海外へ出られないのはちょっと辛いところです。

 リモートで感じられないのは、触覚、味覚、嗅覚です。

 景色を見て、喧噪を聞き、風を感じ、屋台から漂う匂いが鼻腔をくすぐり、つい口にしてしまう。

 旅は五感で味わい尽くすものです。気兼ねなく屋台で食べられる時が来たら何処へ行こうかと考えます。

 台湾、オランダ、オーストリア、メキシコ、ブラジル……

 韓国も候補に加えてみます。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
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「トレジャーキッズたかどの保育園」
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■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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地方創生。頑張れ、敦賀駅前商店街‐1725‐

 先週の日曜日、久し振りに日本海を訪れました。

 その帰り、敦賀の市街地にも寄ってきました。

 まずは目抜き通りをのぞきます。

 それぞれの街に特色があり、旅情をかきたてるものですが、最近で言えば、函館仙台金沢長崎那覇あたりが印象に残っています。

 敦賀半島は数え切れないほど訪れていますが、敦賀駅前は初めてだと思います。

 2023年春の北陸新幹線開通を目指し、工事は急ピッチで進んでいるよう。

 「シンボルロード」という駅前通りには、「銀河鉄道999」と「宇宙戦艦ヤマト」のモニュメントが多く設置されていました。

 古くは、東京とパリを結ぶ「欧亜国際連絡列車」が敦賀港駅を経由して走っていたことから、市のイメージである「科学都市」「港」「駅」と将来像を重ね合わせて設置された、とありました。

 心意気やよし、です。

 ただ残念ながら駅前商店街はシャッターばかり。

 旅行者としてはかなり寂しいのです。

 地の魚を買おうと、僅かに開いていた魚屋さんに入りました。

 乾物や缶詰等はあるのですが鮮魚はなし。

 仕方が無いので遠くに見えるスーパーへ行くと、地の魚やイカが多くありました。

 人は正直なもので、商店街とは比べものにならない活気だったのです。

 各店舗前には駐車場が整備され、広い庇もあり、夏でも冬でも歩きやすいはず。

 なんとも勿体ない話です。

 港も近いので、ぐるっと回ってみました。

 1905年完成の赤レンガ倉庫も風情はありますが、函館、横浜、舞鶴の赤レンガ倉庫と比べると寂しい感じは否めず……

 「わびさび」という美意識に照らし合わせれば、魅力があるとも言えますが、再び足を運んで貰うには少し弱いかもしれません。

 前回、第5の故郷と書いたくらいなので、水が美しく、魚の美味しい敦賀という土地が大好きです。

 観光客でごった返して欲しい訳ではありませんが、あれほど立派な商店街に人が居ないのは気になります。

 コロナ下の時期だけなら良いのですが。

 コンビニを日本に定着させたセブン&アイHDの名誉顧問、鈴木敏文さんの記事が新聞に連載されていました。

 コンビニにはほぼ使いませんが、創業の理念を読んで現在の隆盛を納得しました。

 昭和38年、イトーヨーカ堂に転職した鈴木さんは、スーパー出店説明会の度に、地元商店街から猛反発を受けます。

 昭和40年代中頃、アメリカ西海岸へ視察に行ったとき、移動休憩で「7」と「ELEVEN」を組み合わせた、見慣れない小型店に入りました。

 スーパーを小型にしたような店舗で、これがコンビニエンスストアとの出会いでした。

 アメリカでは大型ショッピングセンター、スーパー、小型店、個人商店などが共存していました。

 しかし、ダイエーの中内さん、西友の堤さん、自社のオーナー(イトーヨーカ堂)は、小売りの時代は終わったという考えでした。

 大型店だけで全てをまかなうことはできない。アメリカもヨーロッパもそうでしょうと、鈴木さんはオーナーを説得します。

 何より商店街が衰弱している。小型店には小型店として生きる道があると考えたのです。

 その業態だけでなく、全て過去を否定した先に生まれたものだともありました。

 「おにぎりは売るものじゃない」と反発を受け、「銀行なんて簡単にできるものではない」とメインバンクの頭取に説得され、競合他社が共同で小ロットで配送する「牛乳の共同配送」は物流改革の象徴とさえ呼ばれるものでした。

 ダイエーには何でもあるが、欲しいものはない。

 辛辣な言葉ですが、ダイエーが消滅した理由をこれ以上分かりやすく伝える言葉はありません。

 鈴木さんはこう語っています。

 僕がセブンーイレブンで当初から常に求めてきた基本は品質であって、合理性の追求は二の次、三の次だった。

 この記事を読んで、もう少しコンビニを使ってみようかなと思いました。ただ、ちょっと高いのは間違いありませんが。

 最後はこう結ばれていました。

 人はより良いもの、高質のものを求め続ける。(中略)世の中が変化することは多くのチャンスが生まれてくる。(中略)これからもどんどんやりがいのある社会がくるから、どんな商売も深堀すればやりがいのある仕事ができる。

 コンビニの輸入を決め、アメリカの運営会社との契約を成立させ、送られてきた27冊の経営マニュアルを読んだときにはあぜんとしたそうです。

 そこにノウハウと呼べるものはなく、あったのはレジの打ち方、人の採用の仕方などの説明ばかり。殆どが参考にならなかったのです。

 そこから、日本のコンビニ文化を50年で創り上げたカリスマは現在87歳。

 敦賀駅前商店街のリーダーにこの記事は絶対読んで欲しいと思いました。

 旅先でお金を使ってあげたいと思っても、欲しい物がないので使えない。

 退陣を表明した安部内閣の掲げた目標のひとつに「地方創生」がありました。

 こんな単純な問題を解決することからしか実現はないと思うのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
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走る、曲がる、何より止まる!‐1723‐

 前回は創業の地、天王寺について書きました。

 そもそも天王寺へ行ったのは、自転車引き取りの為です。

 修理しながら、騙し騙し乗っていましたが、いよいよブレーキの効きが悪くなっていました。

 近所の自転車屋さんを2軒回るも「うちでは修理できません」とつれない返事。

 それで、購入した「MOVEMENT」まで車で運び、修理をお願いしていたのです。

 お盆期間を挟んでいたので、10日振りに帰ってきました。

 593年に、聖徳太子によって建立されたは四天王寺は、日本最古の官寺です。

 一般的に「天王寺さん」と呼ばれることが、あたりの地名となりました。

 四天王寺は朱色の五重の塔でも知られます。

 その南にある、「阿像」と「吽像」が守る仁王門。

 ここから南に下ったあたりに「MOVEMENT」はあります。

 そこまで行って購入したのには訳があります。

 創業と共に購入した無印の自転車に18年乗りました

 しかし、携帯を見ながら自転車を運転していた女の子がぶつかってきたのが致命傷となり、仕方なく乗り換えを決めました。

 色々探しましたが、希望の自転車が見つからず、こちらのお店に相談。この自転車を紹介して貰ったのです。

 2013年のことです。

 ところが1年前くらいに、焦る表情を浮かべながら、完全な信号無視で私に急に飛び出してきた、若いお母さんの自転車がありました。

 衝突を避けるために急ブレーキ。その時、前輪のワイヤーが切れてしまったのです。

 詫びるどころか、止まりもせずに行ってしまいました。

 衝突は何とか回避しましたが、ワイヤーが短くなったのでブレーキまで届かない。

 何ともやりきれない気持ちで、出勤したのです。

 その後、ギリギリまで引っ張ってブレーキと繋ぎ、無理やり乗っていたのですが、今度はディスクを挟むパッドの部分も擦り切れてしまったよう。

 後輪のブレーキもたるんだワイヤーを引っ張り、引っ張りしているとこの通りに。

 今回、前輪はワイヤー、パッドとも新品に。

 後輪のワイヤーも付け替えて貰いました。

 帰り道、上町台地からは下る一方で、暑さなど全く気にならない快適ライドです。

 ペダルも軽く、軽量のアルミボディにつきハンドリングも軽やか。

 何より適切に効くブレーキがこれ程心地よいものだったとは!

 ルンルン気分で、20分程かけて自宅へ戻ったのです。

 MOVEMENTの店長さんも言っていましたが「こんな時期なので、有り難いことに自転車の需要が増えているんです」と。

 街でも、電動自転車を見る比率もかなり増えました。

 今回は致命傷になりませんでしたが、マナーの悪い運転で危険な目にあったことがある人も多いと思います。

 人間の体は、自分が走れるスピード以上の衝撃に耐えれるようには出来ていません。

 世界記録、ウサイン・ボルトでも時速37.5kmです。

 住宅の3階の高さを8mと仮定し、地面まで落下した速度を計算してみます。

 自由落下の公式は以下の通り。

・v[m/s]=gt  (t[s]:時間)

・y[m]=1/2gt2

・g=9.8[m/s2]

 yに8を代入してみます。

・8[m]=1/2*9.8[m/s2]*t2 t=1.28[s]

・v[m/s]=9.8[m/s2]*1.28[s]=12.544[m/s]

 これを時速に直すと45km/h。

 2階からなら36km/hで、それ程怖さを感じないのは、人は敏感に本能で分かっているからだと思っています。

 スマホ見ながらのお嬢さん。暴走お母さん。

 自転車は人を傷つける可能性のある乗り物です。性能が上がった今は、生死にかかわることも稀ではありません。

 是非自分が止まれるスピードでとどめて貰うようお願いします。

 天王寺の仁王門から、MOVEMENTの店長……でなく、

 「阿像」那羅延金剛力士がにらみをきかしていますよ。

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■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
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焼肉カレー‐1718‐

 一昨日の土曜日から夏季休暇に入っています。

 大和三山のひとつ畝傍山を横目に大和高田バイパスを東へ。

 さらに169号線を南下します。

 長男と池原ダムにやってきました。

 彼と来たのはかなり久し振りのはず。

 まずは景色のよいところを回ります。

 何とか1匹は釣って貰いたいので、厳選を重ねたポイントに入りました。

 幸先良く1匹を仕留めましあた。

 その後もコンスタントに追加し、早々に撤収です。

 彼も定期試験が終わったばかりで、移動中は良く寝ていました。

 釣りに来たというよりは、むしろ「大好物を食べる旅」がコンセイプトです。

 まずは焼肉です。

 なかでもお勧めは「豚バラファイヤー」。

 脂がおち、カリカリにになるまで焼き上げると、いくらでもご飯が進むのです。

 翌日も天気にめぐまれ、2、3匹釣ると、早めに宿へ帰りました

 カレーも長男の大好物。

 娘は舌が繊細で、辛い物が大の苦手。それもあってカレーが食卓に上らないのです

 我慢している分だけ美味しかったはずです。

 心残りは、鍋で炊いたご飯に芯が少し残っていたこと。

 あまり失敗したことがないので、またこちらはチャレンジです。

 少し昼寝をしてから、長男を橿原神宮前まで送ってきました。

 今年の夏季休暇は、池原のバンガローを5連泊で取っており、もう一組ガイドする予定になっています。

 続きは木曜日に。
 

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
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サマープレゼンテーション‐1717‐

 これまで、夏は6月、7月、8月というのが一般的な認識でした。

 続く秋は9月、10月、11月。冬が12月、1月、2月で、春は3月、4月、5月。

 近年は暑くなる一方で、9月は夏なのか、秋なのか微妙な月になってきました。

 日本も夏が4ヵ月を占める南国となったので、ある方がアロハシャツで来社してくれました。

 詳細はもう少し伏せておきますが、企画の提案日だったのです。

 なのですが、始まってすぐ「守谷さん、ビールが好きですもんね」と、いきなりビールグラス3点セットを頂いてしまいました。

 少し過ぎたけど誕生日プレゼントと。

 ビールの種類に最も合った形状のグラスが3種。

 昨晩は、口が狭くなっているタイプを使ってみました。

 実は打合せ後に少し飲もうと、ハートランドビールと焼き鳥まで持って来てくれていました。

 飲みたいのは山々だったのですが、あまり寝ていなかったので、辞退申し上げてしまいました。

 実は以前、同じようなシチュエーションがあり、目の前で何度もコックリコックリとやってしまったのです。

 間違いなくそうなると分かっていたので、失礼ながら機会を改めてお願いすることにしました。

 ミナミに繰り出していて寝不足だった訳ではありません。

 仕事に終わりはないので、企画提案の前日は、どうしても遅くなってしまいます。

 全体を把握し難い角度で撮っているますが、あるコンセプトを見つけてからは、一気に描き上げてしまいました。

 図面を描くのと並行して、模型作りも進めます。

 現在は30代の若者が手伝いに来てくれており、模型を担当してもらいます。

 これは色々なパウダーをブレンドして作った芝生キット。出来合いのものも売っていますが、ここは手数を掛けます。

 上にあるサンプルの裏には、アトリエm秘伝の配合比が記されています。場所、部位によって使い分けるのです。

 道路、木、人など、提案する建築ではない物を作りこむことによって、建物のイメージが明確になっていくのが面白いところです。

 スタディ模型が上がってくると、それを見ながら更にプランを詰めて行きます。

 そんな時、ふと時計を見ると夜の10時より早いことは何故かありません。

 時間帯が深くなってくると眠けが襲ってきますが、あの手この手を使って、自分に発破をかけます。

 これまでの模型を見上げるのもそのひとつ。

 物創りに捧げてきた時間だけが、唯一私の誇れるものなのです。

 企画提案を、プレゼンテーションという横文字で表現するようになったのはいつからでしょう。

 大学時代、ゼミの担当教官が「プレゼンテーションってなんだと思う?」と問題提起しました。

 ゼミ生からは色々な意見がでました。

 しかし担当教官の答えが一番分かりやすく、心のに残っています。

 「それはプレゼントだよ」

 嬉しいプレゼントを貰い、渾身のプレゼントをお渡ししました。

 結果は……神のみぞ知る、です。

 ビールグラスは赤とピンクのチェック柄の包装紙にくるまれていました。

 この包装紙が、どれだけワクワクさせてくれるものか。

 この夏、5回程プレゼンテーションがある予定ですが明日はその4回目。

 どんな流れで、どんな言葉で……と考えていると、あっという間に2、3時間が過ぎています。

 包装紙を丁寧に剥がすように、この建物がこうなるに至ったストーリーを順に伝えて行くのです。

 今の時間あたりからがようやく本番。最高の仕事をして、スカッと夏季休暇に入りたいと思うのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

人が望む曖昧な周期‐1716‐

 長かった梅雨が明け、いきなりほぼ真夏日です。

 どこで聞いたのか、娘が「セミが鳴きだしたら梅雨は終わり」と言っていました。

 言われてみれば梅雨とセミはマッチしませんが、いずれにしても夏本番です。

 日経新聞だったかに「コロナ禍でなくコロナ下」とありました。

 建築設計においても、環境は全て受け入れ、良い所を探すだけ。

 これはすでに環境だと思うべきことのようです。

 この春、育児休暇から復帰したスタッフは、ほぼフルタイムで働いてくれています。

 この状況なので、子供を預ける保育園からは少し熱が上がると電話が掛かってきます。

 不安定な勤務状態は本人が辛いでしょうが、仕方ありません。

 先日は打合せ直前だったこともあり、子供をバギーに乗せて出社し、数時間仕事をしてくれました。

 1歳を過ぎた彼も、初めは機嫌よく遊んでいたのですが、もちろん飽きてきます。

 ぐずり出したので「バギーで外を歩いてきてもいい?」と聞くと「勿論大丈夫です」と。

 公園の木陰を散歩していると、あっという間に眠ってしまいました。

 昼間の木陰を散歩することなど滅多になく、私が気持ちよかったくらいですから当然と言えば当然です。

 木漏れ日について少し考えてみます。

 私の住んでいる街は、1970年前後に開発された住宅地ですから、公園の藤棚もほぼ同い年。

 年輪を重ね、「ふじ」などという繊細な雰囲気は全くありませんが、これも木漏れ日です。

 ポイントとしては、葉が揺れたり、葉の密度には濃淡があるので、一定ではないということでしょう。

 太陽は移動するので、一日で大きく変化もします。

 屋外なので空気が動いているという点も、「心地よい」という感情へ訴えかける大きな要素でしょう。

 ふた時代ほど前に「ファジー」とか「1/fゆらぎ」をキーワードにした家電が流行しました。

 扇風機などがその代表格ですが、物理で言えば「T=1/f」。

 Tは周期を示す記号で、「ファジー」は曖昧とか不確定という意味ですから「人が望む曖昧な周期、リズム」といったところでしょうか。

 電車に乗ると眠たくなるのは、レールの継ぎ目が引き起こすリズムあるガタンゴトン音が要因だといわれます。

 生物は全て海に起源を持っているので、波のリズムが遺伝子に刻み込まれているのかもしれません。

 人はスケジュールにびっしり縛られるのも嫌です。かと言って、全くルールがなければ自分を律するのはかなり難しいもの。

 時間、曜日、暦など、見れば見る程よくできているなと感じます。

 その源が、潮の満ち引きだったり、太陽のリズムからきていると考えると、こちらも当然のことなのかもしれません。

 人が望む曖昧。

 それが分かれば一番ですが、まずはリズムあっての曖昧で、さほど曖昧ではないのかなと考えたりするのです。

 芭蕉が夏草に故人への思いを馳せたように、私も祖父母が暮らした岡山の海沿いの街や、金毘羅さんへの参道沿いの家を思い出します。

 コロナ下という環境ですが、もう少しだけ落ち着いたら、瀬戸内海を見下ろす墓地と、像頭山を望む墓地を訪ねたいと思うのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
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においKY‐1705‐

 いつもと違う道で会社へ向かっていると、何か違和感が。

 分譲地ができたてのようです。

 ここは確か……

 奥山牧場だったところ。

 住宅地の真ん中に牛を飼っている牧場があったのです。
 

 ときどきのぞいていたのですが、一番新しい写真は2017年9月のものでした。

 もし書くなら、あることを書かざるを得ないので、ここで詳しく書いたことはないはずです。

 入口からのぞくと、いつ行っても愛らしい目でこちらを見つめてくれるのです。

 一番古い写真は2009年8月でした。

 長男が4歳の頃なので、一緒に見に行ったのだと思います。

 ネットで探してみると、大阪市内最後の酪農家で、堺に引越したようです。

2018年3月25日 奥山牧場 堺へ移転決断

大阪市内唯一の酪農家が、堺市内の酪農団地への移転を決めた。長年、住宅街で乳牛を飼養してきたが、規模拡大とともに牛にとってのより良い環境を求めての決断。全国で事業承継が課題となる中で親子で家業を守り、移転後は頭数を1.5倍にするなど「希望の持てる場所」。これまでの地域への感謝とともに、次代の担い手は酪農経営の明日を見据える。

市内で酪農を営むのは、奥山牧場(平野区)の代表、奥山雅則さん(61)と長男の恭平さん(30)。現在は乳牛を50頭を飼養し、年間約400トンを出荷している。

飼料も工夫し、近隣の食品工場の食品残さを飼料に活用するなど、経験を生かした高い乳質も評価されている。移転は6月を予定し、計画では84頭に拡大する方針だ。

 最後に寄った半年後には引越していました。

 市内に暮らし、すぐ近所で牛を見れることはそうないでしょう。

 愛くるしいうるんだ瞳をみるていると、何とも癒されます。

 ただ、済んだことなので書きますが、勿論臭い!

 私の家からは1km程離れているので、流石に届きませんが、風向きによっては数百メートル離れていても、あの独特の臭いが漂ってきます。

 建築基準法では、用途地域によって建築可能な建物の種類が決められています。

 あの場所に牛舎を建ててよいか、などの細かいことを調べたことはありませんが、ちょっとKYかな(古い?)、とは思っていました。

 テレビ電話での打合せが増えました。

 夏のこの時期、クライアントのお宅に伺う際は、やはり多少のエチケットは必要です。

 しかし画像から匂い(臭いではない)は伝わらないので、気が楽と言えば楽。しかし、リアリティがないと言えばリアリティがない。

 先輩の車の芳香剤の香り。

 冬と春の変わり目の朝の匂い。

 ある香水の匂い。

 匂いは一瞬で記憶を引き戻す、最も強いスイッチです。

 奥山牧場の臭いが懐かしいとは言いませんが、これで平野区も無味無臭の都会となりました。

 一番思うのは、それを許容していた近隣の人達が凄い、ということです。

 先にあったんだからしょうがない。そういう考え方が昭和の日本にはあったのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
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